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Nabors分類

Nabors classification

臓器系
神経
科目
NeurologyMacroscopic Anatomy and Embryology (Macroscopic Anatomy)
トピック
神経内科 G1-25:脊柱管・脊髄の占拠性病変解剖学 1.4:背部・脊柱:脊髄と髄膜
適用疾患
Tarlov嚢胞

🧠 全体像:は、脊柱管内に見つかった脳脊髄液を含む嚢胞(脊椎髄膜嚢胞)を、硬膜の内か外か、神経根線維を含むかという2つの解剖学的な問いだけで3型に整理する分類である1。⭐ 判断の軸は「型を当てること」自体ではなく「と交通しているか」である——同じ型でも交の有無で経過観察と外科的対応の考え方が変わり、単純だけでは交を確定できず、(CTM)や遅延撮影が必要になる12。

目的と適用場面

内容
目的 脊柱管内の脳脊髄液性嚢胞(脊椎髄膜嚢胞)を解剖学的位置(/)と神経根線維の有無で分類する
対象 脊椎・で見つかったを示す脊柱管内嚢胞性病変
使う場面 画像所見の記載・鑑別の整理、外科的アプローチ(かか)の見当をつける場面
評価しないもの 症状の重症度、そのもの、嚢胞の大きさによる予後

構成要素

3つの型は、硬膜との位置関係と神経根線維の有無という2軸で決まる。確定にはCTMなどでとの交通を証明する必要があり、水溶性では型を問わず造影剤の欠損像を示すにとどまる1。

Type I(・神経根線維を含まない)

亜型 内容
Type IA クモ膜嚢胞
Type IB

Type II(・神経根線維を含む)

代表例が()である。内容は脳脊髄液で、出血を合併すれば血液を含む。近傍、とくにS2に最も多く生じる3。

Type III()

硬膜の内側に生じる髄膜嚢胞である1。

解釈——交通性という軸

⭐ 同じ型の中でも、交のある嚢胞とない嚢胞がある。 またはmyelo-で嚢胞との交通を確認できるが、KendallらやNaborsらの症例集積では、髄膜嚢胞の約半数は初回撮影では造影されず、遅延撮影でほぼ100%が造影されると報告されている2。

所見 意味
初回撮影で交を確認 通常ので診断がつく
初回はのみで交不明 遅延を追加しないとと誤認しうる
遅延撮影でも交を確認できない まれだが実在する(の髄膜嚢胞)

限界と使ってはいけない場面

⚠️ この分類だけでは決まらない。 型分類は解剖学的な整理であり、症候性かどうか・治療するかどうかの判断には別の評価が要る(の症候性評価は側を参照)。

⚠️ 単純だけで型を確定させない。 は嚢胞の位置と信号(脳脊髄液とか)を示すが、との交という診断の核心部分にはと遅延撮影が要る12。

⚠️ 初回撮影で交が見えないことは、を意味しない。 遅延撮影を追加せずにと判定すると、実際には交のある嚢胞を見逃しうる2。

まとめ

  • は脊椎髄膜嚢胞を、・神経根線維なし(type I:IAクモ膜嚢胞/IB)、・神経根線維あり(type II:を含む)、の3型に整理する。
  • 型の確定にはが必須で、水溶性だけでは型を問わず欠損像しか示さない。
  • 髄膜嚢胞の約半数は初回撮影で造影されず、遅延撮影でほぼ100%が造影される。初回陰性をと即断しない。
  • この分類は解剖学的整理にとどまり、症候性かどうか・治療するかどうかの判断は別に行う。

出典

  1. 1.Updated assessment and current classification of spinal meningeal cysts(Journal of Neurosurgery・1988)22例の検討に基づき脊椎髄膜嚢胞を、神経根線維を含まない脊髄硬膜外髄膜嚢胞(type I)、神経根線維を含む脊髄硬膜外髄膜嚢胞(type II)、脊髄硬膜内髄膜嚢胞(type III)の3型に分類したこと、水溶性脊髄造影ではいずれの型でも造影剤の欠損像を示しうるが、嚢胞とくも膜下腔の交通を明らかにするにはCT脊髄造影(CTM)が必須であること、確定診断は術中所見と組織学的検査に基づくことを確認した閲覧 2026-09-05
  2. 2.Noncommunicating Spinal Extradural Meningeal Cyst in Thoracolumbar Spine(Journal of Korean Neurosurgical Society・2010)Nabors分類のtype Iが硬膜外クモ膜嚢胞(type IA)と仙骨髄膜瘤(type IB)にさらに分けられること、type IIが神経根線維を含む脊髄硬膜外髄膜嚢胞でありTarlov嚢胞を含むこと、type IIIが脊髄硬膜内髄膜嚢胞であること、脊髄造影またはmyelo-CTで嚢胞とくも膜下腔の交通を確認できること、KendallらやNaborsらの症例集積では硬膜外髄膜嚢胞の約半数しか初回撮影で造影されず遅延撮影ではほぼ100%が造影されると報告されていることを確認した閲覧 2026-09-05
  3. 3.Tarlov Cyst(StatPearls Publishing・2023)Tarlov嚢胞(神経周膜嚢胞)がNabors分類のtype 2脊髄髄膜嚢胞に分類されること、内容が脳脊髄液であり出血を合併すれば血液を含むこと、後根神経節近傍・仙骨神経根とくにS2に最も多く生じることを確認した閲覧 2026-09-05