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エプワース眠気尺度

Epworth sleepiness scale

別名
ESSEpworth眠気尺度
臓器系
呼吸器神経
科目
Pulmonology and Thoracic Surgery
トピック
呼吸器内科 33:睡眠関連呼吸障害の診断
適用疾患
Friedreich失調症

🧠 全体像:エプワース眠気尺度(ESS)は、「日中どれだけ眠り込みやすいか」という持続的な日中のを、日常のありふれた8つの場面について患者自身に自己評価させる、短時間のである。単なる「疲れている」という訴えと違い、居眠りするな状況を並べて点数化することで、症候群やなどのスクリーニング・重症度の目安・治療効果判定に使われる。

目的と適用場面

内容
目的 (EDS)の程度を自己記入式で数値化する
対象 睡眠障害が疑われる成人(原版)。小児・青年期版への改変も行われている
使う場面 症候群・・などのスクリーニング、CPAP療法などの治療効果判定、など睡眠時無呼吸のリスクがある疾患の定期的経過観察
評価しないもの の確定診断(が必要)、急性の眠気(一時的な寝不足など)

開発者のJohnsは、健常対照30例を含む成人180例(残り150例は症候群・・など種々の睡眠障害患者)を対象に検証し、ESSスコアが正常者と各診断群を有意に判別することを示した1。いびき単独の患者は対照群と差がなかった——いびきそのものではなく、日中の眠気という機能的な結果を測る指標である1。

構成要素と配点

8つの日常場面それぞれについて、「うとうとする・眠り込む」可能性を0〜3点の4段階で自己評価する。8項目の合計が総ESSスコアで、0〜24点の範囲を取る2。

⚠️ 本ノートで逐語確認できているのは8場面のうち3場面の文言である(原著論文の全文を未確認のため、残り5場面を本ノートで断定しない)。確認できている場面は、「座って読書しているとき」「飲酒なしに昼食後横になって休んでいるとき」「休憩なしに車に1時間乗客として乗っているとき」の3つで、いずれも能動的に体を動かさない・な状況という共通点を持つ2。残り5場面も同様に、座位・臥位を中心とした日常の低刺激な状況で構成される。

⭐ 8項目とも「うとうとする可能性」という同じ次元を測るよう設計されており、因子分析でも単一因子構造を示す3。個々の項目の点数そのものよりも、合計点で全体の眠気の強さを見るのが基本的な使い方である。

解釈とカットオフ

総ESSスコア 解釈
0〜10点 「正常」の日中の眠気の範囲。複数の国の一般人口データで確認されている2
11〜24点 過度の日中の眠気(EDS)を示唆する範囲。点数が高いほど眠気は強い2

ESSスコアは、(MSLT)やで測定したな入眠と有意に相関し、症候群患者では指数・夜間最低SaO2とも相関する1。治療反応性も確認されており、症候群患者ではCPAP治療後3〜9か月でESSスコアが低下する3。

では、GeneReviewsのが、のスクリーニングとしてまたはESSなどのスケールを年1回用い、疑わしければを追加することを挙げている4。

⚠️ 限界と使ってはいけない場面

  • ⚠️ 診断ツールではない。 ESSはスクリーニングの目安であり、症候群などの確定診断にはなどのなが必要である。
  • 自己記入式であるための限界。 患者本人の内省に依存し、日中の眠気を過小・過大に報告しうる。・自己の状態を客観視しにくい患者ではが下がる可能性がある。
  • 場面が想定できない患者では回答が難しい。 「車の運転中」「劇場で座っている」など、によっては経験したことのない場面を含むため、該当しない項目の扱いに注意する。
  • ⚠️ 一時的な眠気と持続的な眠気を区別する設計である。 前夜の寝不足など一過性の要因による眠気は、この尺度が測ろうとしている「持続的な眠気の傾向」とは異なる。単発の高値だけで慢性疾患と結び付けない。
  • 原版は成人向けで英語圏の日常場面を想定している。 運転をしない集団、文化的背景が異なる集団では、翻訳・改変版での確認が必要になる。

まとめ

  • ESSは、8つの日常場面での「うとうとする可能性」を0〜3点で自己評価し合計する(0〜24点)、持続的な日中の眠気を測る自己記入式である。
  • 0〜10点が正常範囲、11〜24点が過度の日中の眠気(EDS)を示唆する範囲とされる。
  • 症候群・・などで対照群と有意に判別でき、いびき単独では対照と差がない。MSLT・との相関、CPAP治療後のスコア低下という治療反応性も確認されている。
  • では、GeneReviewsが睡眠時無呼吸の年1回スクリーニングにESSなどのスケールの使用を挙げている。
  • 診断ツールではなくスクリーニングの目安であり、確定診断にはなを要する。

出典

  1. 1.A new method for measuring daytime sleepiness: the Epworth sleepiness scale(Sleep・1991)Europe PMCの抄録(PMID 1798888)を逐語確認した。日常生活でよくある8つの異なる状況で「うとうとする・眠り込む」可能性を自己評価する質問票として開発された。健常対照30例を含む成人180例(患者150例は種々の睡眠障害)を対象に検証し、「Total ESS scores significantly distinguished normal subjects from patients in various diagnostic groups including obstructive sleep apnea syndrome, narcolepsy and idiopathic hypersomnia.」ESSスコアは反復睡眠潜時検査(MSLT)および終夜睡眠ポリグラフ検査で測定した入眠潜時と有意に相関し、閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者では呼吸障害指数・最低SaO2とも有意に相関した。「ESS scores of patients who simply snored did not differ from controls.」といびき単独の患者は対照と差が無いことも確認した。閲覧 2026-09-16
  2. 2.Validation of the Arabic Version of the Epworth Sleepiness Scale among the Yemeni Medical Students(Sleep Disorders・2020)Europe PMCの全文XML(PMC7071801)で次を逐語確認した。「Respondents rate on a 4-point Likert scale (0-3) their usual chances of having dozed off or fallen asleep while engaged in eight different situations such as sitting and reading, lying down after lunch without alcohol, and being a passenger in a car for an hour without a break.」「The sum of the integer rating of these items yields the total ESS score. This score ranges between 0 and 24」「The "normal" ASP or ESS score ranges from zero to 10, a value estimated and confirmed by data from the general population in several countries.」ESSは反復睡眠潜時検査という客観的なゴールドスタンダード検査と有意に相関することも確認した。閲覧 2026-09-16
  3. 3.Reliability and Factor Analysis of the Epworth Sleepiness Scale(Sleep・1992)Europe PMCの抄録(PMID 1519015)を逐語確認した。健常医学生87例で5か月後に再検査したところ、ESSスコアは有意に変化せず高い相関(r=0.82)を示した。閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者54例では、経鼻持続陽圧呼吸療法(CPAP)による3〜9か月の治療後にESSスコアが低下し治療反応性を示した。内的整合性はCronbach's alpha 0.88と高く、因子分析では医学生104例・睡眠障害患者150例のいずれでも単一因子構造を示した。閲覧 2026-09-16
  4. 4.Friedreich Ataxia(GeneReviews(NCBI Bookshelf)・2025)Table 7 Recommended Surveillanceが、フリードライヒ運動失調症の経過観察として閉塞性睡眠時無呼吸のスクリーニングを年1回行うべきとし、問診またはEpworth眠気尺度などのスケールを用い、疑わしければ睡眠検査を追加するとしていることを確認した。閲覧 2026-09-16