生物物理学

生物物理学 · 25.01

X線のブラッグ回折(Bragg diffraction)

Bragg diffraction of X-rays

🧠 は、結晶のから散乱されたX線のが整数波長になる方向で強い回折ピークが観測される現象である。 面でのそのものではなく、多数の散乱波の干渉として理解する。1 2

結晶格子による干渉

原子が周期的に並ぶ結晶へX線を入射すると、各原子の電子がX線を散乱する。平行な面からの散乱波が同位相で重なる条件は、波の強め合う干渉と同じである。

理想的なBragg幾何では、隣接面からの散乱波に 2dsin⁡θ2d\sin\theta のが生じる。これが波長 λλ の整数倍なら、

nλ=2dsin⁡θn\lambda=2d\sin\theta

が成り立つ。dd は、θθ は入射線と面のなす角、nn はである。

反射角から面間隔を求める

flowchart TD
  A["既知波長 λ のX線を結晶へ照射"] --> B["複数の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='grating'>格子</span>面で散乱"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='path difference'>光路差</span> 2d sinθ が nλ に一致"]
  C --> D["特定角度に回折ピーク"]
  D --> E["測定角から<span class='jp-term jp-term-diagram' title='d-spacing'>面間隔</span> d を計算"]

回折計が記録する角度は、入射線と回折線のなす散乱角 2θ2θ であることが多い。式に代入する θθ と取り違えない。X線の波長が原子間隔と同程度なので、回折を利用してÅ〜nm尺度のを調べられる。

回折像が含む情報

回折斑点の位置はの幾何学とを、強度は単位内の分布を反映する。ただし、式だけで分子構造が直接得られるわけではない。反射強度からをする過程はX線解析で扱う。

まとめ

  • 面間のが整数波長になると、散乱X線が強め合う。
  • の法則 nλ=2dsin⁡θn\lambda=2d\sin\theta からを求められる。
  • 測定器の散乱角 2θ2\theta と、式中の角 θ\theta を区別する。

出典

  1. 1.X-ray Bragg diffraction in asymmetric backscattering geometry(Physical Review Letters・2006)結晶面によるX線Bragg回折の角度条件と動力学的効果閲覧 2026-08-21
  2. 2.Ultrafast self-gating Bragg diffraction of exploding nanocrystals in an X-ray laser(Optics Express・2015)タンパク質ナノ結晶の周期秩序がBragg回折信号を生むこと閲覧 2026-08-21