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子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)分類

Cervical intraepithelial neoplasia grading

別名
CINCIN分類子宮頸部上皮内腫瘍
臓器系
腫瘍生殖・産婦人科
科目
PathologyHistopathology
トピック
病理学 B/19:前癌病変の特徴と形態組織病理 H1-066:HPV感染(コンジローマ・LSIL)組織病理 H1-067:高異型度扁平上皮内病変(CIN3)
適用疾患
子宮頸癌

🧠 全体像分類は、が上皮のどこまで置き換えているかでCIN1〜3の3段階に区切る組織学的なである。現行のでは、この3段階を細胞診Bethesdaシステムと同じLSIL/Lの2段階へ統合する(Lower Anogenital Squamous Terminology、2012年CAP/ASCCP)分類が標準であり、境界にあたるCIN2はL・LSILのどちらに扱うかを振り分ける。

目的と適用場面

内容
目的 子宮頸部扁平上皮の異形成を上皮内の広がりで段階付け、細胞診・管理方針と対応させる
対象 細胞診異常やが疑われる患者の生検・
使う場面 としての断、用語との対応づけ、経過観察・を検討する材料
評価しないもの 浸潤癌の有無そのもの(の判定は別途行う)、腺系病変(・腺癌)

構成要素と段階

が上皮の下1/3・下2/3・ほぼ全層のどこまで占めるかで3段階に分ける。CIN3はを含むが、基底膜を越えていない限り浸潤癌ではない。

段階 上皮内の広がり 細胞学的特徴 Bethesda/対応 の目安
CIN1 下1/3 )、軽度の核異型 LSIL が多い
CIN2 下2/3 ・中等度の異型 p16陽性ならL、陰性ならLSIL 退縮・進行のいずれも一定頻度で起こる
CIN3 ほぼ全層(を含む) の消失 L 未治療では浸潤癌へ進展するリスクが高い

解釈と対応

CIN1(LSIL)はそのものを反映する所見に近く、多くは免疫応答で自然に退縮するため、細胞診・HPV型・年齢を踏まえた経過観察が中心になる。CIN3(L)はを含み未治療での進行リスクが高いため、妊娠中などの例外を除き治療(など)の対象になる。CIN2はp16の結果と年齢によって経過観察・治療のいずれもありうる中間的な位置づけである。

💡 グレードだけで管理方針が一律に決まるわけではない。現行の2019年ASCCPリスクベース管理コンセンサスガイドラインは、単一の検査結果ではなく年齢・HPV型・細胞診・既往検査歴を組み合わせたに基づいて次の対応を決める考え方を採用しており、CIN分類は数ある入力情報の一つとして扱われる。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ CIN2は評価者間の再現性が低い。 中間的な所見をにCIN2と判定するばらつきが大きく、分類ではCIN2相当の所見をそのままLとはせず、が陽性ならL、陰性ならLSILとして扱う。ただしCIN1相当の形態をp16陽性だけでLへ格上げしてはいけない。

⚠️ 細胞診(Bethesda、LSIL/L)とは別の検体・別の段階の評価である。 細胞診はスクリーニングであり確定診断ではなく、異常があれば生検でを確定させる。両者を同じ検査だと混同しない。

⚠️ のBethesda(LSIL/L)と、を判定する(カテゴリーI〜VI)は名称が同じだけの別ツールである。子宮頸部領域で「ベセスダ」と言うときは本ノートのLSIL/Lの2段階分類を指し、甲状腺のカテゴリー分類とはである。

⚠️ CIN3は「」を含む語であるが、基底膜を破っていない限り浸潤癌ではない。CIN分類はあくまで上皮内にとどまる病変の段階付けであり、浸潤の有無の判定はこの分類の範囲外である。

⚠️ CIN分類(グレード)だけでが自動的に決まるわけではない。年齢、妊娠の希望、HPV型、細胞診・既往治療歴を統合したリスク評価(2019年ASCCPリスクベース管理コンセンサスガイドライン)と併せて判断する。

まとめ

  • CINはが上皮のどこまで置き換えるかでCIN1(下1/3)・CIN2(下2/3)・CIN3(ほぼ全層、を含む)の3段階に分ける組織学的なである。
  • 現行の分類はCIN1をLSIL、CIN3をLに対応させ、境界にあたるCIN2はの陽性・陰性でL/LSILに振り分ける。
  • CIN1はが多く、CIN3は未治療での浸潤癌への進行リスクが高いが、CIN2は退縮・進行のいずれもありうる中間的な段階である。
  • 管理方針はグレード単独ではなく、年齢・HPV型・細胞診・既往歴を統合したリスク推定(2019年ASCCPリスクベース管理コンセンサスガイドライン)に基づいて決める。