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Imaging findings · Published

隅角鏡検査

Gonioscopy

臓器系
眼科
科目
Microscopic Anatomy and Embryology (Microscopic Anatomy)
トピック
組織学 17.1:感覚器:眼

🧠 全体像:は、角膜という高の媒体を通した光がを起こしてしまうため、だけでは直接観察できない。はレンズを角膜に接触させて角を変え、隅角を光学的に「見えるようにする」検査である。で決めるのは病名ではなく、⚠️ 隅角が広いか狭いか、狭いならが癒着で固定されているのか圧迫すれば開くのか——という、次に・経過観察・のどれに進むかの分岐である。

所見の定義

で見える構造物は、隅角の開大度に応じて周辺から順に見えてくる。Shaffer分類は、どこまでの構造が見えるかで角度を推定する1。角度は教科書的な目安であり、臨床判断は見える構造物のGradeそのもので行う。

Grade 見える構造 概算の角度(目安) 臨床的な意味
4 まで見える 35〜45° 広く開放。閉塞のリスクなし
3 まで見える 20〜35° 中等度に開放
2 色素沈着したまで見える 20°前後 狭い。閉塞のリスクが高まる
1 のみ見える 10°以下 極めて狭い
0 隅角構造が見えない 0° 閉塞

💡 Spaeth分類との違い: Shaffer分類は角度の広さだけを1軸で評価するのに対し、Spaeth分類は隅角の広さに加えての周辺形状(凸・平坦・凹)と付着位置も同時に記録する多軸の分類である。臨床ではShaffer分類で素早くスクリーニングし、詳細な形状の記録が必要な場面でSpaeth分類を併用する使い分けが一般的。

モダリティと写り方

には、光路の作り方で直接鏡と間接鏡の2種類がある1。

型 代表 光路 姿勢・使用場面
直接鏡 Swan-Jacobsレンズ として働き、隅角の直接的な全体像(パノラマ像)を得る 仰臥位。主に隅角の手術操作(など)で用いる
間接鏡 Goldmann型3面鏡・Zeiss型4面鏡 と鏡を組み合わせ、対側の隅角の反射像を映す 座位・下。外来でのな評価に用いる

⚠️ 間接鏡は「見ている方向と反対側の隅角が映る」ことを常に意識する。 上方の隅角を見たいときは、レンズの下方に鏡を向けて観察する。初学者は結合剤(ゲル)を用いる間接鏡の方が視野が安定する1。

リスクを上げる形態

所見 意味するもの
(PAS) がにに癒着。圧迫しても隅角が開かない=閉塞が慢性化・固定化している
隅角の を示唆。(・など)の存在を疑う
・均一なの色素沈着 色素散布症候群・を示唆
上の色素帯(Sampaolesi線)+まだら状の色素沈着 を示唆。色素散布症候群のパターンと対照的2

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gonioscopy'>隅角鏡</span>でShaffer分類を評価"] --> B{"Grade 2以下<br>(狭い~閉塞)か"}
    B -->|"いいえ(Grade3-4)"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='open angle'>開放隅角</span>として評価<br>色素沈着パターン・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neovascularization (new vessels)'>新生血管</span>の有無を確認"]
    B -->|"はい"| D["圧迫<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gonioscopy'>隅角鏡</span>(レンズで角膜を圧迫)"]
    D --> E{"圧迫で隅角が<br>さらに開くか"}
    E -->|"開く(appositional)"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pupillary block'>瞳孔ブロック</span>・plateau iris症候群など<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='functional obstruction'>機能的閉塞</span>を疑う"]
    E -->|"開かない(synechial)"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='peripheral anterior synechiae'>周辺虹彩前癒着</span>(PAS)による<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='mechanical (organic) obstruction'>器質的閉塞</span>と判断"]
    F --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='laser iridotomy'>レーザー虹彩切開術</span>などを検討"]
    G --> I["癒着の範囲に応じ<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='surgical'>手術的</span>な隅角再建を検討"]

紛らわしいもの

  • 色素沈着パターンの取り違え: 色素散布症候群の・均一な色素沈着と、のまだら状パターン+Sampaolesi線は、どちらも「が黒っぽい」というは似るが、分布の均一性と欠損の形(スポーク状かか)を合わせて見れば区別できる2。
  • 圧迫の強さによる偽陽性・偽陰性: 圧迫は力加減で見え方が変わるため、強すぎる圧迫は角膜を作り像を歪める。左右差や複数回の観察で判断する。
  • ・UBMとの役割の違い: やUBMは非接触または断面画像として隅角形状をに記録できるが、圧迫による動的な変化(appositionalかsynechialか)を評価できるのはだけである。や強いでが困難な場合の代替として位置づける。

まとめ

  • は角膜でののため直接観察できず、でレンズを角膜に接触させて初めて観察できる1。
  • Shaffer分類(Grade0〜4)は見える構造物(・・・)で角度を推定する1軸の分類で、より詳細な形状評価にはSpaeth分類を併用する。
  • 直接鏡(Swan-Jacobsレンズ)は仰臥位での手術操作に、間接鏡(Goldmann型・Zeiss型)は座位での外来評価に使う1。
  • 圧迫で隅角が開けば(・plateau iris症候群)、開かなければによると判断でき、この鑑別がを決める1。
  • 色素沈着パターンは疾患の手がかりになる。・均一なら色素散布症候群、Sampaolesi線を伴うまだら状ならを示唆する2。

出典

  1. 1.Gonioscopy skills and techniques(Community Eye Health・2021)隅角の構造を直接観察するには隅角鏡レンズが必要であること(そのままでは隅角からの光が観察者に届かない)、直接鏡はプリズムとして働き隅角の直接的な全体像を得られ主に仰臥位での隅角手術に用いられるのに対し、間接鏡はプリズムと鏡を組み合わせて対側の隅角の反射像を細隙灯で座位のまま観察するもので初心者にはカップリングゲルを用いる間接鏡の方が安定した視野が得られること、Shaffer分類がGrade0(隅角構造が見えない)・Grade1(Schwalbe線のみ)・Grade2(色素沈着した線維柱帯)・Grade3(強膜岬)・Grade4(毛様体まで見え広く開放)と定義されること、圧迫隅角鏡でレンズにより角膜を圧迫すると隅角が開いてさらに深部の構造が同定できplateau iris症候群のような症例で有用だが周辺虹彩前癒着があれば圧迫しても隅角がそれ以上開かないこと、色素沈着した線維柱帯が房水が眼から流出する部位であることを確認した(著者Winnie Nolan、Adeola Onakoya、2021年、DOIなし)。閲覧 2026-09-08
  2. 2.Pseudoexfoliation Syndrome and Glaucoma(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2023)落屑症候群の隅角鏡所見がSchwalbe線上の色素沈着帯(Sampaolesi線)と隅角網状体のまだら状過色素沈着であり、色素散布症候群にみられる全周性・均一な色素沈着とは対照的なパターンであること、最大20%の症例で閉塞隅角の素因を認めることを確認した(History and Physical節)。閲覧 2026-09-08