Biophysics

Biophysics · 27.05

心臓の仕事

Work of the heart

🧠 心臓の一拍当たりの外的機械仕事は、圧―が囲む面積pdV\left|\oint p,dV\right|で表される。 ただし心筋のは、血液へ伝わるだけでなく、や内部変形、熱にも使われる。

圧―容積仕事

心室が微小体積dVdVを圧力ppに逆らって押し出す仕事はpdVp,dVであり、一で血液へ与える

Wstroke=pdVW_{\mathrm{stroke}}=\left|\oint p\,dV\right|

となる。数学的な線積分の符号はループの周回方向によるため、は面積の大きさとして表す。圧―では、時に心室が行う仕事とに心室が受ける仕事の差がループ面積として残る。SI単位ではPam3=J\mathrm{Pa,m^3=J}なので、圧力と容積からエネルギーへ直接換算できる。

外的仕事の成分

は血液を動脈圧に抗して押し出す圧力―容積仕事である。これに、血液へ速度を与えるが加わる。通常は圧力―容積仕事が大きいが、などで高速噴流が生じるとの重要性が増す。

flowchart TD
  A["心筋が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='metabolic energy'>代謝エネルギー</span>を利用"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='active tension'>能動張力</span>を発生"]
  B --> C["心室内圧が上昇"]
  C --> D["血液を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ejection'>駆出</span>して<span class='jp-term jp-term-diagram' title='external work'>外的仕事</span>を行う"]
  B --> E["内部変形・熱として消費"]
  D --> F["血管抵抗と弾性に対して流れを維持"]

代謝エネルギーとの違い

ではdV=0dV=0なので外的圧―容積仕事は増えないが、心筋は張力維持のため酸素とATPを消費する。したがってを心筋のと同一視できない。生体における熱力学の生物系への適用で整理できる。

が増して高い圧力を必要とすると、同じ拍出量でも仕事とが増える。心臓が作った機械エネルギーは、循環系の圧力低下を通じてへ変わる。

まとめ

  • 一拍の外的圧―容積仕事はWstroke=pdVW_{\mathrm{stroke}}=\left|\oint p,dV\right|で、PVループ面積に等しい。
  • には主な圧力―容積仕事と、血液へ与えるが含まれる。
  • でもは消費されるため、と総酸素消費は同じではない。
  • 上昇は高い圧力発生を要求し、心筋の仕事量とエネルギー需要を増やす。