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Lab values · Published

鼻腔一酸化窒素濃度

Nasal nitric oxide

別名
鼻腔NO
臓器系
呼吸器耳鼻咽喉科
科目
Pulmonology
トピック
呼吸器内科 24:気管支炎と気管支拡張症
関連疾患
Kartagener症候群

🧠 全体像:鼻腔濃度は、を含むの第一段階のである。5歳以上で77 nL/min未満をとすると感度98%・特異度99%と優秀な数値が出るが、⚠️ この高い性能は「他の低値をきたす原因をあらかじめ除外している」ことが前提である。嚢胞性線維症・・急性はいずれも鼻腔NOを一過性に低下させ、PCDでなくても陽性域に入りうる。の数字だけを覚えるのではなく、検査前チェックリスト(体調・鼻閉・CF除外)を一体で理解することが臨床的に意味を持つ。

何を測っているか

鼻腔NOは、副鼻腔粘膜の上皮細胞でに産生される濃度である。PCDでは運動線毛の機能異常により副鼻腔の換気・排泄が障害され、産生されたNOがに蓄積・拡散しにくくなることなどが低値の一因と考えられている。測定はチェミルミネッセンス分析装置を用いて呼気停止(閉鎖)下で行う標準化されたプロトコルに従う。

基準値と単位

単位はnL/min。5歳以上で施行可能とされ、77 nL/min未満をPCDのとすると感度98%・特異度99%とされる1。5歳未満は協力が得られにくく標準化されたプロトコルでの測定が困難なため、通常は対象としない。

高値の意味(カットオフ以上)

以上であれば、その時点でPCDらしさは低くなる。ただし⚠️ 臨床的な疑いが強い場合は、1回の正常値だけでPCDを完全には除外しない。 測定条件(急性感染の混入など)を確認したうえで、高速ビデオ顕微鏡・・遺伝学的検査など他の検査での評価を継続する。

低値の意味(カットオフ未満)

⚠️ 低値はPCDを強く示唆するが、他の原因を除外して初めて解釈できる。

低値をきたす他の原因 対応
嚢胞性線維症 嚢胞性線維症患者の最大3分の1が77 nL/min未満を示す。 このため鼻腔NO検査の前にまたはCFTRで除外しておく21
・鼻閉 検査すべきでない状態。治癒後に再検査する2
急性ウイルス性 鼻腔NOを著明に低下させ偽陽性の原因になる。検査前少なくとも2週間は健常な状態であることを確認する2

低値かつ上記の除外原因がなければ、PCDの可能性を強く考え、高速ビデオ顕微鏡・による解析・遺伝学的検査へ進む。

⚠️ 測定上の注意

  • 検査前チェックが結果の解釈そのものを左右する。 鼻閉、、直近・急性の、急性ウイルス性がある患者は検査すべきでない2
  • 嚢胞性線維症は必ず先に除外する。 除外せずに鼻腔NO単独でPCDと判定しない1
  • でも約30%はが正常、遺伝学的検査でも20〜30%はが同定できないため3鼻腔NOを含むどの単一検査も単独でPCDを確定・除外できない。

経時変化とモニタリング

診断確定後に鼻腔NO値をに追跡してモニタリングへ用いる運用は確立していない。低値が持続する場合は、測定条件(急性感染の混入がないか)を確認したうえで再検査による再現性の確認が推奨される。

まとめ

  • 鼻腔濃度は5歳以上で施行可能なPCDので、77 nL/min未満をとすると感度98%・特異度99%とされる。
  • 嚢胞性線維症・・急性ウイルス性はいずれも鼻腔NOを低下させうるため、検査前にこれらを除外・除外できる状態に整えておく必要がある。
  • 高値でも臨床的疑いが強ければPCDを完全には除外せず、低値でも上記の除外原因がなければPCDの可能性を強く考える。
  • 確定診断は高速ビデオ顕微鏡・・遺伝学的検査を組み合わせて行い、鼻腔NO単独では確定・除外できない。

出典

  1. 1.Primary Ciliary Dyskinesia(GeneReviews(University of Washington, Seattle)・2025)鼻腔一酸化窒素検査は嚢胞性線維症を汗試験またはCFTR遺伝子検査で除外した後に行うべきであること、5歳以上で鼻腔一酸化窒素77 nL/min未満のカットオフは感度98%・特異度99%とされることを確認した。閲覧 2026-08-11
  2. 2.Primary Ciliary Dyskinesia: A Clinical Review(Cells(MDPI)・2024)鼻腔一酸化窒素濃度77 nL/min未満をカットオフとした検査法がPCDのスクリーニングに用いられること、電子顕微鏡で外腕ダイニン欠損がPCD患者の26〜59%に同定されるが30%は軸糸超微形態が正常であること、20〜30%は確定例でも原因遺伝子が同定できないことを確認した。閲覧 2026-08-11
  3. 3.Nasal Nitric Oxide Measurement in Primary Ciliary Dyskinesia. A Technical Paper on Standardized Testing Protocols(Annals of the American Thoracic Society(Shapiro AJ, et al.)・2020)「患者に鼻閉、急性副鼻腔炎、直近または急性の鼻出血、急性ウイルス性上気道感染があれば検査すべきでない」こと(Pretest Patient Check節)、ウイルス性上気道感染は鼻腔NO濃度を著明に低下させ偽陽性のPCD診断につながりうるため検査前少なくとも2週間は健常な状態であるべきこと(Patient Selection for nNO節)、「嚢胞性線維症患者の最大3分の1が77 nL/min未満の鼻腔NO濃度を示すため、鼻腔NO検査の前に汗試験またはCFTR遺伝子検査で嚢胞性線維症を除外すべきである」こと(Diagnostic Test Performance of nNO in PCD節の原文 "up to one-third of patients with CF have nNO concentrations below 77 nl/min")を確認した。閲覧 2026-08-11