生物物理学

生物物理学 · 21.09

空間に伴う膜電位変化

Membrane potential change as a function of space

🧠 一様な受動ケーブルの定常状態では、局所電位変化は軸索・に沿って指数減衰する。 長さ定数λ\lambdaは振幅が1/e1/eへ減衰する距離を表す。

膜の長さ定数

膜抵抗r_mが大きいほど外へ漏れにくく、軸方向抵抗r_iが小さいほど遠くへ電流が流れるため、λは大きくなる。太い軸索とは受動伝播距離を延ばす。

空間に伴う膜電位変化を表す式

V(x)=V0e−x/λV(x)=V_0e^{-x/\lambda}

V0V_0は刺激部位の電位変化、λ\lambdaは長さ定数で、x=λx=\lambdaでV0/eV_0/eへ減衰する。この単一指数は一様な受動ケーブルの定常近似である1。

局所電位の空間減衰

膜抵抗増加と軸方向抵抗低下でλは長くなる。

flowchart TD
  A["膜の長さ定数"] --> B
  B["局所電位の空間減衰"] --> C
  C["膜抵抗増加と軸方向抵抗低下でλは長くなる"] --> D
  D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myelin'>ミエリン</span>と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='axon diameter'>軸索径</span>の効果"]

ミエリンと軸索径の効果

膜のRC等価回路へ軸方向抵抗を加えると、電位の空間減衰を記述できる。膜が応答の速さを表すのに対し、長さ定数は受動電位が届く距離を表し、両者を合わせてを決める。

は漏洩を減らして遠くまで電位を伝える。受動電位は距離とともに減衰するため、長距離を振幅一定で伝えるには活動電位の再生が必要である。時間変化する刺激では有効長さ定数が周波数にも依存し、単一の定常値をそのまま使えない2。

まとめ

  • 一様な受動ケーブルの定常状態では、局所電位変化は指数減衰する。長さ定数 λが1/eまで減衰する距離を表す。
  • 膜抵抗増加と軸方向抵抗低下でλは長くなる。
  • は漏洩を減らして遠くまで電位を伝える。

出典

  1. 1.Time constants and electrotonic length of membrane cylinders and neurons(Biophysical Journal・1969)受動膜円筒の電位分布と電気緊張長をケーブル理論で定式化する閲覧 2026-08-20
  2. 2.The Frequency-Dependent Neuronal Length Constant in Transcranial Magnetic Stimulation(Frontiers in Cellular Neuroscience・2016)神経の有効長さ定数は刺激周波数に依存して変化する閲覧 2026-08-20