Medical Microbiology

Medical Microbiology · 4/9

クリプトコッカス・ネオフォルマンス、ニューモシスチス・イロベチイ(カリニ)

Cryptococcus neoformans, Pneumocystis jirovecii (carinii)

応用トピック
その他の肺感染症
微生物
Cryptococcus gattiiCryptococcus neoformansPneumocystis jirovecii
疾患
クリプトコッカス症ニューモシスチス肺炎
検査値
クリプトコッカス抗原検査
画像所見
シャボン玉様病変

🧠 この2菌は、4/74/8の4天王とは対照的な「病原体」として読む。 4天王は免疫正常者にも感染するだったが、Cryptococcus neoformansとPneumocystis jiroveciiは健常者ならまず発症しない——どちらもAIDS()指標疾患であり、細胞性免疫の障害度そのものを映す鏡になる。Cryptococcusは莢膜を持つ酵母(二形性ではなく常に酵母形)、Pneumocystisは「かつて原虫と誤認されていた」菌体外の酵母——どちらも4/1の3形態分類(酵母/カビ/二形性)のうち「酵母」の枠に固定される点で共通する。

Cryptococcus neoformans

  • 全身性真菌症の病原体
  • 莢膜を持つ酵母——をする。二形性ではなく常に酵母形をとる点が4/74/8の4菌種と異なる
  • 莢膜は反復性の多糖莢膜抗原からなる
  • 複数の血清型があり、それぞれ地理的分布が異なる

病原性・感染経路

  • ハト・キジバトの糞便に汚染された土壌に存在
  • を含むの吸入により感染する

臨床像:

  • 発症の主要な危険因子細胞性免疫の障害、特にAIDS/HIV(, human immunodeficiency virus)感染患者
  • 急性肺感染:咳、呼吸困難などの重篤な肺感染症状
  • :肺から中枢神経系への播種によって起こる(真菌性髄膜炎の原因として最多)。画像上、灰白質に「」や真菌を充満した嚢胞が見られる
  • 病原因子:莢膜メラニン

診断

  • India ink(墨汁)染色髄液(CSF=cerebrospinal fluid)を染色する。まずで髄液を採取し、その後に染色を行う。莢膜のために菌体周囲に染まらない厚いが見える
  • 肺組織:または染色
  • :莢膜抗原を検出し凝集を起こす
  • 生化学検査:ウレアーゼ陽性
  • 培養:無添加を用いる(4/3参照——はCryptococcus自体の発育も抑制してしまうため)

治療

Pneumocystis jirovecii

  • 全身性真菌症の病原体
  • かつては原虫と考えられていたが、現在は真菌として分類される
  • 偏性細胞外性の酵母

病原性・感染経路

  • 宿主となる環境は不明(おそらく土壌関連)
  • も不明だが、主な呼吸器

臨床像

  • 健常者では通常無症候
  • 免疫不全患者でのみ感染症を起こす:
    • AIDS/HIV患者(本菌による肺炎はAIDS指標疾患=AIDS-defining disease
    • リンパ腫患者
    • 臓器移植後の患者
  • びまん性, pneumocystis pneumonia):発熱、(非な経過)

診断

  • 染色:(卵形)の酵母として観察される。他にGiemsa染色、PAS染色、Calcofluor染色、も用いられる
  • 胸部X線:斑状浸潤影→「すり」陰影。内のふわふわとした状滲出液を反映する

治療

どちらも「AIDS指標疾患」——CD4数と結び付けて覚える。 も、細胞性免疫(CD4陽性Tリンパ球)が高度に低下した患者に特異的に出現する感染であり、臨床的にはHIV感染の進行度・AIDS発症の指標として扱われる。

まとめ

  • Cryptococcus neoformansとPneumocystis jiroveciiはいずれも全身性真菌症の病原体で、健常者にはほぼ発症せずAIDS指標疾患として現れる。
  • Cryptococcus neoformansは莢膜を持つ酵母(二形性ではなく常に酵母形)で、ハト糞便からの吸入により感染し、真菌性髄膜炎の最多原因菌となる。診断はIndia ink染色。(2週、古典的レジメン)またはWHO 2022年推奨の単回高用量+14日間+、続いて8週間の維持療法。
  • Pneumocystis jiroveciiはかつて原虫と誤認されていた偏性細胞外性酵母で、免疫不全患者にびまん性(すりガラス陰影)を起こす。診断は、治療はTMP-SMX(バクトラム)が第一選択。
  • Cryptococcus培養時は4/3の標準からを除く必要がある点に注意する。