Histopathology

Histopathology · H2-021

ニューモシスチス肺炎(HE染色)

Pneumocystis pneumonia (HE) – LUNG

描出疾患
ニューモシスチス肺炎

🧠 全体像(Pneumocystis pneumonia:PCP)は、細胞性免疫が低下した患者に生じるびまん性肺感染症である。HE染色ではを満たす状好酸性滲出物が手がかりとなるが、菌体の確認にはGrocott染色、免疫染色、PCRなどを組み合わせる。

病原体と宿主

ヒトのPCPは真菌のPneumocystis jiroveciiが起こす。Pneumocystis cariniiは現在、主にに感染する別種名であり、ヒト感染の現行名の同義語として用いない。

主な背景 発症リスクにつながる要因
HIV感染 CD4陽性T細胞の減少
造血器腫瘍・ 疾患と治療による
固形臓器移植 免疫
副腎皮質ステロイド・ 用量、期間、併用薬に応じたリスク上昇
T細胞機能障害など

PCPはHIV感染者ではAIDS指標疾患であるが、HIV非感染者にも発症する。非HIV例では菌量が少なくても炎症が強く、急速に呼吸不全へ進むことがある。

HE染色の所見

所見 読み方
状好酸性肺胞内滲出物 PCPを示唆する中心的所見
肺胞隔壁の肥厚 間質性炎症や浮腫を反映
II型肺胞上皮の過形成 肺胞傷害への反応
細胞破片 肺胞傷害に伴う非特異的所見
肺胞出血や慢性うっ血なども考える非特異的所見
炭粉貪食マクロファージ 吸入炭素粒子による背景所見で、PCPの診断根拠ではない
flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='impaired cell-mediated immunity'>細胞性免疫低下</span>"] --> B["Pneumocystis jiroveciiが肺胞内で増殖"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='foam/froth'>泡沫</span>状蛋白性滲出物"]
    C --> D["ガス交換面を障害"]
    B --> E["肺胞隔壁の炎症・傷害"]
    E --> D
    D --> F["発熱・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dry cough'>乾性咳嗽</span>・進行性呼吸困難・低酸素血症"]

診断と対応

HE染色では菌体を確実に同定しにくい。などで、Grocott染色、・免疫染色、PCRを用いる。PCRは高感度だが保菌も検出しうるため、症状、画像、酸素化、などと統合する。

治療の第一選択はである。HIV関連の中等症から重症例では酸素化基準に基づき副腎皮質ステロイドを併用するが、すべての患者へ一律に投与しない。菌体形態はPCPのGrocott染色、病原体の全体像はPneumocystis jiroveciiを参照する。

まとめ

  • PCPのHE像は状好酸性肺胞内滲出物が中心である。
  • 炭粉貪食やは非特異的である。
  • HIV以外の免疫不全にも発症し、確定には・免疫染色・PCRを組み合わせる。