生物物理学

生物物理学 · 09.07

Wienの変位則

Wien’s displacement law

🧠 Wienの変位則は、スペクトルの極大波長から温度を読み、温度が高いほど放射の中心が短波長へ移ることを定量化する。

極大波長と絶対温度

波長表示した放射の極大位置λmax\lambda_{max}は、

λmaxT=b≈2.898×10−3 m K\lambda_{max}T=b\approx2.898\times10^{-3}\ \mathrm{m\,K}

を満たす。TTは絶対温度であり、スペクトル全体のうち極大の位置だけを要約する法則である。

人体温度での見積もり

皮膚温を約310 Kとすれば、

λmax≈2.898×10−3310≈9.3 μm\lambda_{max}\approx\frac{2.898\times10^{-3}}{310}\approx9.3\ \mu\mathrm{m}

となり、中赤外域に極大をもつ。このためは可視光ではなく赤外検出器を用いる。

適用時の注意

極大波長は放射が一つの波長だけに集中することを意味しない。また、実在表面のスペクトルにはの波長依存性が重なる。総放射量を求める場合はStefan–Boltzmannの法則を使う。

まとめ

近似は、とスペクトルを結び付ける基準モデルとして用いる。12

  • 極大波長と絶対温度の積は一定である。
  • 約310 Kの人体放射は9–10 µm付近に極大をもつ。
  • Wienの変位則は極大位置、Stefan–Boltzmannの法則は全放射量を扱う。

出典

  1. 1.Carbon nanotube electron blackbody and its radiation spectra(Proceedings of the National Academy of Sciences・2023)黒体、吸収率、放射スペクトルおよびPlanckの法則の関係閲覧 2026-08-21
  2. 2.Blackbody-cavity ideal absorbers for solar energy harvesting(Scientific Reports・2020)黒体近似と波長依存の吸収・放射特性閲覧 2026-08-21