Biophysics

Biophysics · 01.02

放射測定量

Radiometric quantities

🧠 は「どれだけのが、どの時間・方向・面積へ流れるか」を区別して測る体系である。 エネルギーを時間で割って、方向を限定して、面へ入る量を、面から特定方向へ出る量をと、条件を一つずつ加えて理解する。

放射測定学とは

は、が運ぶエネルギーを物理量として定量する分野である。ヒトの視覚感度で重みづけする測光学とは異なり、は波長によらず物理的なそのものを扱う。

放射線の種類によらず、放射が運ぶエネルギーとその時間的・空間的な分布を表すには、対応する測定量を区別する必要がある。

基本量の階層

このうちは、放射源からの距離とを定量化するときの中心量になる。

flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='radiant energy'>放射エネルギー</span> Qₑ<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='radiant energy'>放射エネルギー</span> J"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='radiant flux'>放射束</span> Φₑ = dQₑ/dt<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='radiant flux'>放射束</span> W"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='radiant intensity'>放射強度</span> Iₑ = dΦₑ/dΩ<br>方向あたり W/sr"]
  B --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='irradiance'>放射照度</span> Eₑ = dΦₑ/dA<br>入射面積あたり W/m²"]
  B --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='radiant exitance'>放射発散度</span> Mₑ = dΦₑ/dA<br>放出面積あたり W/m²"]
  C --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='radiance'>放射輝度</span> Lₑ<br>投影面積・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='solid angle'>立体角</span>あたり W/(m²·sr)"]
記号 定義 SI単位
QeQ_e 放射が運ぶエネルギー J
・放射 Φe\Phi_e 単位時間あたりの W = J/s
IeI_e 単位あたりの W/sr
EeE_e 面へ入射する単位面積あたりの W/m²
MeM_e 面から出る単位面積あたりの W/m²
LeL_e 特定方向へ進む、投影面積・あたりの W/(m²·sr)

放射束:時間で割る

Φe\Phi_eは、時間dtdtの間に運ばれるdQedQ_eとして定義される。

が表す総エネルギー移動と、電磁スペクトルで扱う1光子あたりのエネルギーは区別する。

Φe=dQedt\Phi_e = \frac{dQ_e}{dt}

これは放射源が「1秒あたりどれだけのエネルギーを出すか」を表すである。同じ総エネルギーでも短時間に放出すればは大きくなる。

放射強度:方向で割る

IeI_eは、ある方向の微小dΩd\Omegaへ進むdΦed\Phi_eである。

Ie=dΦedΩI_e = \frac{d\Phi_e}{d\Omega}

の単位はである。点状放射源が等方的に放射する場合、全4π4\pi srなので、全Φe\Phi_eは全方向へ分配される。

放射照度:受ける面積で割る

EeE_eは、表面へ入射するを面積で割った量である。

Ee=dΦedAE_e = \frac{d\Phi_e}{dA}

同じでも、小さい面積へ集中すればは高く、広い面積へ拡がれば低くなる。光線が面へ斜めに入射すると同じ束がより広い面積へ分散するため、面に垂直な場合よりが低下する。

💡 強度とを混同しない。 強度は放射源から見た「方向あたり」、は受け手の表面で見た「面積あたり」の量である。距離による広がりは01-03-dependence-of-irradiance-on-distance-from-the-sourceで扱う。

放射輝度:面積と方向を同時に指定する

LeL_eは、有限の大きさをもつ放射面が、特定方向へどれだけ放射するかを表す。面のと観察方向の角度をθ\thetaとすると、投影面積はdAcosθdA\cos\thetaになる。

Le=d2ΦedAcosθdΩL_e = \frac{d^2\Phi_e}{dA\cos\theta\,d\Omega}

は、光学系を通して見た像の明るさや、画像装置が受け取る方向別の放射を考えるうえで重要である。

放射測定学と測光学

測光学
の物理的エネルギーを測る ヒトの感度で重みづけする
:W :lm
:W/m² :lx = lm/m²
紫外線・赤外線も対象 主に可視光を対象

⭐ 記号は分野によって省略されることがあるが、「エネルギー」「時間」「」「面積」のどれで割った量かを確認すれば定義を再構成できる。

まとめ

  • が運ぶ物理的エネルギーを定量する。
  • は単位時間あたり、は単位あたりの流である。
  • は受ける面の単位面積あたり、は投影面積と方向の両方を限定した量である。
  • 強度は放射源側、は受光面側の概念として区別する。
  • 測光学はヒトの視覚感度を含むため、とは異なる。