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Imaging findings · Published

両側肺門リンパ節腫脹

Bilateral hilar lymphadenopathy

別名
BHL
臓器系
呼吸器
科目
Pulmonology and Thoracic Surgery
トピック
呼吸器内科 40:サルコイドーシス
関連疾患
サルコイドーシス

🧠 全体像:(BHL)そのものは病名ではなく、胸部画像で部のリンパ節が左右対称に腫大しているという所見の記述である。で決めるのは良悪性の断定ではなく、対称性・辺縁・石灰化パターンと臨床像を組み合わせて、次に何を検査するか(経過観察か、感染症の検索か、生検か)を選ぶことにある。最も頻度が高い原因はだが、「=」と早合点しない——結核・リンパ腫・のような重要な鑑別を同じ所見が示しうる。

所見の定義

では、部の陰影が両側性に増大し、輪郭がになる所見として描出される。では個々のリンパ節の腫大・辺縁の性状・内部の石灰化パターン・対称性を直接評価できる。

モダリティと写り方

検査 見え方 評価できること
の陰影増大との輪郭 スクリーニング。無症状者の偶発的異常として発見されることも多い
個々のリンパ節の大きさ・辺縁・石灰化・分布を描出 対称性の評価、周囲構造への浸潤の有無、生検部位の選定

原因を絞る軸

原因 分布・辺縁の特徴 臨床的な手掛かり
両側・対称性・境界明瞭で多発。石灰化は少ない1 若年〜中年、皮膚・眼・高Ca血症などのを伴いうる
結核 非対称・性が主体。や石灰化を伴いやすい1 発熱・上昇・血清上昇が顕著、曝露歴
リンパ腫 しばしば非対称で腫大が大きく、他部位(縦隔・腋窩)にも及ぶ B症状(発熱・・体重減少)、末梢リンパ節腫脹を伴うことがある
(など) 両側性だが、肺実質のや“eggshell calcification”()を伴うことがある の歴

⚠️ と結核はどちらもで組織像が似るため、画像パターンだけで最終診断としない。 対称性・石灰化パターンは手掛かりにとどまり、疑わしい例では抗酸菌検査(Xpert MTB/RIFなど)や生検で確定する1。

に・周囲の急性関節炎を伴う組合せは、古典的にの3徴として教えられる2。

評価の進め方

flowchart TD
    A["胸部X線で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bilateral hilar lymphadenopathy'>両側肺門リンパ節腫脹</span>を指摘"] --> B["過去画像と比較:新規か、進行しているか"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='erythema nodosum, EN'>結節性紅斑</span>・急性関節炎を伴うか"}
    C -->|"はい"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Löfgren syndrome'>Löfgren症候群</span>として<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sarcoidosis'>サルコイドーシス</span>の<br>臨床的疑いが高いと判断"]
    D --> E["臨床的疑いが高ければ<br>リンパ節採取を省略し経過観察も選択肢"]
    C -->|"いいえ"| F{"発熱・炎症反応の上昇や<br>曝露歴があるか"}
    F -->|"あり"| G["結核・真菌感染などの感染症を検索"]
    F -->|"なし"| H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='computed tomography'>CT</span>で対称性・石灰化・他部位病変を評価"]
    H --> I{"非対称・急速増大・他部位病変を伴うか"}
    I -->|"はい"| J["リンパ腫など悪性疾患を疑い生検"]
    I -->|"いいえ"| K["安全で診断率の高い部位を生検(EBUS-TBNAなど)"]

紛らわしいもの

  • 正常な血管陰影。 肺動脈・の重なりをと誤認することがある。で血管構造と区別する。
  • 無症候性BHL単独例の扱い。 2020ガイドラインは無症候性のだけの症例についてリンパ節採取の是非に推奨を出しておらず、症例ごとの判断になる3。
  • 反応性リンパ節腫大。 感染後や喫煙者にみられる軽度の両側は、明らかな病的意義を持たないことがある。
  • 性・非対称性への進展の見落とし。 でも経過中に非対称になることがあり、非対称というだけで直ちに悪性・感染症へ診断を振り替えない。臨床像との統合が必要になる。

まとめ

  • は所見名であり病名ではない。最も頻度の高い原因はだが、結核・リンパ腫・も同じ所見を来しうる。
  • は両側・対称性・境界明瞭で石灰化が少なく、結核は非対称・性でや石灰化を伴いやすいという傾向があるが、画像パターンだけで確定しない。
  • (+および/または)のようにの臨床的疑いが高ければ、リンパ節採取を省略し経過観察を選ぶことがある。
  • 無症候性のBHL単独例は採取の是非についてガイドラインが明確な推奨を出しておらず、症例ごとに判断する。

出典

  1. 1.Xpert MTB/RIF assay for the differential diagnosis between sarcoidosis and tuberculosis intrathoracic lymphadenopathy(BMC Infectious Diseases・2023)サルコイドーシス胸腔内リンパ節腫脹50例・結核胸腔内リンパ節腫脹33例を含む119例の後ろ向き検討で、サルコイドーシス群は両側性・対称性・多発性のリンパ節腫脹が特徴で石灰化が少なくリンパ節径がより大きい傾向(P=0.001)にあったのに対し、結核群は非対称・一側性のリンパ節腫大が主体で中心壊死や石灰化を伴いやすく、発熱(P=0.002)・白血球数上昇・血清フェリチン上昇(いずれもP<0.01)がより顕著だったこと、Xpert MTB/RIFの感度69.70%・特異度100%が結核の確定診断に有用だったことを確認した閲覧 2026-09-05
  2. 2.Lofgren Syndrome(StatPearls・2026)2026年4月12日更新版を閲覧。両側肺門リンパ節腫脹・結節性紅斑・足関節周囲の急性関節炎という古典的3徴の組合せがLöfgren症候群を示唆すること、発熱・倦怠感・易疲労は高頻度に伴うが診断に必須ではないことを確認した閲覧 2026-09-05
  3. 3.Diagnosis and Detection of Sarcoidosis: An Official American Thoracic Society Clinical Practice Guideline(American Thoracic Society・2020)両側肺門リンパ節腫脹に結節性紅斑および/または関節周囲炎を伴うものをLöfgren症候群と定義し、Löfgren症候群のようにサルコイドーシスの臨床的疑いが高い患者ではリンパ節採取を行わないことを提案する(条件付き推奨、エビデンスの質は非常に低い)一方、無症候性の両側肺門リンパ節腫脹単独例については採取の是非について推奨を出さず症例ごとに判断するとしていることを確認した閲覧 2026-09-05