Biochemistry

Biochemistry · 4/7

血糖調節:肝・筋でのグリコーゲン動員;リン酸化カスケード;グルカゴンの作用

Blood glucose regulation: mobilization of glycogen in liver and muscle; phosphorylation cascade; effects of glucagon — L I

応用トピック
低血糖の症状と治療

🧠 は「ホルモン→GPCR→cAMP→PKAの」で読み、肝と筋で目的が違う、と捉える。 グルカゴン(肝)・アドレナリン(肝・筋)がGタンパク質共役受容体を介しcAMPを上げ、PKAがを活性化・合成酵素を不活性化)する。肝は血糖維持、筋は自身のATP産生のために動員する。

ホルモンによる開始

flowchart TD
  A["グルカゴン(肝)/アドレナリン(肝・筋)"]
  A --> B["Gタンパク質共役受容体(GPCR、7回膜貫通)"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='adenylyl cyclase, AC'>アデニル酸シクラーゼ</span> → cAMP↑"]
  C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='protein kinase A (PKA)'>プロテインキナーゼA</span>(PKA)活性化"]
  D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='phosphorylase kinase'>ホスホリラーゼキナーゼ</span>をリン酸化・活性化"]
  E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glycogen phosphorylase'>グリコーゲンホスホリラーゼ</span>活性化 → 分解↑"]
  D --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glycogen synthase'>グリコーゲン合成酵素</span>をリン酸化・不活性化 → 合成↓"]

1つのシグナルで「分解ON・合成OFF」を同時に()。 PKAは(キナーゼ経由)を活性化し、同時に合成酵素を直接リン酸化して不活性化する。無駄なサイクルを避け、正味でグルコース放出に向かう。カスケードは各段で増幅される。

肝と筋の違い

項目
目的 血糖維持(グルコースを血中へ) 自身のATP産生(解糖へ)
あり なし(絶食/摂食で筋グリコーゲンは変動しない)
β(cAMP経由) β・α(cAMP・Ca²⁺経由)
あり(血中へ放出可) なし(血糖に出せない)
グルコースによる調節 グルコースがaを阻害(血糖高いと分解停止) グルコースはを阻害しない

筋特有の活性化(運動時)

運動時、筋は次の機構でも活性化される。

  • AMPによる: AMPは筋型(肝型は違う)。エネルギー低下(AMP↑)で分解が進む。
  • Ca²⁺/: のδサブユニットは。筋収縮のCa²⁺がこれに結合しキナーゼを活性化 → 収縮と糖分解を連動。

💡 筋グリコーゲンは血糖に出せない。 筋にはがないため、分解して得たグルコース-6-Pは解糖でATPを作るのに使う(血糖に貢献しない)。血糖維持はもっぱら肝のグリコーゲン+糖新生が担う。

インスリンによる逆方向調節(対比)

インスリン(摂食時)は、ホスファターゼを介してを不活性化・合成酵素を活性化し、に向ける。肝ではグルコース・グルコース-6-Pがを抑え合成酵素を促す。

まとめ

  • はグルカゴン/アドレナリン→GPCR→cAMP→PKAの
  • PKAはを活性化し合成酵素を不活性化()。各段で増幅。
  • 肝は血糖維持(あり、G6Paseで放出)、筋は自ATP産生(なし、G6Paseなし)。
  • 筋では運動時、AMP()とCa²⁺/(収縮連動)でも分解が活性化。
  • インスリンは逆に合成方向へ切り替える。