Histopathology

Histopathology · H2-126

神経線維腫(叢状型の管理とMEK阻害薬)

Neurofibroma

疾患
悪性末梢神経鞘腫瘍

🧠 全体像の3型分類、NF1との関係、との鑑別はに既出である。本項では、リスクを持つ叢状型(plexiform type)に絞り、経過観察で確認すべきの徴候と、切除困難例に対するを補足する。

悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)への転化を疑う所見

所見 意義
新規または増悪する疼痛 良性のでは通常目立たず、を疑う契機になる
短期間での急速な増大 良性病変の緩徐な増大パターンと対照的である
化・可動性の低下 触診での性状変化は組織学的なを反映しうる
新規の脱落症状 周囲組織への浸潤性増殖を示唆する
FDG-PETでの高集積 大きなの中で巣を絞り込むスクリーニングに利用される

⚠️ 叢状型は被膜を持たず・神経叢そのものを巻き込んで増殖するため、外科的完全切除がもともと難しい。焦って切除を急ぐのではなく、経過観察の間隔と画像評価の方針を、症状とMPNST転化の徴候の有無に応じて個別に決める。

分子標的治療(MEK阻害薬)

NF1遺伝子の産物であるはRas-GAPとして働き、Ras活性を負に制御している。NF1機能欠失によりRas下流のMAPK経路(Ras-Raf-MEK-ERK)が持続的に活性化することが、の増殖機序の中心である。

flowchart TD
    A["NF1遺伝子の機能欠失(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neurofibromin'>ニューロフィブロミン</span>喪失)"] --> B["Ras活性の負の制御が失われる"]
    B --> C["Ras-Raf-MEK-ERK経路の持続的活性化"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='plexiform neurofibroma'>叢状神経線維腫</span>の増殖"]
    D --> E["MEK阻害薬(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='selumetinib'>セルメチニブ</span>など)で経路を遮断"]
    E --> F["腫瘍容積縮小・症状改善を期待"]

MEK阻害薬(など)は、で症状を伴う小児NF1関連に対して用いられる。腫瘍容積の縮小や疼痛・機能障害の改善が期待できるが、ではなく、効果を維持するには継続投与が前提となる。

まとめ

  • 3型分類とNF1の詳細はを参照する。
  • 叢状型の経過観察では、新規・増悪する疼痛、急速な増大、化、新規神経症状などのMPNST転化red flagsを確認する。
  • MEK阻害薬()はRas-MAPK経路を標的とし、な症候性肢である。
  • を含む神経系腫瘍全般の分類は中枢・腫瘍を参照する。