生命倫理学・医療倫理学 · 07
終末期医療の倫理
End-of-Life Issues
🧠 全体像:終末期の倫理は、2つの層で考える必要がある。第一に、「積極的に死なせること」と「死ぬにまかせること」に道徳的な違いがあるかという哲学的な論争(Rachelsの挑戦と反論)。第二に、その論争の決着とは独立に、実務・法律がどう決着をつけているかという層——判断能力 decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity) decision-making capacity(判断能力) のある患者はどんな治療も拒否でき、判断能力decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity)decision-making capacity(判断能力) のない患者には代行判断に基づく代理決定の仕組みがあり、治療の差し控えと中止は倫理的に同等とされ、医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) 幇助自殺と安楽死 euthanasia 安楽死(euthanasia) euthanasia(安楽死) は「誰が致死薬を投与するか」で区別され、二重結果の原則が緩和ケア palliative care 緩和ケア(palliative care) palliative care(緩和ケア) での積極的な症状緩和を正当化 justification (radiological protection principle) 正当化(justification (radiological protection principle)) justification (radiological protection principle)(正当化) し、無益な治療は患者の権利ではなく、死そのものにも循環・呼吸基準と全脳基準という2つの法的定義がある。
安楽死をめぐる議論が先鋭化した背景
安楽死euthanasia 安楽死(euthanasia)euthanasia(安楽死) が現代的な倫理問題として浮上した背景には、次のような要因がある。
- 現代医学の急速な技術発展(できることは、すべて行わなければならないのか)。
- 「どんな代償を払ってでも生命を延ばす」という現代の医療の気風。
- ゆっくりと進む死のプロセス process プロセス(process) process(プロセス) への現代人の恐れ。
生命の神聖さ対生命の質
終末期医療の背景には、2つの対立 opposition 対立(opposition) opposition(対立) する考え方がある。
- 生命の神聖さ(sanctity of life):ユダヤ・キリスト教の伝統に由来し、生命のあらゆる瞬間が無限の価値を持つとする考え方。
- 生命の質 quality of life質(quality of life) quality of life(質):ストア派に起源を持ち、生命の価値はその質によって左右されるとする考え方。
安楽死の定義と類型
世界医師 medical doctor 医師(medical doctor) medical doctor(医師) 会は、安楽死euthanasia 安楽死(euthanasia)euthanasia(安楽死) と医師 medical doctor 医師(medical doctor) medical doctor(医師) による自殺幇助を次のように定義し、いずれにも反対する立場を取っている。1
- 安楽死euthanasia安楽死(euthanasia)euthanasia(安楽死):判断能力 decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity) decision-making capacity(判断能力) のある患者本人の自発的な求めに応じて、医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) が致死薬を投与する、またはそれに相当する処置を意図的 intentional 意図的(intentional) intentional(意図的) に行い、死をもたらすこと。
- 医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) による自殺幇助:判断能力 decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity) decision-making capacity(判断能力) のある患者本人の自発的な求めに応じて、医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) が致死薬を処方・提供し、患者本人がそれを用いて自らの生命を終えられるようにすること。
安楽死euthanasia 安楽死(euthanasia)euthanasia(安楽死) は、次の2つの軸で分類されるのが一般的である。
| 分類軸 | 型 | 内容 |
|---|---|---|
| 同意による分類 | 自発的voluntary自発的(voluntary)voluntary(自発的) | 患者本人の求めによる |
| 非自発的non-voluntary非自発的(non-voluntary)non-voluntary(非自発的) | 患者が意思を表明できない(意識不明、判断能力decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity)decision-making capacity(判断能力) がないなど) | |
| 反自発的involuntary反自発的(involuntary)involuntary(反自発的) | 患者の意思に反する | |
| 実行方法による分類 | 積極的active積極的(active)active(積極的) | 死をもたらす行為を意図的 intentional 意図的(intentional) intentional(意図的) に行う |
| 消極的passive消極的(passive)passive(消極的) | 治療を差し控え・中止し、死ぬにまかせる |
