Biophysics

Biophysics · 22.11

聴覚の生物物理学II:中耳

Biophysics of hearing II — the middle ear

🧠 中耳の本質は、空気からへのを補う力学的変圧器である。 鼓膜との面積比、耳小骨のてこ作用により、圧力を約22倍へ高める。

外耳から届いた鼓膜振動をへ渡す際、中耳はの不整合による反射を軽減する。

なぜ増圧が必要か

空気はが低く、は高い。鼓膜の振動をそのまま液体へ当てると多くが反射され、エネルギー伝達が悪い。中耳は大きい鼓膜へ加わる力を小さいへ集中する。

p=FAp=\frac{F}{A}

同じ力なら面積が小さいほど圧力は大きい。これにのてこ比が加わる。

flowchart TD
  A["鼓膜の大面積"] --> B["耳小骨が力を伝達"]
  B --> C["てこ作用で力が増加"]
  C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oval window'>卵円窓</span>の小面積へ集中"]
  D --> E["圧力が約22倍"]
  E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cochlear fluid'>蝸牛液</span>へ効率よく伝達"]
構造 機能
振動伝達とてこ作用による増幅
へ圧力を入力
液体の変位を逃がす
耳管 中耳圧を外気圧と平衡化

⭐ 中耳増幅はエネルギーを新しく作るのではなく、変位を小さくして力・圧力を高める整合である。

に入力された圧力は基底膜のへ変換される。したがって中耳の役割はというより、空気中の振動を液体中の振動へ効率よく受け渡す整合器である。

まとめ

  • 中耳は空気―間のを補う。
  • 面積比とてこ作用が約22倍のを生む。
  • への入力との逃げが振動を可能にする。