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Imaging findings · Published

血管内イメージング

Intravascular imaging

別名
IVUS血管内OCT血管内超音波血管内光干渉断層法
臓器系
循環器
科目
Cardiology, Heart Surgery, Angiology, Vascular Surgery
トピック
循環器内科 A-26:経皮的冠動脈血行再建術(PCI)
関連疾患
May-Thurner症候群MINOCA自然冠動脈解離

🧠 全体像:をして決めるのは「良悪性」ではなく、このまま治療するか、方針を変えるかという次の行動である。は血管の輪郭(内腔の影)しか見えないのに対し、IVUS・OCTはカテーテルを血管内に入れて壁そのものを観察する。両者は原理が違うだけで、「どちらが優れているか」ではなく「何を確認したいときにどちらを選ぶか」という使い分けの問題になる——プラークの厚み・分布を俯瞰したいならIVUS、内腔表面のミクロな構造(・解離のフラップ)を精密に見たいならOCT、というのが基本軸である。

所見の定義

は、カテーテル先端のセンサーを冠動脈(または末梢動脈)内腔に挿入し、血管を輪切りにした断面像として壁構造を直接描出する検査の総称である。が内腔の影だけを描くのに対し、血管壁そのもの——内膜・中膜・外膜の3層構造、プラークの性状、血栓、解離によるや——を可視化できる点が本質的な違いである1。

モダリティと写り方

IVUS()とOCT()は原理が異なり、それぞれ得意・不得意が逆転する1。

項目 IVUS() OCT()
原理 超音波の反射 近赤外光の干渉
分解能 約100〜150μm 約10〜20μm(IVUSの約10倍高い)
組織透過性 深い(・血管全体径の評価に強い) 浅い(内腔表面〜の観察に強い)
血液の除去 不要(血液を通しても撮像できる) ⚠️ 必要(造影剤フラッシュ等で血液を排除しないと撮像できない)
腎機能低下例での位置づけ 造影剤を追加投与せず撮像できるため有利 ⚠️ 造影剤の追加投与を要し、腎機能低下例では不利になりうる
石灰化の評価 表面までしか分からない(のため石灰化の背後・厚みが見えない) 光は石灰化をある程度透過するため、厚みまで評価できる
得意なこと 血管全体径・プラークの分布と体積、の評価 内腔表面の微細構造(の断端、解離のフラップ、不良)

⭐ 分解能はOCTが圧倒的に高いが、組織透過性はIVUSが優る。 このが、そのまま臨床での使い分けの軸になる。血管全体のサイズや石灰化・プラークの分布を俯瞰したいときはIVUS、内腔表面のミリ以下の構造(フラップ・破綻・)を精密に見たいときはOCTを選ぶ。

用途と評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='angiography'>血管造影</span>で説明のつかない所見、<br>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='treatment strategy'>治療方針</span>を変えうる疑問がある"] --> B{"何を確認したいか"}
    B -->|"石灰化の分布・血管全体径を俯瞰したい"| C["IVUSを選択"]
    B -->|"内腔表面の微細構造を精密に見たい<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='plaque rupture'>プラーク破綻</span>・解離フラップ・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='crimp'>圧着</span>不良)"| D["OCTを選択"]
    D --> E{"腎機能は保たれているか"}
    E -->|"低下あり"| F["⚠️ 造影剤フラッシュの追加負荷を考慮し、<br>IVUSや適応の見送りも検討"]
    E -->|"保たれている"| G["OCTで撮像"]
    C --> H["所見に応じて<span class='jp-term jp-term-diagram' title='treatment strategy'>治療方針</span>を決定<br>(保存的治療 or <span class='jp-term jp-term-diagram' title='percutaneous coronary intervention'>PCI</span>)"]
    G --> H

SCADにおける造影分類Type 3の確認:(SCAD)では、限局性の狭窄が動脈硬化性病変に類似するType 3でだけでは鑑別できないことが多い。IVUS・OCTでやを直接確認できれば、動脈硬化性狭窄との鑑別がつく2。⚠️ ただしSCAD自体が壁が脆弱な血管であり、造影剤の注入圧やワイヤー・カテーテルの操作自体が解離をさらに進展させうる。 血行動態が安定し、造影所見だけでが変わらないなら、無理にを追加しない——適応は、確認した所見が実際にを変えるときに限って慎重に判断する3。

におけるの証明:MINOCAでは、でがなくても、IVUS・OCTで非閉塞性プラークの破綻やびらんを直接確認できることがあり、造影だけでは分からない冠動脈由来の原因を裏づける手段になる。

の最適化:後にIVUS・OCTでの不良・拡張不良・を評価し、追加のや選択の修正につなげる1。

⚠️ 紛らわしいもの

  • :IVUSで石灰化の背後が黒く抜けて見える現象。石灰化そのものの厚みや、その奥の壁構造は評価できない。石灰化が疑わしいのに背後が全く見えない場合は正常構造の消失ではなくと判断する。
  • OCTの血液クリアランス不良による:造影剤フラッシュが不十分で血液が残存すると、赤血球による減衰でが生じ、壁構造が不明瞭になる。撮像不良を「壁の異常」としない。
  • :OCT・IVUSいずれも、画像内に写り込む自体の反射・陰影を壁の所見と混同しない。

まとめ

  • はで分からない壁そのものを直接観察する検査で、で決めるのはを変えるかどうかである。
  • IVUSは組織透過性に優れ血管全体径・石灰化の分布評価に強く、血液除去が不要。OCTは分解能がIVUSの約10倍高く内腔表面の微細構造に強いが、血液除去のため造影剤フラッシュを要し腎機能低下例では不利になりうる。
  • 石灰化の厚みはOCTでないと評価できない(IVUSはで背後が見えない)。
  • SCADのType 3の鑑別やMINOCAでのの証明に有用だが、⚠️ SCADでは造影剤注入やワイヤー操作自体が解離を進展させうるため、適応はが変わる場合に限って慎重に判断する。

出典

  1. 1.Clinical use of intracoronary imaging. Part 1: guidance and optimization of coronary interventions. An expert consensus document of the European Association of Percutaneous Cardiovascular Interventions(European Association of Percutaneous Cardiovascular Interventions(European Heart Journal誌)・2018)血管内超音波(IVUS)と光干渉断層撮影(OCT)がそれぞれ異なる原理(超音波と近赤外光)に基づき、解像度・組織透過性・血液クリアランスの要否といった特性がPCIの計画・最適化・ステント不全の評価における使い分けを規定すること、両モダリティの強みと限界を確認した閲覧 2026-08-19
  2. 2.European Society of Cardiology, acute cardiovascular care association, SCAD study group: a position paper on spontaneous coronary artery dissection(European Society of Cardiology(European Heart Journal誌)・2018)SCADの血管造影分類でType 3(限局性狭窄)が動脈硬化性病変と鑑別困難であり、IVUS/OCTでの確認を要することが多いこと、SCAD自体が医原性の解離を来しやすい血管であるため画像診断の追加はリスクとベネフィットを慎重に吟味して行うべきであることを確認した閲覧 2026-08-19
  3. 3.Spontaneous Coronary Artery Dissection: Current State of the Science: A Scientific Statement From the American Heart Association(American Heart Association(Circulation誌)・2018)SCADの造影所見が動脈硬化性狭窄に類似する例でIVUS/OCTによる壁内血腫の直接確認が有用である一方、造影剤の注入やワイヤー・カテーテル操作自体が解離を進展させうるため、血管内イメージングの適応は血行動態が不安定な場合や治療方針を変えうる場合に限定して慎重に判断すべきであることを確認した閲覧 2026-08-19