積極的安楽死と消極的安楽死に道徳的な違いはあるか——Rachelsの議論
哲学者James Rachelsは、1975年の論文で、当時の米国医師 medical doctor 医師(medical doctor) medical doctor(医師) 会の方針(積極的安楽死 euthanasia 安楽死(euthanasia) euthanasia(安楽死) は常に許されないが、消極的安楽死 euthanasia 安楽死(euthanasia) euthanasia(安楽死) は許されうるとする立場)を批判した。2
Rachelsは、有名な思考実験を用いる。スミスとジョーンズは、それぞれ6歳のいとこが死ねば多額の遺産を得られる立場にある。スミスは入浴中のいとこをおぼれさせて殺す。ジョーンズも同じことをしようと浴室に忍び込むが、いとこが自分で足を滑らせておぼれかけているのを目にする。ジョーンズは喜び、必要ならもう一度沈めるつもりで待ち構えるが、その必要はなく、いとこは「事故で」おぼれ死ぬ。ジョーンズは何もしなかっただけだ、殺したのではなく死ぬにまかせただけだと弁明するが、Rachelsはこれを「道徳的推論の grotesque な歪曲」であり、弁明にすらならないとする。彼の結論 conclusion 結論(conclusion) conclusion(結論) は、殺すことと死ぬにまかせることの間の単なる違いそれ自体は、道徳的な違いを生まないというものである。
💡 Rachelsの議論は、功利主義における「消極的責任negative responsibility消極的責任(negative responsibility)negative responsibility(消極的責任)」——防げたはずの結果について、行動しなかった者も行動した者と同じ責任を負うという考え方——と関わりが深い議論として理解されることが多い。
もっとも、この議論には哲学的な反論がある。3
- Scott Hillの反論:スミスとジョーンズの状況は対等ではない。ジョーンズには「殺す」か「死ぬにまかせる」かの選択肢があったが、スミスには最初から「死ぬにまかせる」という選択肢自体がなかった。
- Frances Kammの反論:仮に子どもを生き返らせるために本人を殺すことが許されるかを基準にすると、スミスを殺すことは許されてもジョーンズを殺すことは許されないという非対称性が生じ、両者は道徳的に同等ではないことを示唆する。
- Shelly Kaganの反論:個別の事例において両者が道徳的に同等だとしても、そこから「殺すこと一般」と「死ぬにまかせること一般」が道徳的に同等だと一般化してよいかは、別の問題である。
積極的・消極的安楽死の区別を支持する論拠
Rachelsの議論に対し、区別を維持すべきだとする立場からは、次のような論拠が挙げられる。
- 診断・予後の不確実性による違い:治療を差し控える判断は誤診 misdiagnosis誤診(misdiagnosis) misdiagnosis(誤診)・予後誤認があっても致命的な結果を急がせない一方、積極的な致死行為は取り返しがつかない。
- 長期的な社会的 social 社会的(social) social(社会的) 帰結の違い:積極的安楽死 euthanasia 安楽死(euthanasia) euthanasia(安楽死) を許容する制度が広く定着した場合と、消極的な対応にとどめる制度とでは、社会全体への長期的な影響が異なりうる。
- 患者の自律に基づく論拠:治療を拒否する権利と、致死薬の投与を求める権利は、自律の観点から見ても同じ強さの主張ではないという見方がある。
⚠️ この論点について、①積極的安楽死 euthanasia 安楽死(euthanasia) euthanasia(安楽死) と消極的安楽死 euthanasia 安楽死(euthanasia) euthanasia(安楽死) には違いがある、②特殊な状況では積極的安楽死 euthanasia 安楽死(euthanasia) euthanasia(安楽死) が正当化 justification (radiological protection principle) 正当化(justification (radiological protection principle)) justification (radiological protection principle)(正当化) されうる、③しかし法律は例外的な事例を基準に作るべきではない(それは悪法につながる)、という組み合わせの立場が取られることがある。これは決着済みの結論 conclusion 結論(conclusion) conclusion(結論) ではなく、論争が続く一つの立場として理解しておく必要がある。
消極的安楽死の正しい呼び方
「消極的安楽死 euthanasia安楽死(euthanasia) euthanasia(安楽死)」という語は誤解を招きやすく、より正確には「延命処置の差し控え・中止(withholding or withdrawing life-sustaining treatment)」と呼ぶべきである。こうした判断は、末期疾患の患者でしばしば必要になる。その段階では、通常の医療上の優先順位が変化し、生命を延ばすことよりも痛み・苦痛を和らげることの方が重要になる。
治療拒否——判断能力のある患者
判断能力decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity)decision-making capacity(判断能力) のある患者は、いかなる医療処置も拒否できる。米国連邦最高裁判所は、判断能力decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity)decision-making capacity(判断能力) のある人が不要な医療処置を拒否する憲法上保護された自由権益を持つと述べ、人工的な水分・栄養補給についても、人工呼吸器ventilators 人工呼吸器(ventilators)ventilators(人工呼吸器) と同様、他の医療処置と同じ扱いを受けるとした。4
