Histology

Histology · 4.2

筋組織:心筋

Muscle tissue — Cardiac muscle

応用トピック
拡張型心筋症肥大型心筋症心筋症

🧠 心筋は「骨格筋の横紋」と「平滑筋の不随意性」のと覚える。 横紋(構造、04-1-skeletal-muscle)はもつが多核ではなく単核〜2核、随意ではなく不随意(自律神経支配)——さらに心筋だけがもつという細胞間結合構造が、をつなげて機能的合胞体として一体的に興奮を伝える鍵になる。

心筋細胞の基本構造

は骨格筋と同様に横紋をもつが、以下の点で骨格筋とは異なる。

骨格筋(04-1-skeletal-muscle 心筋
核の数 多核 単核〜2核(中心性)
細胞の形 、分枝なし しばしば分枝する
支配 随意( 不随意(自律神経が調節、固有のをもつ)
細胞間結合 なし(各線維は独立) で細胞同士が連結

介在板

同士はという特殊な細胞間結合部で端と端が接続され、機能的に1つの合胞体のように振る舞う。

flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intercalated discs'>介在板</span>"]
  A --> B["横成分:Z線の位置に対応<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='zonula adherens / belt desmosome'>接着帯</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='macula adherens / desmosome'>接着斑</span>(機械的結合)"]
  A --> C["縦成分:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gap junction'>ギャップ結合</span><br>電気的興奮の伝播"]
構成要素 位置 機能
の横方向の成分 の機械的な力を細胞間で伝達
の縦方向の成分 活動電位を隣接細胞へ電気的に伝播させる

により、心筋は1つの細胞の興奮が瞬時に隣接細胞へ伝わり、心房・心室全体がまとまって収縮する——これが心臓を「機能的合胞体」と呼ぶ理由。骨格筋のように神経ごとに個々の線維が独立して興奮するのとは対照的な仕組み。

心筋の特殊化:刺激伝導系

の一部は収縮機能よりも・興奮伝導に特化しており、などのを構成する(詳細は06-5-heart)。の細胞は通常のより大型でグリコーゲンに富み、収縮タンパクは少ない。

💡 が単核〜2核である一方、骨格筋が多核であるのは、発生の由来の違いを反映している——骨格筋は同士が融合して多核のになるのに対し、は融合せず、代わりにという結合構造で連結することで「多細胞が一体として働く」という骨格筋と同じ目的を別の方法で達成している。

まとめ

  • 心筋は横紋をもつが単核〜2核・分枝性・不随意という点で骨格筋と異なる。
  • は横方向の(機械的結合)と縦方向の(電気的伝播)からなる心筋特有の細胞間結合。
  • による興奮の伝播が心筋を機能的合胞体として一体的に収縮させる。
  • など)は収縮より・伝導に特化している。