Histology

Histology · 1.3

細胞・細胞小器官・核:非膜性細胞小器官と細胞骨格

Cytology — Non-membranous organelles & cytoskeleton

🧠 細胞骨格は「太さの違う3種類のロープ」として覚える——微小管(太い・25nm)、(中間・10nm)、(細い・7nm)。 太さが違えば役割も違う:微小管は輸送のは機械的な強度、アクチンは運動・形状変化。非膜性(リボソーム・)はこの骨格系と密接に関わる付随構造として位置づける。

リボソーム

膜構造をもたない粒子状ので、mRNAの情報をもとにタンパク質を合成する(翻訳, translation)。

  • :細胞質基質にし、細胞自身が使う(分泌しない)タンパク質を合成
  • 上のリボソーム:分泌タンパク質・を合成(01-2-membranous-organelles

多数のリボソームが集まったは、H&E標本で好塩基性を呈する主因の一つである(00-2-staining)。

細胞骨格の3系統

flowchart TD
  A["細胞骨格"]
  A --> B["微小管:約25nm、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tubulin'>チューブリン</span>重合"]
  A --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intermediate filaments'>中間径フィラメント</span>:約10nm、組織<span class='jp-term jp-term-diagram' title='specific protein'>特異的タンパク</span>質"]
  A --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='actin filaments'>アクチンフィラメント</span>:約7nm、アクチン重合"]
種類 太さ 構成タンパク質 主な機能
微小管 約25nm 細胞内輸送の・鞭毛の02-2-apical-specializations
約10nm 組織により異なる(下表) 機械的強度の保持、核・細胞膜の裏打ち
約7nm アクチン 細胞運動、

組織によって構成タンパク質が異なるため、腫瘍の由来組織を同定する免疫染色マーカー(00-3-immunolabeling-molecular)として臨床的に重要。

の種類 分布する細胞・組織
上皮細胞(02-1-classification
(線維芽細胞など、03-1-cells
筋細胞(04-1-skeletal-muscleなど)
ニューロン(05-1-neurons
(アストロサイト, 05-3-neuroglia

中心小体と微小管形成中心

一対のを構成し、微小管の重合を組織化するとして働く。は9セットの3連微小管からなる円筒構造で、時には01-5-cell-cycle-death)形成の起点となり、には・鞭毛のとしても機能する(02-2-apical-specializations)。

💡 が同じ「9+0」の微小管配置を共有していることはではなく、細胞が同じ部品()を用の司令塔と、運動用の土台という2つの目的に使い回している例——1つの構造が文脈によって異なる役割を担う典型。

病理診断における中間径フィラメントの使われ方

臨床の現場では、由来がはっきりしない腫瘍細胞をどの組織から生じたものかを見極める必要がしばしば生じる。このとき手がかりになるのが、細胞の中に残されたの種類である。上皮由来であれば、たとえ形態が崩れていても内部には特有の繊維状タンパク質が保たれていることが多く、由来であれば別の種類の繊維が、筋由来であればまた別の種類の繊維が検出される。つまり細胞は分裂を繰り返し形を大きく変えても、内部の骨組みだけは出自を裏切らない、という性質をもつ。このため病理医は、見た目だけでは判断がつかない腫瘍の起源を、細胞骨格という「消えない」を頼りに突き止めることができる。

まとめ

  • 非膜性には(好塩基性の主因)と(MTOC・)がある。
  • 細胞骨格は太さの異なる微小管(25nm、輸送)・(10nm、機械的強度)・(7nm、運動)の3系統からなる。
  • は組織特異的な構成タンパク質(・GFAP)をもち、腫瘍由来組織の同定マーカーとして重要。
  • としての両方に働く。
  • は組織の出自を反映し続けるため、起源不明の腫瘍の由来組織を突き止めるの手がかりになる。