Histopathology

Histopathology · H1-067

高異型度扁平上皮内病変(CIN3)

HSIL – CIN3

描出疾患
子宮頸癌
スコア
子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)分類

🧠 全体像:CIN3は、異型様細胞が上皮全層をほぼ置換する扁平上皮内病変(high-grade squamous intraepithelial lesion:L)である。基底膜は保たれ、がない点が浸潤性との決定的な境界となる。

用語の対応

検査・分類 用語 意味
細胞診 L CIN2またはCIN3を疑う細胞診所見
二段階分類) 組織学的L CIN2・CIN3に概ね対応する
(CIN分類) CIN2 が上皮のおよそ下側3分の2まで及ぶ
(CIN分類) CIN3 からを含み、がほぼ全層を占める
浸潤癌 腫瘍細胞が基底膜を越えて間質へ侵入する

発生と形態

flowchart TD
    A["発癌性高リスクHPVの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='persistent infection'>持続感染</span>"] --> B["ウイルス蛋白E6・E7の持続発現"]
    B --> C["p53・RB経路の抑制"]
    C --> D["細胞周期制御の破綻"]
    D --> E["成熟障害と核異型"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Heaviness of Smoking Index'>HSI</span>L・CIN2"]
    F --> G["CIN3"]
    G --> H["基底膜を越えると浸潤癌"]

標本の読み方

所見 CIN3での特徴
正常上皮との境界 成熟する正常上皮から、異型を示す上皮へ急に移行する
細胞配列 極性を失い、様の小型細胞が全層を占める
腫大、、核形不整
分裂像 数が増え、にも出現し、異型分裂像を伴いうる
著しく低下または消失する
基底膜 を保つ
頸管腺 周囲に存在しうる。腺管内進展とを区別する

⚠️ CIN3の標本で「」を認めるなら、病変は純粋なCIN3ではない。基底膜を越えた不規則な細胞巣、単細胞浸潤、間質反応を確認し、微小浸潤癌または浸潤癌として評価する。

切除標本での確認点

  1. 病変が基底膜内にとどまるかを全周で確認する。
  2. 腺管内へ入り込むLを、と誤認しない。
  3. に病変が達しているかを記録する。
  4. 浸潤が疑われる部位では深さ、水平径、を評価する。

CIN3は未治療では浸潤癌へ進展しうるため、妊娠中などの例外を除き治療対象となる。一般に切除治療は、浸潤の除外と断端評価を同時に行える利点がある。

まとめ

  • CIN3はの成熟障害、強い核異型、の分裂像を示す。
  • 基底膜が保たれ、がないことが定義上重要である。
  • Lは細胞診との双方で用いられるため、検査種別を明記してCIN2・CIN3との対応を読む。
  • では浸潤、腺管内進展、を系統的に確認する。