判断能力decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity)decision-making capacity(判断能力) のある患者は、末期の段階で苦しみ続ける必要はない。この原則が特に先鋭化 sharpening 鋭化(sharpening) sharpening(鋭化) する場面が、エホバの証人の患者による輸血拒否である。1972年、コロンビア特別区の控訴裁判所は、生命の危険がある状況でも、判断能力decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity)decision-making capacity(判断能力) のある成人が輸血を拒否する権利を認めた。この患者は法廷で「これは私とエホバの間の問題であり、裁判所の問題ではない……私はリスクを引き受ける」と述べたとされる。5
治療拒否——判断能力を欠く患者
患者本人に判断能力 decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity) decision-making capacity(判断能力) がない場合、誰が本人に代わって決定すべきかが問題になる。考えられる選択肢とその問題点 Difficulties 問題点(Difficulties) Difficulties(問題点) は次のとおりである。
| 選択肢 | 問題点Difficulties問題点(Difficulties)Difficulties(問題点) |
|---|---|
| 医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) が決定する(パターナリズム) | 本人の価値観ではなく、医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) の価値観に基づく判断になりかねない |
| 病院の倫理委員会が決定する | 本人をよく知らない第三者による判断になる |
| 家族が決定する | 家族の利害と本人の利益が一致するとは限らず、家族間で意見が割れることもある |
行為能力・意思決定能力decision-making capacity 意思決定能力(decision-making capacity)decision-making capacity(意思決定能力) の基本的な枠組みで見たとおり、この場面では事前指示書・医療判断代理人・代行決定者の順で対応するのが原則である。
治療の差し控えと中止に倫理的な違いはあるか——Appleton合意
治療を最初から始めないこと(差し控え)と、始めた治療を後で中止すること(中止)の間に、倫理的・法的な違いはあるのだろうか。この問いは、1988年5月に米国ウィスコンシン州アップルトンのLawrence大学で開かれた国際会議——10か国から33名の医師 medical doctor医師(medical doctor) medical doctor(医師)・生命倫理学者・医療経済学者が集まり、延命治療の差し控え・中止についての国際的な指針をまとめた——の成果である「アップルトン合意Appleton Consensusアップルトン合意(Appleton Consensus)Appleton Consensus(アップルトン合意)」で取り上げられた。6
現在のAMA医療倫理綱領は、この問いに明確に答えている。
「治療を最初から始めないことと、後で中止することの間には、感情的な違いはあるかもしれないが、倫理的な違いはない。」(AMA Opinion 5.3、日本語Japanese 日本語(Japanese)Japanese(日本語) 訳)7
💡 差し控えと中止を区別してしまうと、実務上おかしなことが起こる。一度始めた治療をやめられないとすれば、医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) も患者も「効果があるか試してみる」という選択自体を避けるようになり、かえって患者の利益を損なう。
事前指示——医療判断代理人とリビングウィルの復習と代行判断基準
事前指示書には、大きく分けて医療判断代理人(health care proxy、医療に関する委任状)とリビングウィル living will リビングウィル(living will) living will(リビングウィル) の2つの形式がある。基本的な定義は行為能力と意思決定能力 decision-making capacity 意思決定能力(decision-making capacity) decision-making capacity(意思決定能力) のトピックで扱った。
医療判断代理人がどのように判断すべきかについては、優先順位のある基準が示されている。8
- 本人が事前に表明した意思(事前指示書やカルテに記録されたもの)を最優先する。
- それが無ければ、代行判断substituted judgment代行判断(substituted judgment)substituted judgment(代行判断)——本人の人生観、病気・苦痛・特定の医療処置に対する本人の考え方に基づいて、本人ならどう判断したかを推定する。
- 本人の意思が分からず、推定もできない場合に限り、最善の利益基準 best interest standard利益基準(best interest standard) best interest standard(利益基準)——処置に伴う苦痛や、本人にとっての生活の質を考慮して判断する。
💡 医療判断代理人は「メッセンジャー」にも「ウェイター」にもたとえられる。メッセンジャーとは、本人が既に明確に表明している意思をそのまま伝え、実行する役割を指す(代行判断の第1段階)。ウェイターとは、常連客の好みを知る給仕が、その客がまだ食べたことのない新しい料理についても好みを推測して勧めるように、本人が明示的に答えを残さなかった状況についても、知っている価値観から推測して判断する役割を指す(代行判断の第2段階)。この対比は理解を助けるための比喩であり、代行判断基準そのものに含まれる区別ではない。
代理決定者がいない場合の順位
