Internal Medicine

Internal Medicine · S-03

心筋症

Cardiomyopathies

前提:病態
心筋炎・心筋症
前提:正常
筋組織:心筋心周期における圧と容積の変化・心音
疾患
拡張型心筋症拘束型心筋症心筋症肥大型心筋症頻脈誘発性心筋症
検査値
全体長軸方向ストレイン
画像所見
最大左室壁厚最大左室流出路圧較差心尖部瘤遅延造影

🧠 全体像:心筋症は心筋の構造・機能異常を示す表現型であり、形態だけでなく病因を探す。は収縮不全、は肥大と拡張障害、は硬い心室による充満障害、心室性不整脈原性心筋症は線維脂肪性置換と不整脈が中心となる。

表現型の比較

表現型 形態・機能 主症状 代表的原因
左室または両室拡大、収縮能低下、相対的MR/TR 左右心不全、AF、VT、塞栓 遺伝、心筋炎後、アルコール・薬剤、周産期、頻拍誘発性
他の負荷で説明できない、拡張障害、時に流出路狭窄 、胸痛、失神、突然死 遺伝子変異が多い
心室容量は正常〜小、拡張期充満障害、両房拡大 右心不全、低下 、鉄過剰など
主に右室または両室の線維脂肪性置換 PVC、VT、失神、突然死 関連遺伝子など

診断の組み立て

flowchart TD
    A["心不全・不整脈・失神・偶発画像異常"] --> B["家族歴・3世代<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pedigree'>家系図</span>・曝露・全身所見"]
    B --> C["ECG・心エコー・検査室評価"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cardiac MRI'>心臓MRI</span>で形態と組織性状"]
    D --> E["虚血・弁膜症・高血圧など負荷原因を評価"]
    E --> F["表現型+病因診断"]
    F --> G["遺伝相談・家族スクリーニング"]
    F --> H["心不全・不整脈・突然死予防"]

拡張型心筋症

収縮力低下からが増え、・リモデリングが進み、さらにを増やす。心エコーでEF、腔拡大、弁逆流を、(CMR)で線維化パターンや炎症を評価する。

治療

  • HFrEFにはARNI/ACE阻害薬/ARB、エビデンスのあるβ遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬のに応じ導入する。
  • うっ血には利尿薬を用いる。ジゴキシンは選択例であり基本4剤に代わらない。
  • 抗凝固はAF、、塞栓など適応がある場合に行い、DCM全例には投与しない。
  • 原因となるアルコール、頻拍、内分泌疾患、心毒性薬を是正する。
  • ICDは「EF<35%なら直ちに」ではなく、十分な至適治療後のEF、遺伝子・CMR線維化、不整脈、期待生存期間、患者選好を統合する。

肥大型心筋症

成人では通常、他の負荷条件で説明できない15 mm以上を診断の目安とし、家族歴や既知のがあれば13 mm以上でも支持される。心エコーで安静時・誘発時の左室流出路を評価し、CMRで病変とを確認する。

課題 管理
症候性閉塞 、または。難治例では
心房細動 /心拍数管理と抗凝固。臨床的AFまたは24時間を超える無症候性AFでは、にかかわらず全身抗凝固を行う
突然死予防 心停止歴、、失神、家族歴、、EF、CMR線維化などでICDをリスク評価
家族 遺伝、ECG・心エコーによる定期スクリーニング

は、責任中隔枝へエタノールを注入して限局梗塞を作り流出路を広げる。外科的中隔切除とともに経験豊富な施設で行う。

軽度〜中等度のレクリエーション運動は一般に推奨される。競技スポーツを一律禁止せず、病型、不整脈、流出路閉塞、本人の価値観を踏まえてする。

拘束型・不整脈原性心筋症

RCMではとの鑑別が重要で、ならAL型/ATTR型を分けて原因治療につなげる。利尿は有用だが、前負荷過度低下を避ける。

では高強度持久運動が進行・不整脈リスクを高めるため制限し、β遮断薬、、ICDを個別化する。

まとめ

  • 心筋症は表現型に加えて病因、遺伝、家族リスクを評価する。
  • DCMの心不全治療はHFrEFのが基本で、抗凝固やICDは適応を個別判断する。
  • HCMでは流出路閉塞症状とを別々に評価する。
  • RCMでは原因治療、では運動制限と突然死予防が重要である。