Histopathology

Histopathology · H2-106A

結節性筋膜炎

Fasciitis Nodularis – SUBCUTANEOUS TISSUE

🧠 全体像は、急速に増大するため肉腫を疑わせる(とも呼ばれる)が、実際には自然消退しうる良性の線維芽細胞・増殖である。USP6という腫瘍性クローンの証拠を持ちながら、生物学的には自己限定性という点が診断・治療の鍵になる。

好発と成因

20〜40歳代の若年成人に多く、四肢・体幹・頭頸部の皮下組織に好発する。ほぼ全例でUSP6遺伝子の再構成がみられ、最も高頻度な融合パートナーはMYH9である。この遺伝子異常によりUSP6が本来の制御を離れてし、腫瘍性クローンの増殖を引き起こす。

組織像

所見 解釈
線維芽細胞・ 」と形容される、活動性の高い増殖細胞集団
疎な粘液様・性基質 細胞密度の高さと相まって急速増殖を思わせる背景
した赤血球 脆弱なからの出血
細胞密度の増加と は多いが異型のないであることが重要
脂肪組織・骨格筋組織 病変が織や筋膜に接して発生することを反映する周囲構造

⚠️ が目立つこと自体は悪性の根拠にならない。は数が多くても異型を伴わず、細胞異型・病的・壊死を欠くことが肉腫との鑑別点になる。

flowchart TD
    A["USP6<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gene rearrangement'>遺伝子再構成</span>(多くはMYH9-USP6)"] --> B["線維芽細胞・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myofibroblast'>筋線維芽細胞</span>の急速な腫瘍性増殖"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cultured cell'>培養細胞</span>様の疎な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Growth Patterns'>増殖パターン</span>"]
    C --> D["数週〜数か月で増殖が停止"]
    D --> E["多くは自然消退する"]

臨床像と対応

無症状〜軽度疼痛を伴う急速増大する皮下結節として気づかれることが多く、その急速な経過が臨床的に肉腫を疑わせる最大の理由になる。典型的な臨床像(若年成人、数週間での急速増大、小型病変)と組織像が揃えば、単純切除に加えて、経過観察(自然消退を待つ)も選択肢になりうる。診断に迷う場合はUSP6の検索が肉腫との鑑別に有用である。

線維芽細胞・分化を示す軟部腫瘍全般は線維芽細胞・分化軟部腫瘍、軟部腫瘍の軟部腫瘍の疫学・病因・組織型・病期・症状・診断を参照する。

まとめ

  • は急速増大する良性の線維芽細胞・増殖で、とも呼ばれる。
  • ほぼ全例にUSP6(多くはMYH9-USP6)を認める腫瘍性クローンである。
  • が多くても異型を欠く点が肉腫との鑑別の要である。
  • 自然消退しうる自己限定性の経過を理解し、経過観察も肢に含める。