スコア体系ノート一覧へ

Scores · Published

CHA2DS2-VAScスコア

CHA2DS2-VASc score

臓器系
循環器
科目
CardiologyInternal Medicine
トピック
循環器内科 A-31:心房細動循環器内科 A-17:抗凝固療法と適応内科学 L-04:心房細動
適用疾患
心房細動心房粗動肥大型心筋症

🧠 全体像は、心房細動(AF)患者の脳卒中・のリスクを9因子・最大9点で層別化し、を始めるかどうかを判断するである。前身の(4因子・最大6点)に血管疾患・65〜74歳・女性の3項目を加えて精度を高めた。2024年ESC指針は性別項目を除いた(最大8点)を基本とするようになった一方、他の地域の指針は従来のを用いるため、採用する指針でどちらの点数系を使うか確認してから点数を読む

目的と適用場面

内容
目的 AFに伴う脳卒中・リスクの層別化と、の適応判断
対象 心房細動と診断された患者(が主な対象)
使う場面 診断確定時、および併存症・年齢が変化するたびの再評価
評価しないもの 出血リスク(別途などで評価)、AFそのものの診断・分類

構成要素と配点

頭文字 危険因子 点数
C 1
H 高血圧 1
A₂ 年齢75歳以上 2
D 糖尿病 1
S₂ 脳卒中・TIA・の既往 2
V 血管疾患(心筋梗塞、など) 1
A 年齢65〜74歳 1
Sc 性別:女性 1

⭐ 年齢の2項目(A₂とA)は重複加算しない。合計0〜9点。

解釈とカットオフ

💡 女性であることは単独の独立危険因子というより補正因子として扱う。性別1点だけを理由にを開始しない。

対応 男性 女性
通常は抗凝固を行わない 0点 1点(性別のみ)
出血リスク・患者希望を含め個別に検討 1点 2点
禁忌がなければ経口抗凝固を推奨 2点以上 3点以上

限界と使ってはいけない場面

⚠️ には使わない。 中等度〜重度のを伴うAFは、の点数にかかわらずワルファリンによるの適応となる。DOAC()はこれらの患者で有効性・安全性のエビデンスが確立していない。

⚠️ 出血リスクは評価しない。高スコアだけで抗凝固を中止したり、出血リスク評価を省略したりしない。

⚠️ 2024年ESC指針は性別項目を除いた(最大8点)を基本とする。地域・診療科によって採用する指針が異なるため、カルテ記載時にどちらの点数系を使ったか明確にする。

⚠️ AFと診断されていない患者(のみの心不全など)には適用しない。

まとめ

  • は心房細動の脳卒中・血栓塞栓リスクを9因子・最大9点で層別化し、の適応を判断する。
  • 年齢は75歳以上(2点)と65〜74歳(1点)を重複加算しない。
  • 男性2点以上、女性3点以上でを推奨する。性別1点のみでは開始しない。
  • (中等度〜重度)には使わない。点数にかかわらずが適応となる。
  • 出血リスクは別評価が必要で、2024年ESC指針以降は(性別除く)が併存することに注意する。