事前指示書がなく、本人が意識不明などで意思決定能力 decision-making capacity 意思決定能力(decision-making capacity) decision-making capacity(意思決定能力) を欠く場合、代行決定者は一般に配偶者・パートナー、成人の子、親、きょうだいの順で選ばれ、州によってはさらに親しい友人が加わる。
⚠️ この順位は各州の制定法によるもので、全米共通の順位があるわけではない。50州とコロンビア特別区の制定法を比較した調査では、優先順位surrogacy ladder 優先順位(surrogacy ladder)surrogacy ladder(優先順位) を法定しているのは35州にとどまり、同順位の候補者が対立 opposition 対立(opposition) opposition(対立) した場合の解決方法まで定めている州は22州(うち14州は多数決、7州は全員一致を要求)であった。9 したがって上の順序は典型例であって、具体的な事案では当該法域の法律を確認する必要がある。
家族の中で意見が割れた場合は、病院の倫理委員会での調整や、裁判所への申立てが選択肢になる。これが深刻化した実例が、後述するテリー・シャイボ事件である。
リビングウィルの難しさ
リビングウィルを役立つ形で書くのは難しい。将来どのような病状に陥るかを事前に正確に予測することはできないためである。医療判断代理人がリビングウィルより有利な点は、実際にその場に立ち会い、担当医から具体的な状況の説明を受けた上で、本人の価値観に沿って個別に判断できることにある。
意思決定能力もなく事前指示もない場合——テリー・シャイボ事件
事前指示書も明確な代理人の指定もないまま本人が判断能力 decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity) decision-making capacity(判断能力) を失った場合の困難さを象徴するのが、テリー・シャイボ事件である。1990年、テリー・シャイボは心停止により遷延性植物状態 persistent vegetative state 遷延性植物状態(persistent vegetative state) persistent vegetative state(遷延性植物状態) に陥った。夫であり後見人であったマイケル・シャイボは経管栄養 tube feeding (enteral feeding) 経管栄養(tube feeding (enteral feeding)) tube feeding (enteral feeding)(経管栄養) の中止を求めたが、彼女の両親はこれに反対した。訴訟はフロリダ州裁判所で「明確かつ説得力のある証拠」基準のもとに長期間争われ、州議会・連邦議会も介入する事態になった。経管栄養tube feeding (enteral feeding) 経管栄養(tube feeding (enteral feeding))tube feeding (enteral feeding)(経管栄養) は2005年3月に最終的に中止され、彼女は同月末に死亡した。10
DNR(心肺蘇生拒否)指示
DNR(Do Not Resuscitate)、より正確にはDNAR(Do Not Attempt Resuscitation)指示は、心肺停止cardiopulmonary arrest 心肺停止(cardiopulmonary arrest)cardiopulmonary arrest(心肺停止) 時に蘇生を試みないことを事前に定めておく指示である。カルテにDNAR指示が記録されていない場合、心肺停止cardiopulmonary arrest 心肺停止(cardiopulmonary arrest)cardiopulmonary arrest(心肺停止) が起きれば、医学的に適切な限り蘇生が試みられるのが既定である——つまり、蘇生への同意が推定されており、それを覆すには明確な指示が必要になる。11
有効なDNAR指示には、本人(または代理人)との話し合い、事前指示の確認、DNARが蘇生処置以外の治療には影響しないことの明確化、状況が変わった際の見直しが求められる。
人工的な水分・栄養補給
判断能力decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity)decision-making capacity(判断能力) のある成人は、人工的な水分・栄養補給を含め、いかなる医療処置も拒否できる。4 判断能力decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity)decision-making capacity(判断能力) を失った患者についても、他の生命維持治療 maintenance therapy 維持治療(maintenance therapy) maintenance therapy(維持治療) と同じ枠組み——事前の意思表示、代行判断、最善の利益基準——のもとで、人工的な水分・栄養補給を差し控え・中止することができる。
医師による自殺幇助と安楽死
医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) による自殺幇助(PAS)と安楽死 euthanasia 安楽死(euthanasia) euthanasia(安楽死) は、しばしば混同されるが、AMAの倫理綱領は両者を明確に区別する。12 13
| 医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) による自殺幇助(PAS) | 安楽死euthanasia安楽死(euthanasia)euthanasia(安楽死) | |
|---|---|---|
| 定義 | 医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) が、患者が自ら生命を終えるための手段・情報を提供する | 医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) (または他者)が、患者に致死薬を投与する |
| 致死行為を行う主体 | 患者本人 | 医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) (または他者) |
