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Imaging findings · Published

Deuel徴候(ハロー徴候)

Deuel's halo sign

臓器系
生殖・産婦人科
科目
Obstetrics
トピック
産科学 34:子宮内胎児死亡と過期妊娠

🧠 全体像)は頭皮の浮腫によって頭蓋骨と頭皮のあいだに透亮帯・帯が生じる所見で、と並ぶの一つである。診断そのものは超音波での心拍動消失の確認で確定しており1、この所見は死亡の有無を決めるものではない。が答えるべきは、頭部を取り巻く帯状のを、単なる撮影・上の描出不良ではなく浮腫による実体として認識することである。

所見の定義

頭蓋骨と頭皮のあいだに生じる分離を、頭部を取り巻く帯状の所見として捉えたもの。死亡後、体液のが変化して軟部組織の腐敗が進み、頭皮の皮下腔へ体液が漏出することで浮腫が生じ、頭蓋骨と表層の頭皮とのあいだに物理的な分離が形成される2

X線時代は頭部を取り巻く放射線透過性の帯として記載され、超音波では頭蓋骨を取り巻くないしの帯として描出される。頭皮厚そのものが明らかに異常(5mm以上のことが多い)となる点も特徴である2

と同じく遅発性の所見で、死亡直後には現れない。具体的な出現日数は資料により幅があり、年の記載がない教育サイトでは「2〜4日以上」とする記述があるが、これを裏づける査読誌の一次資料は確認できなかった。確認できたのは、腐敗による軟部組織の浮腫という機序自体が、の減少が明瞭になるまでおおむね1週間以降)よりも早期から進みうる過程だという点にとどまり、具体的な日数は数値として断定しない

モダリティと写り方

もとは超音波以前にで記載された古典的な徴候である。は胎児内のガス像()・頭蓋骨の重なり()と並ぶ胎児死亡の3大放射線学的徴候の一つとされるが、正しい撮影方向を用いなければ見落とされやすいとも指摘されており、X線での検出率は撮影条件に左右された3

現在はが第一選択であり、心拍動消失を確認する検査の中で、頭蓋骨を取り巻くの帯として付随的に観察する2

徴候 部位・所見 機序
(本項) 頭蓋周囲を取り巻く透亮帯・帯、頭皮肥厚 腐敗による頭皮の浮腫・体液漏出で頭蓋骨と頭皮が分離2
の重なり 脳組織の融解・液化によるの減少
胎児心臓・大血管内のガス像 血液成分と壊死組織の分解によるガスの遊離と蓄積

意義を左右する要素

  • 所見の有無は死亡からの・腐敗の進み方に依存する。所見が無いことはな胎児死亡を否定しない。 死亡直後は軟部組織の腐敗がまだ進んでいないため、陰性所見を「生存している」根拠として使わない。
  • 頭皮厚そのものが明らかに異常(5mm以上のことが多い)という定量的な目安を持つ点は、より上の再現性が高い2
  • 単独の所見だけでと断定しない立場は他の2徴候と同じで、と組み合わせての手掛かりとする。

評価の進め方

flowchart TD
    A["超音波で胎児死亡を確定診断<br>(心拍動消失を確認)"] --> B["頭蓋骨周囲の輪郭を観察する"]
    B --> C{"頭蓋骨を取り巻く<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anechoic'>無エコー</span>〜<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hypoechoic'>低エコー</span>の帯があるか"}
    C -->|"あり・頭皮肥厚を伴う"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Deuel sign'>Deuel徴候</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='halo sign'>ハロー徴候</span>)ありと記載"]
    C -->|"判然としない"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='scanning'>走査</span>断面を変えて<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='artifact'>アーチファクト</span>か実体かを鑑別する"]
    D --> F["頭蓋骨の重なり・血管内ガス像など<br>他の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='post-mortem changes'>死後変化</span>と併せて評価する"]
    E --> F
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='age'>経過時間</span>の目安・家族への説明の材料に用いる"]

⚠️ 紛らわしいもの

  • ⚠️ 条件による描出不良と取り違える。 プローブの圧迫や、断面の取り方によって頭蓋骨周囲の輪郭が不明瞭になることがあり、これを浮腫による分離としないよう複数断面で確認する。
  • 正常な胎児の層がもともと厚い(など)場合、の浮腫と紛らわしい像を作りうる。頭皮厚の左右差・かどうかを併せて確認する。
  • 単独の所見だけでと断定しない。のいずれかが陰性でも、死亡直後であることを積極的に示すものではない。

まとめ

  • )は頭皮の浮腫・腐敗により頭蓋骨と頭皮のあいだに生じる分離で、頭部を取り巻く透亮帯・帯として描出される。
  • 診断の根拠は超音波での心拍動消失の確認であり、この所見はあくまでの一つとして付随的に評価する。
  • もとはX線所見(胎児死亡の3大放射線学的徴候の一つ)だが、正しい撮影方向でなければ見落とされやすく、現在はが第一選択。
  • 頭皮厚が明らかに異常(5mm以上のことが多い)という定量的な目安があり、他の2徴候よりの再現性が比較的高い。
  • と組み合わせて評価し、単独では判断しない。条件による描出不良や、もともと厚い層との取り違えに注意する。

出典

  1. 1.Finding: Uterus OB GYN Deuel's Halo Sign Intrauterine Fetal Demise(The Common Vein)Deuel徴候(ハロー徴候)が頭皮の浮腫・腐敗により頭蓋骨と頭皮のあいだに生じる分離であり、頭部を取り巻く透亮帯(X線)・無エコーないし低エコー帯(超音波)として描出されること、頭皮厚が明らかに異常(5mm以上のことが多い)となること、他の死後変化と同様に遅発性の指標であることを確認した。なお本ページは出現時期を「死後2〜4日以上」とするが、年の記載が無い教育サイトのため、本文では具体的な日数を断定せず定性的な記述にとどめた。閲覧 2026-08-10
  2. 2.Stillbirth(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2025)子宮内胎児死亡の確定診断が超音波での心拍動消失の確認によることを確認した。閲覧 2026-08-10
  3. 3.An evaluation of the radiological signs of fetal death(South African Medical Journal・1975)胎児死亡の主要な放射線学的徴候が胎児内のガス像・頭蓋骨の重なり(Spalding徴候)・Deuel徴候(ハロー徴候)の3つであること、Deuel徴候は正しい撮影方向を用いればより高頻度に検出されること(=通常の撮影では見落とされやすいこと)を、PubMed抄録の範囲で確認した。閲覧 2026-08-10