Histology

Histology · 11.2

呼吸器:呼吸部

Respiratory system — Respiratory portion

応用トピック
間質性肺疾患呼吸器救急間質性肺疾患の病理と診断特発性肺線維症

🧠 肺胞は「ガス交換に特化した薄い細胞(I型)」と「サーファクタントを分泌する厚い細胞(II型)」の2種類の上皮細胞で成り立つ、と数の少ないシンプルな図式で覚える。 I型は面積の大部分を占めるが数は少なく、II型は面積は小さいが数が多い——「広く薄いI型」「狭く厚いII型」という対比で2型の役割分担を押さえる。

肺胞とⅠ型・Ⅱ型肺胞上皮細胞

肺胞は, pneumocytes)に裏打ちされたの袋状構造で、ここでガス交換が行われる。

flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pneumocytes'>肺胞上皮細胞</span>"]
  A --> B["I型<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pneumocytes'>肺胞上皮細胞</span>(type I):扁平・薄い、ガス交換の主体、面積の大部分を占める"]
  A --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='type II alveolar epithelial cell (pneumocyte)'>II型肺胞上皮細胞</span>(type II):立<span class='jp-term jp-term-diagram' title='squared-off'>方形</span>、サーファクタント分泌"]
細胞 形態 機能
I型 扁平、細胞質が極めて薄い ガス交換(拡散)に特化、分裂能をもたない
を含む サーファクタントの分泌、I型細胞の前駆細胞としての幹細胞的性質ももつ

サーファクタントは肺胞のを下げ、肺胞の虚脱を防ぐ——が高いままだと小さな肺胞ほど内圧が高くなり(の法則)虚脱しやすくなるが、サーファクタントがこれを緩和することで肺全体の柔軟性(コンプライアンス)が保たれる。の直接的な原因となる。

血液空気関門

肺胞とその周囲の毛細血管との間には、ガスが拡散する経路として極めて薄いが形成される。

flowchart TD
  A["I型<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pneumocytes'>肺胞上皮細胞</span>(薄い細胞質)"]
  A --> B["融合した基底膜(肺胞上皮+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='capillary endothelium'>毛細血管内皮</span>)"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='capillary endothelium'>毛細血管内皮</span>細胞(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='continuous capillary'>連続性毛細血管</span>)"]

この3層構造は合計でも0.2〜0.5μm程度と極めて薄く、酸素・の効率的な拡散を可能にする。

肺胞マクロファージとⅠ型肺胞上皮細胞

内には遊走性の(塵埃細胞, dust cells)が存在し、吸入された微粒子・病原体を貪食する(03-1-cells)。肺胞壁にはさらにという小孔があり、隣接する肺胞間で空気のを可能にする。

💡 「なぜI型は分裂しないのに、肺の傷害後に上皮が再生できるのか」という一見矛盾する現象は、II型細胞がI型細胞の幹細胞的な前駆体として働き、傷害後に増殖してI型細胞へ分化することで説明できる——II型細胞はサーファクタント分泌だけでなく、肺胞上皮の再生源としての役割も担っている。

まとめ

  • 肺胞上皮はI型(薄い、ガス交換主体)とII型(サーファクタント分泌、I型の前駆細胞)の2種の細胞からなる。
  • サーファクタントはを下げ肺胞の虚脱を防ぎ、欠乏はの原因となる。
  • はI型肺胞上皮・融合した基底膜・の3層からなる極めて薄い構造。
  • は吸入した微粒子・病原体を貪食し、は隣接肺胞間のを可能にする。