Forensic Medicine

Forensic Medicine · 24

機械的窒息の種類

Types of mechanical asphyxial mechanism

前提:正常
圧受容器反射と化学受容器反射

🧠 全体像は、頸部の圧迫()と気道の閉塞(窒息・)、そして胸部の圧迫()に大別される。特にと索条によるは、いずれも頸部にを残すが、の位置・・形状が両者の鑑別における最となる。

絞頸の一般的機序

頸部への圧迫は、以下の4つの経路で生体に影響を及ぼす。

flowchart TD
    A["頸部への圧迫"] --> B["頸静脈の閉塞<br>(静脈還流の遮断→うっ血)"]
    A --> C["頸動脈の閉塞<br>(動脈血流の遮断)"]
    A --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='carotid sinus'>頸動脈洞</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='baroreceptor'>圧受容器</span>刺激<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vagal reflex'>迷走神経反射</span>→徐脈・心停止)"]
    A --> E["喉頭・舌の挙上<br>(気道の閉塞)"]

解剖時の所見

  • 古典的なうっ血所見(顔面・の点状出血など)
  • 頸部の外表損傷
  • 引っかき傷:窒息死一般だけでなく、口鼻を圧迫する窒息でもみられる
  • 凝固しにくいの血液
  • 頸部の内部損傷(圧迫による)
    • の骨折
    • 筋層間の出血
    • が付着する部の出血

縊頸と索条による絞頸の鑑別

索条による
圧迫力の由来 自身の体重 外力(加害者による絞扼)
の位置 喉頭より上方 の高さまたはそれより下方
不完全(全周を巻いていない) 完全に頸部を一周し、交差することもある
の形状 逆「V」字型 より水平
付随所見 被害者自身による抵抗を示す引っかき傷・皮下出血

手による絞頸

加害者のによって頸部が圧迫されるものであり、自ら意識を失うとが解除されるため、原則としてを示唆する所見である。

気道閉塞による窒息

用語 定義
窒息 酸素の欠如・減少による広義の窒息。気道入口部のを含む
手、枕、紙、ビニール袋などによる気道入口部の
による窒息 食物・嘔・血液・異物などによる内部気道の閉塞。アレルゲンや冷たい飲食物への反応によるでも生じうる
水その他の液体へのによる窒息死

外傷性窒息

胸部の圧迫によりそのものが妨げられる窒息であり、以下の状況で生じる。

  • 重量物の下敷きになる
  • 砂・穀物・土砂などに埋没する
  • 群衆による圧迫
  • :拘束などによりを妨げる体位が持続する場合

まとめ

  • 頸部圧迫による窒息は、頸静脈・頸動脈の閉塞、、気道閉塞という4つの機序で生体に影響する。
  • は自身の体重による圧迫でが不完全・逆V字型であるのに対し、索条によるは外力による圧迫でが完全に頸部を一周し水平に近い形状を示す。手によるは原則としてを示唆する。
  • 気道閉塞による窒息は、口鼻の、内部気道の閉塞、に分けられ、これらに加えて胸部圧迫による(重量物・埋没・群衆圧迫・)がある。