Histology

Histology · 1.5

細胞・細胞小器官・核:細胞周期と細胞死

Cytology — Cell cycle & death

🧠 細胞周期は「準備()→分裂()」の2幕構成、細胞死は「プログラムされた静かな自殺(アポトーシス)」と「事故的で炎症を起こす崩壊(壊死)」の対比、と2組に分けて覚える。 両方とも「秩序」がキーワード——細胞周期はによる秩序立った進行、アポトーシスは周囲を巻き込まない秩序立った自己解体である。

細胞周期

細胞周期は分裂期(, mitosis)からなる。

flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='G1 phase'>G1期</span>(成長・タンパク質合成)"]
  A --> B["S期(DNA複製)"]
  B --> C["G2期(分裂への準備)"]
  C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='M phase'>M期</span>(分裂:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mitosis'>核分裂</span>+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cytokinesis'>細胞質分裂</span>)"]
  D --> A
  D --> E["G0期(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='telogen (phase)'>休止期</span>:分裂を離脱)"]
主な出来事
細胞成長、タンパク質・の合成
S期 DNA複製(染色体量が2倍になる)
G2期 分裂に向けた最終チェック・微小管など分裂装置の準備
・中期・後期・)と
G0期 細胞周期から一時的または永続的に離脱した休止状態(多くの

各期のにはがあり、DNA損傷や複製の不備を検出すると周期の進行を止める。この監視機構が破綻すると、異常なDNAをもった細胞が分裂を続け、のリスクが高まる。

G0期にとどまる細胞(成熟ニューロン、成熟など)は基本的に再分裂できない——これは組織の力を左右する重要な原則で、なぜの心筋やニューロンの損傷が再生しにくいかの根拠になる(対照的に上皮・は活発に分裂を続ける)。

有糸分裂の4期

主な変化
クロマチンが凝縮し染色体が可視化、が崩壊、開始(01-3-non-membranous-organelles-cytoskeletonが起点)
中期 染色体が細胞赤道面に整列
後期 が両極へ分離
が再形成、染色体が脱凝縮、続いてで2つの娘細胞に分かれる

細胞死:アポトーシスと壊死

flowchart TD
  A["細胞死"]
  A --> B["アポトーシス:プログラム細胞死"]
  A --> C["壊死:病的な細胞死"]
アポトーシス 壊死
性質 生理的・プログラムされた「能動的な」細胞死 病的・偶発的な「受動的な」細胞死(虚血・毒性など)
細胞・核の変化 細胞の萎縮、クロマチン凝集、核の形成 細胞・の膨化、細胞膜の破綻
周囲への影響 炎症反応を起こさない(近隣細胞・マクロファージに速やかに貪食される) 細胞内容物が漏出し炎症反応を誘発
代表例 発生における間の水かき退縮、の選択()、正常な組織の 心筋梗塞、重度の熱傷・外傷

💡 アポトーシスが「周囲を巻き込まない」自己解体である一方、壊死は細胞膜が破れて内容物が漏れ出すため炎症を惹起する——この違いが、なぜ発生過程の正常な細胞除去(指の水かきの退縮など)はアポトーシスで静かに進むのに対し、梗塞や外傷による組織障害は炎症反応を伴うのかを説明する。

まとめ

  • 細胞周期はG1・S・G2期からなる(有糸分裂)に分かれ、がDNA損傷などを監視する。
  • G0期にとどまる(成熟ニューロン・など)は基本的に再分裂しない。
  • 有糸分裂は・中期・後期・の4段階を経て、続くで2つの娘細胞になる。
  • アポトーシスは炎症を起こさないプログラム細胞死、壊死は膜破綻により炎症を誘発する病的細胞死である。