Biophysics

Biophysics · 26.03

ラーモア歳差運動と核磁気共鳴

Larmor precession and nuclear magnetic resonance

🧠 静磁場中の核は磁場軸の周りをし、その周波数に一致する磁場で核磁気共鳴を起こす。 NMRは「分裂―共鳴励起―緩和信号の検出」を一続きにした測定である。

ラーモア歳差運動

量をもつ核のを静磁場B0B_0へ置くと、磁場から受けるにより磁場軸の周囲をする。その

ω0=γB0,ΔE=ω0\omega_0=|\gamma|B_0,\qquad \Delta E=\hbar\omega_0

である。γ\gammaは核種固有の磁気回転比であり、ΔE\Delta E準位のエネルギー差を表す。よって磁場が強いほどと共鳴の周波数は高くなる。

高周波磁場による共鳴

では低エネルギー準位の核がわずかに多く、個々のを合成した磁化M0M_0B0B_0方向に生じる。これに垂直な磁場B1B_1ω0\omega_0で加えると、核がエネルギーを吸収して磁化が平衡方向から傾く。

flowchart TD
  A["静磁場 B0 で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Zeeman'>ゼーマン</span>分裂"] --> B["核磁化が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Larmor'>ラーモア</span>周波数で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='precession'>歳差運動</span>"]
  B --> C["同じ周波数の RF パルスを印加"]
  C --> D["共鳴吸収により磁化が傾く"]
  D --> E["RF 停止後に緩和し誘導信号を生む"]

信号の検出と次の物理量

を止めると、の回転が受信コイルに誘導起電力を生じ、として検出される。同時に、T1緩和で回復し、で位相を失う。

均一な物質なら共鳴周波数は主にγB0|\gamma|B_0で決まるが、電子による局所が加わるとわずかに変化する。この差を読むのがである。MRIではさらにを加え、周波数と位相へを埋め込む。

まとめ

  • は静磁場中でω0=γB0\omega_0=|\gamma|B_0をする。
  • 準位差に一致する周波数の磁場が核磁気共鳴を起こす。
  • 平衡磁化を傾けた後の誘導信号から、核の環境と緩和特性を測定できる。
  • NMRの周波数差、緩和、空間が、それぞれ分光とMRIの情報源になる。