Biophysics

Biophysics · 24.02

生体力学II:フックの法則とヤング率(Young's modulus)

Biomechanics II — Hooke’s law, Young’s modulus

🧠 は線形弾性域での比例関係を表し、はその比例の強さ、すなわち材料のを表す。

線形弾性とヤング率

応力–線図の初期直線部では、応力σσ(strain)εε に比例する。

σ=Eε,E=σεσ=E\varepsilon,\qquad E=\frac{\sigma}{\varepsilon}

比例定数 EEで、単位は応力と同じ Pa である。EE が大きいほど、同じ応力に対するは小さい。ただし、この式が成り立つのは比例限界内の小変形に限られる。

材料特性と試料形状を分ける

一様な棒を軸方向へ伸ばす場合、力 FF と伸び xx の関係は F=kxF=kx と書ける。定数kk は試料全体の硬さであり、材料定数だけでなく断面積 AA と長さ LL に依存する。

k=EALk=\frac{EA}{L}
flowchart TD
  A["材料の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Young&#39;s modulus'>ヤング率</span> E"] --> B["断面積 A が大きいほど k 増加"]
  B --> C["長さ L が大きいほど k 減少"]
  C --> D["試料全体の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='spring'>ばね</span>定数 k"]

したがって、異なる寸法の試料を比較するときは kk ではなく EE を使う。逆に、骨や腱など器官全体の変形を考えるときは形状の寄与もできない。

生体材料への適用限界

軟組織や血管はかつ時間依存的であり、広い変形域を一つの EE で表せない。負荷速度に依存する応答はな動脈壁はで扱う。

💡 は「壊れにくさ」ではない。は弾性域の勾配、破壊強度は破断まで耐えられる応力である。

まとめ

  • 線形弾性域では σ=Eε\sigma=E\varepsilon が成り立つ。
  • EE は材料固有の定数 kk は材料と試料形状の両方を反映する。
  • 生体軟組織の・時間依存応答には、単一のモデルだけでは不十分である。