Medical Microbiology

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感染:定義・感染源・侵入門戸・伝播経路・転帰

Infection: definition, source, portal of entry, transmission routes, and possible outcome

🧠 感染は「どこから来て(感染源)」「どうやって伝わり(伝播経路)」「どこから体内に入り()」「最終的にどうなるか(転帰)」という一続きの物語として理解する。 同じ病原体でも、この4つの座標のどこに位置するかによって臨床像がまったく変わる。

感染の定義

感染とは、通常は体内に存在しない微生物(細菌・ウイルス・寄生虫など)の侵入と増殖である。

  • 症状を欠く場合(, subclinical)と、症状を伴い臨床的に明らかな場合がある
  • 局所にとどまる場合と、血行性・に広がり全身性になる場合がある
  • ヒトからヒトへ伝播する(contagious、接触伝染性)場合と、伝播しない(non-contagious)場合がある
  • は健常な個体に生じ、は既に別の病原体に感染している個体に生じる

感染源

感染源は外因性または内因性に分かれる(内因性の例:常在菌叢に由来する潜伏・性微生物の活性化)。

分類 内容
外因性 。病人・感染者・、または環境(食物・飲料水)を介する
内因性 。常在菌叢・菌のリザーバー(ヒト・動物・土壌)を介する
flowchart TD
    A["外因性感染源"] --> B["伝播経路"]
    B --> C["宿主への侵入<br>付着 → 貫通 → 侵入"]
    C --> D["定着 (colonisation)"]
    G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='endogenous infection'>内因性感染</span>源<br>(常在菌叢)"] --> H["伝播経路"]
    H --> C
    D --> E["播種<br>菌血症 / <span class='jp-term jp-term-diagram' title='toxemia'>毒血症</span>"]
    E --> F["転帰<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='symptomless infection'>無症候性感染</span> / <span class='jp-term jp-term-diagram' title='clinical infection'>顕性感染</span>"]

伝播経路

病原体が既存のリザーバーを離れ、別の宿主で感染サイクルを繰り返すためには、いずれかの伝播経路を利用する必要がある。

分類 内容
(horizontal spread、直接伝播) 直接接触:ヒト-ヒト、動物-ヒト
間接接触:汚染された環境・物品
感染(air-borne、咳・くしゃみ・会話によるの発生)、汚染された水・食物、吸血昆虫(ベクター媒介)
:診察・処置中の感染伝播
病原体が親から子へ伝わるためにしていることに依存する。は出生直後のこともあれば遅発性のこともある
先天性/子宮内感染:胎盤経由(風疹、CMV、HIV)
:分娩時の感染(クラミジア炎、E. coli
:母乳・血液・唾液・接触・臍帯断端を介する(CMV、HIV)

侵入門戸

微生物が易感染性の宿主に侵入し(付着→貫通→侵入)感染を起こす部位のこと。病原体は粘膜・皮膚・呼吸器・消化管・尿生殖器など、さまざまな門戸から侵入する。

皮膚は通常、感染に対するバリアとして働く。しかし、皮膚の破綻——体腔に留置された(カテーテル)、、熱傷、または(注射針・)による穿——は病原体の侵入を招く。

感染の転帰

分類 内容
・無症状(または軽微で非特異的な症状のみ)。小児期のがその後(例:)や(例:HSV-1/HSV-2)をもたらすこともある
宿主の防御機構による速やかな病原体排除
潜伏感染:病原体が体内にとどまり、内因性・により再活性化する
:ウイルスの潜伏形式には型(ヘルペス)と組み込み型(ウイルス)がある。病原体は定期的に再活性化・無症候性に排出されるが、他者への感染性は保たれる
:無症状のまま病原体を持続的に排出する
(manifested infection、症状を伴う) 経過により急性・亜急性・慢性に分類される。いずれの場合も、病原体の排除の時期と臨床的回復の時期は一致しないことが多い

⭐ 「病原体が消えた」時期と「症状が治まった」時期は必ずしも一致しない、という点はの理解で見落としやすいポイント。

まとめ

  • 感染とは通常無菌の体内への微生物の侵入・増殖であり、不//全身性、接触伝染性/非接触伝染性、一次/二次という複数の軸で性格づけられる。
  • 感染源は外因性(病人・・環境)と内因性(常在菌叢の活性化)に分かれる。
  • 伝播経路は(直接接触・間接接触・・医原性)と(先天性・周産期・出生後)に大別される。
  • は粘膜・皮膚・呼吸器・消化管・尿生殖器で、皮膚の破綻(カテーテル・熱傷・穿刺)は病原体侵入の重要な経路になる。
  • (速やかな排除・潜伏・持続・を含む)と(急性・亜急性・慢性)に分かれ、病原体排除と臨床的回復のタイミングは必ずしも一致しない。