AMAは、医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) による自殺幇助を「医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) の治癒者としての役割と根本的に相容れない」ものとして反対の立場を取っている。もっとも2019年6月、AMAは綱領本文を改めないまま、良心の行使に関するOpinion 1.1.7に沿って熟慮のうえ判断し、合法な法域で医師 medical doctor 医師(medical doctor) medical doctor(医師) による自殺幇助に関与する個々の医師 medical doctor 医師(medical doctor) medical doctor(医師) は綱領に違反したことにはならないという立場を採った。14 つまり綱領は、反対する医師 medical doctor 医師(medical doctor) medical doctor(医師) と関与する医師 medical doctor 医師(medical doctor) medical doctor(医師) の双方を同時に支えるものとして運用されている。
⚠️ この立場は法域によって異なる。米国オレゴン州は1997年、末期疾患の患者が医師 medical doctor 医師(medical doctor) medical doctor(医師) の処方した薬を自ら服用して生命を終える手続を認める「尊厳死法」を施行し、米国で最初にこれを合法化した州になった。15
終末期の鎮静と「二重結果の原則」
致死薬を投与することと、結果的に生命を縮める可能性がある鎮痛薬 analgesic 鎮痛薬(analgesic) analgesic(鎮痛薬) を投与することの間には、道徳的な違いがあるのだろうか。
難治性の苦痛や耐えがたい症状に対して、他の緩和手段が効かない場合、最終手段として意識レベル level of consciousness 意識レベル(level of consciousness) level of consciousness(意識レベル) を下げる鎮静を行うことは適切な場合がある。ただし、この鎮静は患者の死を意図的 intentional 意図的(intentional) intentional(意図的) に引き起こすために用いてはならない。16
この区別を支えるのが、伝統的Traditional 伝統的(Traditional)Traditional(伝統的) な「二重結果の原則 doctrine of double effect原則(doctrine of double effect) doctrine of double effect(原則)」である。この原則によれば、ある行為が善い効果と悪い効果の両方をもたらす場合、次の4条件をすべて満たせば、その行為は許容されうる。17
- 行為そのものが、それ自体として悪ではない(少なくとも道徳的に中立である)。
- 善い効果のみを意図しており、悪い効果を意図していない。
- 悪い効果が、善い効果を生み出すための手段になっていない。
- 悪い効果を許容するだけの、釣り合いの取れた重大な理由がある。
💡 致死量lethal dose 致死量(lethal dose)lethal dose(致死量) を意図した薬剤の投与では、死そのものが目的(またはそこへ至る手段)になる。一方、苦痛緩和を目的とした鎮痛薬 analgesic 鎮痛薬(analgesic) analgesic(鎮痛薬) の投与では、意図されているのは苦痛の緩和であり、死は——たとえ予見されていても——意図された効果ではない。この「意図」の違いが、両者を道徳的に区別する根拠とされる。
無益な治療
「無益」を単一の基準で定義することはできない。何が無益かは、個々の患者の価値観・目標や、具体的な臨床状況 clinical setting 臨床状況(clinical setting) clinical setting(臨床状況) によって変わる。18
患者や家族が求めても、医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) の最善の医学的判断で意図した臨床的利益や合意した目標を達成できないと考えられる処置を、医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) が提供する義務はない。自律の尊重は、患者(や代理人)が求めさえすれば特定の処置を受けられることを意味しない。
意見が対立 opposition 対立(opposition) opposition(対立) した場合の対応手順は、次のとおりである。
- 治療の目標について話し合い、誤解を解消する。
- 症状管理は続けることを保証する。
- 双方が合意できるケアプランを模索する。
- それでも解決しなければ、倫理委員会など院内の資源に支援を求める。
- 別の医師 medical doctor医師(medical doctor) medical doctor(医師)・施設への転院を試みる。転院が不可能な場合、医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) にはその処置を提供し続ける倫理上の義務はない。
死の判定と脳死
死には、法的に認められた2つの判定方法がある。19
「循環・呼吸機能の不可逆的停止、または脳幹を含む全脳のすべての機能の不可逆的停止のいずれかが生じた個人は、死亡している。死の判定は、確立された医学的基準に従って行わなければならない。」(Uniform Determination of Death Act、日本語Japanese 日本語(Japanese)Japanese(日本語) 訳)
つまり、心臓が動き続けていても、全脳基準を満たせば患者は死亡していると判定できる。
flowchart TD
A["昏睡の原因が既知で、<br>不可逆的だと確認する"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='confounding factor'>交絡因子</span>を除外する<br>(低体温、薬物、代謝・内分泌異常、<br>高度な低血圧など)"]
