Biophysics

Biophysics · 08.06

吸収スペクトルの測定

Measurement of the absorption spectrum

🧠 は、波長を選んだ光についての入射強度I0I_0と試料透過後の強度IIを比較し、を波長ごとに並べて得る。 装置の各部が「波長選択・基準補正・光検出」のどこを担うかを追うとを理解できる。

分光光度計の構成

は、光源、波長選択部、試料セル、検出器、信号処理部から構成される。紫外域とでは必要な光源やセル材質が異なり、石英セルは紫外光を透過するが通常のガラスやは吸収することがある。

flowchart TD
  A["光源:測定範囲を含む連続光"] --> B["モノクロメーター:狭い波長帯を選択"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='blank'>ブランク</span>を測定して I₀(λ) を取得"]
  C --> D["試料セルを透過した I(λ) を検出"]
  D --> E["A(λ)=-log₁₀[I(λ)/I₀(λ)]"]
  E --> F["波長を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='scanning'>走査</span>して<span class='jp-term jp-term-diagram' title='absorption spectrum'>吸収スペクトル</span>を作成"]

ブランク測定の役割

は溶媒、セル、試薬による吸収と光学系の波長依存性をI0(λ)I_0(\lambda)へ含め、目的成分以外の寄与を差し引く基準である。試料とではセルの向き、液量、、表面の汚れをそろえる。

への変換はLambert–Beerの法則に従う。

A(λ)=log10 ⁣[I(λ)I0(λ)]A(\lambda)=-\log_{10}\!\left[\frac{I(\lambda)}{I_0(\lambda)}\right]

単一ビーム装置はと試料を順番に測るため、その間の光源変動が誤差になる。は試料側と参照側を同時またはに測り、時間的ドリフトを補正しやすい。

波長分解能と測定誤差

要因 スペクトルへの影響
・帯域幅 広すぎると近接ピークが平均化される
域でIIを過大評価し、を低く見積もる
濁り・ 散乱によりベースラインが上昇する
セルの汚れ・ 波長依存しない見かけの減弱を加える
検出器の飽和・雑音 域や弱信号域で精度を落とす

濁った試料では、で扱う散乱が透過光を減らす。測定した変化が吸収ピークか散乱背景かは、スペクトル形状とから判断する。

スペクトルから濃度・状態を求める

の性質に基づき、目的成分のλmax\lambda_{\max}や成分間の吸収差が大きい波長を選ぶ。既知濃度系列からを作り、直線範囲の未知試料へ適用する。複数成分が重なる場合は複数波長の連立式やスペクトルを使う。

は酸素化・の吸収差を複数波長で読み分ける例であり、濃度だけでなく化学状態の違いを利用している。

まとめ

  • は光源、波長選択部、試料・、検出器から構成される。
  • は溶媒・セル・装置の寄与をI0(λ)I_0(\lambda)として補正する。
  • 波長したA(λ)A(\lambda)になる。
  • 帯域幅、、散乱、セル汚れ、検出器範囲を管理して初めて定量できる。