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酸塩基平衡と酸塩基異常の治療

Acid-base homeostasis, treatment of acid-base balance disorders

前提:正常
酸塩基平衡。肺と腎の役割。

🧠 全体像:酸塩基異常は、①pH、②一次変化がPaCO₂かHCO₃⁻か、③代償が妥当か、④の順で読む。単純な閾値だけでなく障害を探し、治療は数値ではなく原因と換気・循環の安定化を優先する。

基本式と読影手順

pH = 6.1 + log(HCO₃⁻ / 0.03×PaCO₂)。すなわちpHは塩基成分HCO₃⁻と呼吸性酸成分PaCO₂の比で決まる。

flowchart TD
    A["血液ガス"] --> B{"pH <7.35/>7.45?"}
    B --> C["PaCO₂とHCO₃⁻の方向から一次障害を決定"]
    C --> D["予測代償と比較し<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mixed'>混合性</span>障害を検索"]
    D --> E["代謝性アシドーシスなら<br>anion gapを計算"]
    E --> F["臨床像、電解質、lactate、glucose/ketone<br>腎機能・毒物で原因診断"]
一次障害 主な原因 治療原則
pH↓、PaCO₂↑ 中枢抑制、気道/肺疾患、神経筋疾患、人工呼吸不足 気道確保、換気改善。慢性高CO₂を急速に正常化しない
pH↑、PaCO₂↓ 低酸素、疼痛、不安、早期敗血症、肝不全、 原因治療。紙袋呼吸や恣意的なは行わない
代謝性アシドーシス pH↓、HCO₃⁻↓ DKA、、腎不全、下痢、RTA、Cl過剰 循環・酸素化・原因治療。換気代償を妨げない
pH↑、HCO₃⁻↑ 嘔吐/胃液喪失、利尿薬、低K、mineralocorticoid過剰 尿Cl、、Kで分類し補正

Anion gapと代償

  • AG = Na −(Cl + HCO₃⁻)を基本とし、Kを含める式とはが異なる。albumin低下ではAGが見かけ上低くなる。
  • 高AG:乳酸、ケトン体、腎不全、毒物。
  • 正常AG:下痢、RTA、尿路/、Cl
  • 代謝性アシドーシスの予測PaCO₂:1.5×HCO₃⁻ + 8 ±2)。外れればを考える。
一次障害 予測される代償の目安
代謝性アシドーシス PaCO₂ = 1.5×HCO₃⁻ + 8 ±2
HCO₃⁻が10 mmol/L上昇するごとにPaCO₂が約5〜7 mmHg上昇
急性 PaCO₂が10 mmHg上昇するごとにHCO₃⁻が約1 mmol/L上昇
慢性 PaCO₂が10 mmHg上昇するごとにHCO₃⁻が約3.5〜4 mmol/L上昇
急性 PaCO₂が10 mmHg低下するごとにHCO₃⁻が約2 mmol/L低下
慢性 PaCO₂が10 mmHg低下するごとにHCO₃⁻が約4〜5 mmol/L低下

代償はpHを正常化するほど過剰にはならない。実測値が予測範囲を外れる、またはpH・PaCO₂・HCO₃⁻の方向が単一障害で説明できないときは障害を疑う。

では、ΔAG = 実測AG − 正常AGΔHCO₃⁻ = 正常HCO₃⁻ − 実測HCO₃⁻を比較する。ΔAGがΔHCO₃⁻より大きければ、小さければ正常アシドーシスの併存を考えるが、・albumin・臨床像と併せて解釈する。

代謝性アルカローシスの尿Cl分類

尿Cl 主な原因 治療の方向
低値(多くは<20 mmol/L 嘔吐・胃液喪失、遠隔期の利尿薬、Cl欠乏 とK補充、原因治療
高値(多くは≥20 mmol/L 使用中の利尿薬、mineralocorticoid過剰、/ 血圧、レニン/アルドステロン、薬剤、尿電解質で鑑別

尿Clの閾値は採尿時期、利尿薬、腎機能で変わるため、単独で確定しない。

治療上の注意

  • でも原因依存で、DKAでは通常投与しない。生命を脅かす高K血症、特定の中毒、重症RTAなどを除き専門的判断とする。
  • では挿管後の低換気で急激に悪化しうるため、換気維持と血液・尿のを毒物と行う。
  • Cl反応性アルカローシスは+KCl、mineralocorticoid過剰は原因治療と等を用いる。HCl静注は通常治療ではなく、専門的監視下の例外的治療である。

まとめ

  • pH→一次障害→代償→の順に読み、障害を探す。
  • AGの式とをそろえ、低albuminを補正して解釈する。
  • 原因治療と換気・循環安定化が中心で、bicarbonateやHClを一律投与しない。