B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='brainstem reflexes'>脳幹反射</span>の消失を確認する"]
C --> D["無呼吸テストを行う<br>(十分な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='carbon dioxide, CO₂'>二酸化炭素</span>刺激があっても<br>自発呼吸が生じないことを確認)"]
D --> E{"臨床診察・無呼吸テストを<br>完全に行えたか"}
E -->|"はい"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='brain death'>脳死</span>と判定できる<br>(補助検査は不要)"]
E -->|"いいえ(実施できない事情がある)"| G["EEGや<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cerebral blood flow, CBF'>脳血流</span>検査などの<br>補助検査を行う"]
脳死brain death 脳死(brain death)brain death(脳死) 判定の臨床的な基準は次のとおりである。
- 原因が既知で不可逆的な昏睡状態にあること。
- 脳幹反射brainstem reflexes 脳幹反射(brainstem reflexes)brainstem reflexes(脳幹反射) がすべて消失していること。
- 無呼吸テストにより、十分な二酸化炭素 carbon dioxide, CO₂ 二酸化炭素(carbon dioxide, CO₂) carbon dioxide, CO₂(二酸化炭素) 刺激があっても自発呼吸が生じないことを確認すること。
⚠️ 参照すべきガイドラインの版に注意する。 この骨格は2010年のAAN成人ガイドラインで示されたものだが、20 現行版は2023年の合同ガイドライン(AAN・米国小児科学会American Academy of Pediatrics米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)American Academy of Pediatrics(米国小児科学会)・小児神経学会・集中治療intensive care 集中治療(intensive care)intensive care(集中治療) 医学会)であり、2010年の成人版と2011年の小児版の両方を置き換えている。21 現行版で押さえるべき点は次のとおりである。
- 診察の回数:成人では最低1回の診察でよい(別の医師 medical doctor 医師(medical doctor) medical doctor(医師) が独立して2回目を行うことは可能)。小児では2名の医師 medical doctor 医師(medical doctor) medical doctor(医師) がそれぞれ独立して診察し、2回の間に最低12時間の間隔を置く。
- 補助検査の位置づけ:EEGや脳血流 cerebral blood flow, CBF 脳血流(cerebral blood flow, CBF) cerebral blood flow, CBF(脳血流) 検査などの補助検査は、診察項目のいずれかを安全に評価できない場合に行う。臨床診察と無呼吸テストを完全に実施できるのであれば、補助検査は必須ではない。小児で、診察間隔を短縮する目的に補助検査を用いることは推奨されていない。
- 判定者の資格:判定は脳死 brain death 脳死(brain death) brain death(脳死) 判定に習熟し適切に訓練を受けた医師 medical doctor 医師(medical doctor) medical doctor(医師) が行うものとされ、神経内科医に限定されない(集中治療intensive care 集中治療(intensive care)intensive care(集中治療) 医などが担うことが明示されている)。
臓器提供のタイミングについては、臓器の摘出そのものが提供者の死を引き起こしてはならないという「デッドドナー・ルール」が原則になる。脳死brain death 脳死(brain death)brain death(脳死) 後提供(DBD)では、脳死brain death 脳死(brain death)brain death(脳死) の判定をもって法的に死亡しているため、心臓が停止するのを待つ必要はない。一方、循環死後 post-mortem 死後(post-mortem) post-mortem(死後) 提供(DCD)——生命維持を中止した後の心停止を待って行う提供——では、心停止後post-cardiac arrest 心停止後(post-cardiac arrest)post-cardiac arrest(心停止後) に自己心拍が再開する可能性(オートレサシテーション)を排除するため、循環停止後に一定の観察時間を置く。米国移植外科学会は5分間の観察時間を推奨している。22
まとめ
- 積極的安楽死 euthanasia 安楽死(euthanasia) euthanasia(安楽死) と消極的安楽死 euthanasia 安楽死(euthanasia) euthanasia(安楽死) に道徳的な違いがあるかは、Rachelsの議論以降も決着していない哲学的な論争である。実務上は、治療の「差し控え」と「中止」に倫理的な違いはないという立場が定着している。
- 判断能力decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity)decision-making capacity(判断能力) のある患者は、いかなる治療も拒否できる。判断能力decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity)decision-making capacity(判断能力) を欠く患者については、事前の意思表示→代行判断→最善の利益基準という順序で代理決定を行う。
