Histopathology

Histopathology · H1-031

左心室肥大

Hypertrophia ventriculi sinistri cordis

🧠 全体像は、またはに対する心筋の適応である。では壁厚が増す(concentric hypertrophy)、では内腔拡張を伴う(eccentric hypertrophy)が典型となる。

圧負荷と容量負荷

項目
主な負荷
代表的原因 高血圧、 大動脈弁逆流、
肉眼 左室壁肥厚、内腔狭小化 左室拡張、心重量増加、壁肥厚を伴うこともある
並列に増加 に増加
主な転帰 拡張障害、虚血、心不全 、心不全
flowchart TD
    A["持続する<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pressure overload'>圧負荷</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sarcomere'>サルコメア</span>が並列に増加"]
    B --> C["求心性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='left ventricular hypertrophy'>左室肥大</span>"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='wall stress'>壁応力</span>を一時的に低下"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oxygen demand'>酸素需要</span>増加・毛細血管密度の相対的低下"]
    E --> F["虚血・線維化・拡張障害"]

を自動的に増やすのではない。心筋量とが増える一方、毛細が追いつかず、相対的虚血を起こしやすい。

肉眼標本の読み方

求心性肥大を示す標本

  1. 左室壁が著しく厚く、が狭い。
  2. 右室腔と右室壁を識別し、左右を取り違えない。
  3. 高血圧やを考えるが、肉眼像だけで原因を断定しない。

右室壁も厚く見える場合は、左右の心室を別々に評価する。だけでとは断定できず、肺・肺血管疾患と肺高血圧の裏付けが必要である。両なら、左右に負荷を生じる病態も検討する。

拡張を伴う標本

  1. が拡大し、まで丸みを帯びる。
  2. 壁厚だけでなく心室半径と心重量を評価する。
  3. 、灰白色の心内膜、の瘢痕様陥凹があれば、弁膜症や慢性虚血を示唆する。ただし組織学的・臨床的確認が必要である。

肥大心の問題点

  • 増加と相対的血流不足
  • と心室
  • 拡張障害からへの進展
  • 不整脈、心不全のリスク上昇

まとめ

  • は負荷の種類に応じて求心性または性の形態をとる。
  • では壁厚、では内腔拡張に注目する。
  • 肥大は代償反応だが、虚血・線維化・心不全の基盤にもなる。
  • 肉眼標本から弁膜症や虚血を示唆できても、原因の確定には追加情報が必要である。