Biophysics

Biophysics · 08.02

比濁法(turbidimetry)と散乱光度法(nephelometry)

Turbidimetry and nephelometry

🧠 の違いは、同じ散乱現象を「残った透過光」で測るか「光軸外へ出た」で測るかにある。 検出器の位置が観測量と感度範囲を決める。

検出器配置が異なる2つの測定法

懸濁粒子へ光を入射すると、散乱によって光軸上の透過光が減少する。は入射光と同じ方向に検出器を置き、I0I_0に対する透過光IIの低下を測る。一方、は典型的に約90°方向へ検出器を置き、を直接測る。どちらも基礎となる粒径依存性はRayleigh散乱とMie散乱から決まる。

flowchart TD
  A["入射光 I₀"] --> B["粒子<span class='jp-term jp-term-diagram' title='suspension'>懸濁液</span>"]
  B --> C["光軸上の透過光 I"]
  B --> D["光軸外の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='scattered light'>散乱光</span> Iₛ"]
  C --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='turbidimetry'>比濁法</span>:I/I₀の低下を測定"]
  D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nephelometry'>散乱比濁法</span>:角度別Iₛを測定"]
比較
検出方向 入射光と同軸 入射光に対し側方
直接測る量 透過光の減少 の増加
得意な範囲 比較的高い ・弱い散乱
主な限界 吸収も透過光を減らす 背景散乱・の影響を受ける

濁度と濃度の関係

単一散乱が支配し、粒径・形状・が一定なら、では

τ=1lln ⁣(II0),I=I0eτl\tau=-\frac{1}{l}\ln\!\left(\frac{I}{I_0}\right),\qquad I=I_0e^{-\tau l}

と表せる。τ\tau係数、llである。域のでは強度IsI_sが粒子数濃度にほぼ比例するが、比例定数は粒径、波長、検出角、差に依存する。そのため未知試料の濃度は既知標準液によるから求める。

直線性が崩れる条件

濃度が高いと、いったん散乱された光が別の粒子で再び散乱される多重散乱が生じる。粒子の凝集や沈降も粒径分布を変え、濃度以外の原因で信号を変化させる。また、試料が光を吸収する場合、の透過光低下には吸収も混ざる。吸収だけを扱うLambert–Beerの法則との違いを明確にする。

⚠️ が2倍なら粒子濃度も常に2倍」とは限らない。 粒径、凝集、沈降、多重散乱、測定角度が一定である範囲に限ってを使える。

臨床検査での利用

で形成される免疫複合体、血清タンパク質、などの定量に用いられる。散乱強度の時間揺らぎを利用して粒径を求める動的とは、同じを使っても得る物理量が異なる。

まとめ

  • は光軸上の透過光低下、は光軸外のを測る。
  • ではを直接測るが高感度になりやすい。
  • 濃度換算には、粒径・波長・角度をそろえた標準液によるが必要である。
  • 多重散乱、凝集、沈降、吸収は直線性を崩す。