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Cormack-Lehane分類

Cormack-Lehane classification

別名
Cormack-Lehane grade喉頭展開分類
臓器系
耳鼻咽喉科呼吸器
科目
Intensive Therapy and AnesthesiologyOtorhinolaryngology
トピック
麻酔科学 B-14:周術期管理とリスク評価耳鼻咽喉科 54:気管切開・輪状甲状間膜切開と気管挿管の適応・実施
構成:画像所見
喉頭鏡検査

🧠 全体像:Cormack-Lehane分類は、で喉頭を展開してみて初めて記録できる所見の分類である。⚠️ Mallampati分類・開口距離・甲状間距離のように挿管前にを予測するツールと混同しやすいが、この分類が扱うのは予測ではなく、喉頭展開後に実際に見えた範囲をGrade 1〜4で記録する事後的な所見である。予測ツールが外れることは珍しくなく、Cormack-Lehane分類は「予測が当たったかどうか」を確認し、次回の麻酔計画に申し送るための共通言語として機能する。

目的と適用場面

内容
目的 による喉頭展開時に得られたの見え方を、再現性のある共通言語で記録する
対象 全身麻酔導入時・時にを用いるすべての患者
使う場面 喉頭展開の直後。カルテに記載し、次回麻酔時の参考情報として申し送る
評価しないもの 挿管前の予測(Mallampati分類・開口距離・甲状間距離など別のツールが担う)、の難易度そのもの

構成要素

⭐ 加算式のスコアではなく、喉頭展開時の視野に基づく記述的な分類である。

Grade 所見
Grade 1 の大部分が見える
Grade 2 後部()またはのみ見える
Grade 3 のみ見え、は見えない
Grade 4 もも見えない

原著はにおけるの主因がGrade 3であることを報告した1。

改訂によるさらなる細分——2a/2b、3a/3b

Grade 2は声帯の一部が見えるかどうかで率が大きく異なるため、その後の改訂ではGrade 2a(声帯の一部が見える)とGrade 2b(または声帯の最後部のみ見える)に細分される。663例の前向き評価では、Grade 2aの率は4.3%だったのに対し、Grade 2bでは67.4%に達した——同じ「Grade 2」でも臨床的な意味が大きく異なることを示す2。同様に、Grade 3についてもを挙上できる3aとできない3bに分けてさらに細分して記録する運用が広がっている3。

解釈とカットオフ

Grade との関連
Grade 1 のリスクは低い
Grade 2a のリスクは低い
Grade 2b のリスクが明らかに上昇する
Grade 3 を挙上できればなどの補助具で挿管し得るが、として扱う
Grade 4 高度な。・代替戦略への切り替えを要することが多い

💡 Cookらの提案した実用分類では、easy(Grade 1・2aに相当)、restricted(Grade 2b・3の一部に相当し、後方の構造のみ見える、またはを持ち上げれば見える)、difficult(を持ち上げられない、またはGrade 4)という3群に整理され、の評価・引き継ぎの実務でも使われる3。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 挿管前の予測には使えない。 Cormack-Lehane分類は喉頭展開後にしか付けられない所見であり、挿管前のリスク評価にはMallampati分類・開口距離・甲状間距離など別のツールを組み合わせる。これらの予測ツールとCormack-Lehane分類は代替関係ではなく、上の別の段階を担う。

⚠️ 評価者間のばらつきがある。 喉頭展開の力の入れ方や体位(の有無、外部喉頭圧迫の有無)によって同じ患者でも見え方が変わり得るため、記録時の条件(喉頭圧迫の有無など)も併記することが望ましい。

⚠️ Grade 3の中でも管理難易度に幅がある。 を挙上できるGrade 3とできないGrade 3では対応(での挿管可否など)が異なるため、細分せずGrade 3とだけ記録すると次回の麻酔計画に必要な情報が失われる。

まとめ

  • Cormack-Lehane分類は、による喉頭展開所見をGrade 1〜4で記録する事後的な分類であり、挿管前の予測ツールとは役割が異なる。
  • Grade 1:の大部分が見える/Grade 2:後部・のみ/Grade 3:のみ/Grade 4:も見えない。
  • その後の改訂ではGrade 2がさらに2a・2bに細分され、2bは率が大きく上昇する。Grade 3もを挙上できるかで3a・3bに細分して記録されることがある。
  • Grade 3以上はと結びつき、記録した所見は次回の麻酔計画に申し送る情報として使われる。

出典

  1. 1.Difficult tracheal intubation in obstetrics(Anaesthesia(Cormack RS, Lehane J)・1984)直達喉頭鏡下の喉頭展開所見をGrade 1(声門の大部分が見える)〜Grade 4(喉頭蓋も見えない)の4段階に分類したのがCormack-Lehaneの原著であり、産科麻酔における挿管困難の主因はGrade 3(喉頭蓋は見えるが声門が見えない)であることを確認した。閲覧 2026-08-19
  2. 2.Evaluation of an improved scoring system for the grading of direct laryngoscopy(Anaesthesia(Yentis SM, Lee DJH)・1998)Grade 2をさらに声帯の一部が見える2a(挿管困難4.3%)と披裂部のみ見える2b(挿管困難67.4%)に細分すると、同じGrade 2でも挿管困難率が大きく異なることを、663例の前向き評価で確認した。閲覧 2026-08-19
  3. 3.A new practical classification of laryngeal view(Anaesthesia(Cook TM)・2000)直達喉頭鏡下の喉頭展開所見を、喉頭口が見えるeasy、後方の声門構造か持ち上げれば喉頭蓋が見えるrestricted、喉頭蓋を持ち上げられないか喉頭構造が全く見えないdifficultの3群に整理し、Cormack-Lehane分類のGrade 2・3の一部がrestrictedに相当することを本文で確認した。Grade 3のうち喉頭蓋を挙上できるものを3a(restrictedに含まれる)、挙上できないものを3b(difficultに含まれる)として区別していることも確認した。閲覧 2026-08-19