- 事前指示書がなく判断能力 decision-making capacity 判断能力(decision-making capacity) decision-making capacity(判断能力) もない場合は、配偶者・成人の子・親・きょうだいという順の代行決定者、それでも解決しなければ倫理委員会・裁判所という段階を踏む(テリー・シャイボ事件はその困難さを象徴する)。
- DNAR指示がなければ蘇生が既定であり、無効化するには明確な指示が必要になる。
- 医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) による自殺幇助(患者が自ら致死薬を服用)と安楽死 euthanasia 安楽死(euthanasia) euthanasia(安楽死) (医師medical doctor 医師(medical doctor)medical doctor(医師) が致死薬を投与)は、致死行為を行う主体によって区別される。合法性は法域によって異なる。
- 終末期の鎮静は、意図的intentional 意図的(intentional)intentional(意図的) に死をもたらすためでなければ、二重結果の原則のもとで許容されうる。無益と判断される治療は、患者・家族が求めても医師 medical doctor 医師(medical doctor) medical doctor(医師) に提供義務はない。
- 死には循環・呼吸基準と全脳基準という2つの法的定義があり、脳死brain death 脳死(brain death)brain death(脳死) は原因既知の昏睡・脳幹反射brainstem reflexes 脳幹反射(brainstem reflexes)brainstem reflexes(脳幹反射) 消失・無呼吸テストという臨床所見 clinical signs 臨床所見(clinical signs) clinical signs(臨床所見) で判定できる。判定の手順は2023年の合同ガイドラインが現行版であり(2010年AAN成人版・2011年小児版を置き換えた)、成人は最低1回・小児は12時間以上あけて2回の診察を要し、補助検査は診察項目を安全に評価できない場合に用いる。
出典
- 1.WMA Declaration on Euthanasia and Physician-Assisted Suicide(World Medical Association・2019)安楽死・医師による自殺幇助の定義(安楽死=医師が致死薬を投与・処置を行うこと、幇助自殺=医師は手段を提供し本人が自ら行うこと)と、世界医師会がいずれにも反対する立場閲覧 2026-08-16
- 2.Active and Passive Euthanasia(New England Journal of Medicine・1975)「殺すこと」と「死ぬにまかせること」自体には道徳的な違いがないとする議論と、その根拠となるスミスとジョーンズの思考実験閲覧 2026-08-16
- 3.Doing vs. Allowing Harm(Stanford Encyclopedia of Philosophy・2025)Rachelsのスミス=ジョーンズ論法に対する哲学的な反論(Scott Hillの選択肢の非対称性、Frances Kamm、Shelly Kaganの一般化への疑問)閲覧 2026-08-16
- 4.Cruzan v. Director, Missouri Department of Health, 497 U.S. 261 (1990)(米国連邦最高裁判所・1990)判断能力のある人が不要な医療処置を拒否する憲法上保護された自由権益を持つこと、判断能力のない患者について州が「明確かつ説得力のある証拠」基準を課すことは合憲であること、人工的な水分・栄養補給が他の医療処置と同様に扱われること閲覧 2026-08-16
- 5.In re Osborne, 294 A.2d 372 (D.C. 1972)(コロンビア特別区控訴裁判所・1972)判断能力のあるエホバの証人の成人患者が、生命の危険がある状況でも輸血を拒否する権利を裁判所が認めたこと閲覧 2026-08-16
- 6.The Appleton Consensus: suggested international guidelines for decisions to forego medical treatment(Journal of Medical Ethics・1989)1988年5月に米国ウィスコンシン州アップルトンのLawrence大学で開かれた国際会議(10か国33名の医師・生命倫理学者・医療経済学者)が、延命治療の差し控え・中止についての国際的な指針をまとめたこと閲覧 2026-08-17
- 7.AMA Code of Medical Ethics, Opinion 5.3 — Withholding or Withdrawing Life-Sustaining Treatment(American Medical Association・2022)治療を差し控えることと、開始した治療を中止することとの間に倫理的な違いはないこと(心理的な違いはありうるが、それは倫理上の違いではない)閲覧 2026-08-16
- 8.AMA Code of Medical Ethics, Opinion 2.1.2 — Decisions for Adult Patients Who Lack Capacity(American Medical Association・2022)代理決定の優先順位(本人が事前に表明した意思→代行判断=本人ならどう考えたか→本人の意思が分からない場合に限り最善の利益基準)閲覧 2026-08-16
- 9.Who Decides When a Patient Can't? Statutes on Alternate Decision Makers(New England Journal of Medicine・2017)米国50州とコロンビア特別区のうち代行決定者の優先順位(surrogacy ladder)を法定しているのは35州にとどまり、順位も同順位者の対立の解決方法も州ごとに異なること閲覧 2026-08-17
