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Bush-Francis緊張病評価尺度

Bush-Francis Catatonia Rating Scale

別名
BFCRS
臓器系
精神
科目
Neurology
トピック
神経内科 G1-07:意識障害の分類と鑑別診断
構成:症状
筋強直
適用疾患
緊張病

🧠 全体像:(BFCRS)は、の徴候を標準化して定量評価する尺度である。23項目からなる評価尺度全体と、その最初の14項目だけを使うの2段構えになっており、実臨床ではまずBFCSIで「らしさ」をふるい分け、陽性であれば23項目全体で重症度を採点する、という使い分けをする。の(12所見中3つ以上)1と項目の多くが重なるが、基準が「あり/なし」の二値判定であるのに対し、BFCRSは大部分の項目を0〜3点で段階評価する点が異なる。

目的と適用場面

内容
目的 の徴候を系統的に検出(スクリーニング)し、確認された場合は重症度を定量評価する
対象・使う場面 を疑うあらゆる患者(などの精神疾患だけでなく、内科疾患・に伴う二次性も含む)。標準化された診察手順に沿って各項目を評価する
評価しないもの の原因(原発性精神疾患か、内科疾患・による二次性か)の鑑別そのもの

構成要素と配点

⭐ 23項目それぞれを採点する。大部分の項目は0点(所見なし)〜3点(重度)の4段階だが、など6項目は0点/3点の2値評価のみである(後述)。最初の14項目が(BFCSI)を構成し、2項目以上で陽性となればを疑い残り9項目を含む全23項目の採点に進む2。代表的な項目は次のとおり。

0点 1点 2点 3点
なし 座ったまま異常なほど静止するが、短時間の交流はある 外界とのやり取りがほぼ消失 疼痛刺激にも反応しない状態

0点 1点 2点 3点
なし 大多数の質問に、聞き取れない程度の囁き 5分間で20語未満の 全くがない

は0点(なし)・3点(あり)の2値評価のみで、1点・2点の中間段階は無い。

0点 3点
なし 検者が四肢を不自然なに動かそうとすると、初め抵抗した後、ろうそくを曲げるように次第に姿勢を許容し、そのを保持する

姿勢保持

0点 1点 2点 3点
なし 1分未満保持 1分超15分未満保持 奇異な姿勢、またはな姿勢を15分超保持

0点 1点 2点 3点
なし 軽度・断続的な抵抗 中等度の抵抗、明らかな抵抗が持続 指示・接触への全面的な抵抗

興奮

著明なで、外見上無目的な絶え間ない運動を指す(や目的志向的なに起因するものは含まない)。

0点 1点 2点 3点
なし 断続的な 持続的な、無休止の運動亢進 本格的な興奮、際限のない狂運動

強剛

0点 1点 2点 3点
なし に軽度の抵抗 中等度の抵抗 に高度の抵抗、が持続

残る項目(凝視、、・、、、常同言語(verbigeration:語句・文章の反復)、、、、、、拒食・拒水、、自動的服従、攻撃性、自律神経症状など)も採点する。ただしを含め、受動的服従・筋抵抗・運動途絶・・の6項目は0点(なし)/3点(あり)の2値評価のみで、それ以外の項目は0〜3点の4段階で評価する。

解釈とカットオフ

BFCSI(最初の14項目)で2項目以上が陽性であればスクリーニング陽性とみなし、など次の診断ステップへ進む。原著は評価尺度全体の0.93、の0.95と、評価者間の一致度が高いことを報告している2。23項目全体の合計点は治療反応(負荷・への反応)のモニタリングに用い、治療前後で点数を比較して重症度の変化を追う。

⚠️限界と使ってはいけない場面

  • ⚠️ スクリーニング陽性は診断確定ではない。 BFCSIはあくまで「を疑うべきか」をふるい分ける検査であり、確定診断には基準や臨床的評価(への反応など)を併用する。
  • ⚠️ の原因(一次性か二次性か)は判定しない。 などの精神疾患によると、内科疾患・による二次性を、BFCRSの点数だけで鑑別することはできない。
  • ⚠️ 意識障害・重度のがある患者では、以外の原因による・と区別しにくく、評価者間で判定が割れやすい項目がある。

まとめ

  • (BFCRS)は23項目からなるの評価尺度で、最初の14項目が(BFCSI)を構成する。大部分の項目は0〜3点の4段階だが、など6項目は0点/3点の2値評価のみである。
  • BFCSIで2項目以上陽性ならを疑い、23項目全体で重症度を評価する。は評価尺度全体0.93・0.95と高い。
  • スクリーニング陽性は診断確定ではなく、原因(一次性・二次性)の鑑別も担わない点に注意する。

出典

  1. 1.Catatonia(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2026)Bush-Francis緊張病評価尺度が23項目からなり最初の14項目がスクリーニング用であること、DSM-5の緊張病診断基準が昏迷・カタレプシー・ろう屈症・無言症・拒絶症・姿勢保持・衒奇症・常同症・興奮・しかめ面・反響言語・反響動作の12所見中3つ以上の存在を要件とすることを確認した。同ページは同項目の感度100%・特異度88%をBush et al. 1996に帰属させているが、同論文が実際に報告するのは評価尺度の評価者間信頼性(0.93・0.95)であり、感度・特異度の記載はない閲覧 2026-08-10
  2. 2.Catatonia. I. Rating scale and standardized examination(Acta Psychiatrica Scandinavica(Bush G, Fink M, Petrides G, Dowling F, Francis A)・1996)23項目(大部分が0〜3点、ろう屈症・受動的服従(mitgehen)・筋抵抗(gegenhalten)・運動途絶(ambitendency)・把握反射・保続の6項目は0点/3点の2値評価)からなる緊張病評価尺度と、そのうち最初の14項目で構成される緊張病スクリーニング検査(Catatonia Screening Instrument)を開発したこと、評価尺度全体の評価者間信頼性が0.93、スクリーニング検査の評価者間信頼性が0.95であったことを確認した閲覧 2026-09-05