Histology

Histology · 11.3

呼吸器:胸膜

Respiratory system — Pleura

🧠 胸膜は「肺を包む袋を裏返して2枚重ねにしたもの」と覚える——(肺に密着)と(胸壁の内側)は連続した1枚ので折り返しているだけで、本質的には同じ膜。 2枚の間の潜在的な空間()に薄い液体の層があることで、肺が胸壁に対して滑らかに滑りながらできる、という仕組みまで一気通貫で理解できる。

臓側胸膜と壁側胸膜

胸膜は, 02-1-classificationとその下の結合組織からなる漿膜で、肺の表面と面を覆う。

flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='visceral pleura'>臓側胸膜</span>:肺の表面を直接覆う"]
  A --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pulmonary hilum (hilum of the lung)'>肺門</span>で折り返り連続"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='parietal pleura'>壁側胸膜</span>:胸<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intramural'>壁内</span>面・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='epiphrenic'>横隔膜上</span>面・縦隔を覆う"]
  A --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pleural cavity'>胸膜腔</span>:臓側・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='parietal pleura'>壁側胸膜</span>の間の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='potential space'>潜在腔</span>、少量の漿液を含む"]
  C --> D
覆う対象 肺実質の表面 面・面・縦隔
と連続する1枚の膜 同上

胸膜腔と呼吸運動

の間のは正常では潜在的な空間(ほぼ密着した状態)で、少量の漿液(から分泌)に満たされる。この薄い液層が潤滑剤として働き、の際に肺が胸壁に対して滑らかに滑ることを可能にすると同時に、内の陰圧が肺の虚脱を防ぎ、胸壁の動きに肺を追従させる。

に空気が異常に入り込む病態(気胸, pneumothorax)や、液体が過剰に貯留する病態(胸水, pleural effusion)は、いずれもこの本来「潜在的で薄い」空間が病的に拡大することで、陰圧が保たれなくなり肺の虚脱・を来す——組織学的な構造(+少量の漿液)を理解しておくと、これらの病態がなぜ呼吸機能を障害するのか説明がつく。

💡 「はなぜ2枚の別々の膜ではなく1枚の連続した膜なのか」という理解は、発生学的に肺が体腔(原始)の中へ外側から押し入るように成長した結果、風船を指で押し込んだときのように、もとは1枚の膜が押し込まれた面(臓側)と押し込まれていない面(壁側)に分かれて見えるようになった、というイメージで捉えると自然に理解できる。

まとめ

  • 胸膜はと結合組織からなる漿膜で、肺を覆うと胸面を覆うで連続する1枚の膜である。
  • は潜在的な空間で、少量の漿液が時の潤滑剤として働く。
  • 気胸・胸水はこのが病的に拡大し陰圧が保たれなくなることで肺の虚脱・を来す。