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SALTスコア

SALT score

別名
Severity of Alopecia Tool
臓器系
皮膚
科目
Dermatology
トピック
皮膚科 3-26:脱毛症の臨床型と治療
適用疾患
脱毛症

🧠 全体像:SALTスコア(Severity of Alopecia Tool)は、の脱毛面積を頭皮全体に対する割合(0〜100)として定量化する評価法である。頭皮を4区画に分け、各区画の脱毛割合に区画ごとの重みづけ係数を掛けて合計する——「頭のどこが」ではなく「頭皮全体のどれだけが」脱毛しているかを一つの数値にまとめる点が、部位・範囲だけを段階づけるS分類(S0〜S5)と役割が異なる。全身投与薬(阻害薬など)のの・効果判定に使われ、日本の重症の投与要件(頭部の概ね50%以上の脱毛)ともほぼ対応する。

目的と適用場面

内容
目的 の脱毛面積を頭皮全体に対する割合として定量評価し、重症度判定・治療効果判定の基準にする
対象・使う場面 (全頭型・を含む)の患者。初診時の重症度評価、全身投与薬の治療前後の効果判定に用いる
評価しないもの 眉毛・睫毛・体毛の脱毛(SALTは頭皮に限った指標)、脱毛の活動性(進行中かか)

構成要素と配点

⭐ 頭皮を4区画に分け、区画ごとに脱毛面積の割合(0〜100%)を目視評価し、区画ごとの重みづけ係数を掛けて合計する。4区画の重みの合計はちょうど100になる。

区画 頭皮表面積に占める重みづけ
40%
後頭部 24%
右 18%
左 18%

たとえばが完全脱毛(100%)でそれ以外に脱毛がなければ、SALTスコアは40×1.0=40になる。全区画が完全脱毛であればSALTスコアは100(全頭型に相当)となる1。

解釈とカットオフ

明確な重症度区分の国際コンセンサスは無いが、SALT 50以上を全身投与薬(阻害薬など)ので重症の基準として広く用いる2。診療ガイドライン2024は、脱毛面積20%以下を軽症、21〜49%を中等症、50%以上を重症とし、精神面への影響・眉毛/睫毛の明らかな脱毛・6か月間の治療への不十分な反応・急速進行型に合致する陽性のヘアプルテストのいずれか1項目以上を満たせば重症度を1段階上げる区分(Alopecia areata scale for clinical use、King BA, et al.)を紹介している2。日本の診療ガイドライン2024が用いるS分類(S0:脱毛なし〜S5:100%)とは独立した数値指標で、日本学会は投与対象基準として「頭部の概ね50%以上の脱毛」を挙げている。全身投与薬使用の施設要件は「AAの診断および治療に熟練したが在籍し、阻害薬等を用いた治療環境が整った施設であること」であり、SALTスコアの算出能力そのものへの言及は無い2。

⚠️限界と使ってはいけない場面

  • ⚠️ 目視評価のため評価者間でばらつきうる。 各区画の脱毛割合を目測で見積もる作業であり、写真撮影・デジタル解析ツールを併用しないとが下がる。
  • ⚠️ 眉毛・睫毛・体毛の脱毛は反映されない。 全頭型・でに大きく影響する眉毛・睫毛の脱毛は、SALTスコアとは別に評価・記録する必要がある。
  • ⚠️ 脱毛の活動性(進行中かか)を区別しない。 同じSALTスコアでも、急速に進行中の症例と長期安定している症例ではが異なりうる。

まとめ

  • SALTスコアは、頭皮を40%・後頭部24%・右18%・左18%の4区画に分け、各区画の脱毛割合に重みづけして合計した、頭皮全体に対する脱毛面積の割合(0〜100)である。
  • 全身投与薬(阻害薬など)のではSALT 50以上を重症の基準として広く用いる。
  • 目視評価のためばらつきがあり、眉毛・睫毛の脱毛や脱毛の活動性は反映しないため、他の評価と組み合わせて解釈する。

出典

  1. 1.Alopecia areata investigational assessment guidelines--Part II(Journal of the American Academy of Dermatology(Olsen EA, et al. / National Alopecia Areata Foundation)・2004)SALT(Severity of Alopecia Tool)が頭皮を頭頂部・後頭部・右側頭部・左側頭部の4区画に分け、各区画内の脱毛面積の割合に区画ごとの重みづけ係数を掛けて合計することで頭皮全体に対する脱毛面積の割合(0〜100)を算出する評価法として提案されたことを確認した閲覧 2026-09-05
  2. 2.円形脱毛症診療ガイドライン2024(日本皮膚科学会(円形脱毛症診療ガイドライン策定委員会)・2024)SALTスコアが頭頂部40%・後頭部24%・右側頭部18%・左側頭部18%の重みづけで頭皮全体の脱毛面積を算出したものであること、JAK阻害薬など全身投与薬の臨床試験ではSALTスコア50以上を重症の基準として用いていること、重症度はS分類(S0〜S5)とは別にSALTスコアで定量評価されること、JAK阻害薬など全身投与薬の施設要件が「AAの診断および治療に熟練した医師が在籍し、JAK阻害薬等を用いた治療環境が整った施設であること」であり、SALTスコアの算出能力への言及は無いこと、脱毛面積20%以下を軽症・21〜49%を中等症・50%以上を重症とし4項目のいずれか該当で重症度を1段階上げるAlopecia areata scale for clinical use(King BA, et al.)を紹介していることを確認した閲覧 2026-09-05