- 10.In re: Guardianship of Theresa Marie Schiavo, No. 2D05-968 (Fla. 2d DCA 2005)(フロリダ州第二地区控訴裁判所・2005)テリー・シャイボ事件の訴訟経緯——夫(後見人)が経管栄養の中止を求め、両親が反対し、州裁判所が「明確かつ説得力のある証拠」基準のもとで審理を重ねたこと閲覧 2026-08-16
- 11.AMA Code of Medical Ethics, Opinion 5.4 — Orders Not to Attempt Resuscitation (DNAR)(American Medical Association・2022)DNAR指示がカルテに記録されていない場合、心肺停止時には(医学的に適切であれば)蘇生を試みることが既定であること閲覧 2026-08-16
- 12.AMA Code of Medical Ethics, Opinion 5.7 — Physician-Assisted Suicide(American Medical Association・2022)医師による自殺幇助の定義(患者が自ら生命を終わらせる手段・情報を医師が提供すること)と、AMAがこれを医師の治癒者としての役割と根本的に相容れないとする立場閲覧 2026-08-16
- 13.AMA Code of Medical Ethics, Opinion 5.8 — Euthanasia(American Medical Association・2022)安楽死の定義(本人以外の者が、耐えがたく治癒不能な苦痛を取り除く目的で致死薬を投与すること)——医師による自殺幇助との違いは、致死薬を投与する主体が患者本人か医師かという点にある閲覧 2026-08-16
- 14.CEJA Report 2-A-19: Physician-Assisted Suicide(American Medical Association, Council on Ethical and Judicial Affairs・2019)2019年6月、AMAは綱領を改めない(Opinion 5.7の反対の立場を維持する)一方、良心に従ってOpinion 1.1.7に沿って行動し、合法な法域で医師による自殺幇助に関与する個々の医師は綱領違反にはあたらないとしたこと閲覧 2026-08-17
- 15.Death with Dignity Act (Oregon Revised Statutes §§ 127.800–127.897)(Oregon Health Authority・1997)1997年、末期疾患の患者が医師の処方した薬を自ら服用して生命を終える手続を認める法律が米国オレゴン州で施行されたこと閲覧 2026-08-16
- 16.AMA Code of Medical Ethics, Opinion 5.6 — Sedation to Unconsciousness in End-of-Life Care(American Medical Association・2022)難治性の苦痛に対する最終手段としての鎮静は、意図的に患者の死を引き起こすために用いてはならないという区別閲覧 2026-08-16
- 17.Doctrine of Double Effect(Stanford Encyclopedia of Philosophy・2025)二重結果の原則の4条件(行為自体が悪でないこと、善い結果のみを意図すること、悪い結果が善い結果の手段でないこと、悪い結果を許容するだけの重大な理由があること)閲覧 2026-08-16
- 18.AMA Code of Medical Ethics, Opinion 5.5 — Medically Ineffective Interventions(American Medical Association・2022)「無益」の単一の定義は存在しないこと、患者・家族が求めても医師が無益と判断する処置の提供を義務づけられないこと、および意見対立時の対応手順閲覧 2026-08-16
- 19.Uniform Determination of Death Act(Uniform Law Commission(米国医師会1980年10月19日、米国法曹協会1981年2月10日承認)・1981)死の法的な2つの定義(循環・呼吸機能の不可逆的停止、または脳幹を含む全脳機能の不可逆的停止)閲覧 2026-08-16
- 20.Evidence-based guideline update: determining brain death in adults(Neurology(American Academy of Neurology)・2010)2023年合同ガイドラインに置き換えられた旧版の成人脳死判定ガイドラインであり、3つの基本所見(原因既知の昏睡、脳幹反射の消失、無呼吸テストによる呼吸中枢機能の消失)という骨格を示していたこと閲覧 2026-08-16
- 21.Pediatric and Adult Brain Death/Death by Neurologic Criteria Consensus Guideline(Neurology(American Academy of Neurology/American Academy of Pediatrics/Child Neurology Society/Society of Critical Care Medicine 合同)・2023)2010年のAAN成人脳死判定ガイドラインと2011年の小児ガイドラインを置き換える現行の合同ガイドラインであること、前提条件と交絡因子の除外、脳幹反射と無呼吸テスト、診察の一部を安全に評価できない場合に補助検査を行うこと、成人は最低1回・小児は12時間以上あけて2回の診察を要すること、判定は適切な訓練を受けた医師が行い神経内科医に限定されないこと閲覧 2026-08-17
- 22.ASTS Position Statement on a 5-Minute Observation Period(American Society of Transplant Surgeons・2024)循環死後臓器提供(DCD)で自己心拍再開(オートレサシテーション)が起こらないことを確認するため、循環停止後5分間の観察時間を置くことを推奨していること閲覧 2026-08-17