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Drug Atlas · C2 Antimycobacterials / 抗結核薬 · 必修

ダプソン

dapson

分類
Antimycobacterials / 抗結核薬Antibiotics / 抗菌薬
商品名(日本)
レクチゾール
科目
Pharmacology
トピック
C2: Antimycobacterial drugs
標的微生物
Mycobacterium lepraePneumocystis jirovecii
副作用
黄疸チアノーゼ
監視検査値
ヘモグロビン
対象疾患
セリアック病ニューモシスチス肺炎ハンセン病劇症型痤瘡結節性紅斑再発性多発軟骨炎自己免疫性水疱症(天疱瘡・水疱性類天疱瘡)疱疹状皮膚炎
原因となる疾患
メトヘモグロビン血症無顆粒球症

🧠 全体像はRIPEの枠外にいる抗抗酸菌薬で、標的菌はではなくである点がまず特殊である。機序はと同じだが、それとは独立した抗炎症作用も併せ持つため、だけでなくという自己免疫性の皮膚疾患、さらにという3つの異なる文脈で登場する。副作用は溶血(特にG6PD欠損)とという、に由来する2つを対で覚える。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 系統 標的・適応
M. leprae)、Pneumocystis jirovecii(PJP予防)、
幅広い細菌感染症、PJP治療の第一選択
リファンピシン M. leprae・結核。ではと必ず併用

」と「」は名前が似ているが別の化学構造で、機序()だけが共通する。 単剤の長期・無期限投与という旧来の治療は耐性と再発のリスクから現在は用いず、WHO標準の(MDT:リファンピシン+に置き換わっている。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dapson'>ダプソン</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='para-aminobenzoic acid, PABA'>PABA</span>と競合"] --> B["dihydropteroate synthase を阻害"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='folate synthesis'>葉酸合成</span>が止まる"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nucleic acid synthesis'>核酸合成</span>に必要な<br>プリン・ピリミジンが作れない"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bacteriostatic'>静菌的</span>に増殖を止める"]
    F["独立した機序"] -.-> G["好中球の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myeloperoxidase (MPO)'>ミエロペルオキシダーゼ</span>系を阻害"]
    G -.-> H["好中球の遊走・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='reactive oxygen species'>活性酸素</span>産生を抑制"]
    H -.-> I["抗炎症作用(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dermatitis herpetiformis'>疱疹状皮膚炎</span>などに有効)"]

💡 と抗炎症作用は別の機序から生まれている。 による静菌作用はM. lepraeP. jiroveciiに効くが、好中球機能を抑える抗炎症作用は感染症とはな好中球性皮膚疾患(など)に効く理由になる——1つの薬が2つの顔を持つ好例。

薬物動態

項目 値・特徴
良好
分布 皮膚を含め良好。がある
代謝 肝でN-アセチル化・N-水酸化(CYP2C9など)。N-水酸化代謝物(体)がの本体で、溶血・の原因になる
排泄 主に
半減期 約20〜30時間

適応

領域 使いどころ
のWHO標準MDT(リファンピシン+)の一角
呼吸器・免疫不全 アレルギーでのTMP-SMX代替)。治療は原則TMP-SMXが第一選択
セリアック病の皮膚型、の項を参照)ののあるコントロール。反復・遷延する肢の一つ

用法・用量

:WHO標準MDTでリファンピシン・と併用し、6か月・12か月。PJP予防:単剤で継続投与。:少量から開始しコントロールを見ながら調整する。投与前にG6PD欠損の有無を確認する。 実際の用量・期間は適応・年齢・体重で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:重度G6PD()欠損、過敏症
  • ⚠️ G6PD欠損患者では急性のリスクが高い。 投与前のスクリーニングが標準で、G6PD正常者でも高用量・長期投与では軽度の溶血・が起こりうる
  • 定期的な血算(溶血の有無)とメトの確認が望ましい
  • でも代謝物蓄積のリスクが上がるため注意する

副作用

頻度 内容
高頻度 の軽度溶血(G6PD正常者でも起こりうる)、消化器症状
注意 チアノーゼでの見かけ上の低酸素)
重篤・まれ 重度溶血性貧血(特にG6PD欠損、黄疸を伴う)、、過敏反応(を含む)、末梢神経障害

まとめ

  • 。dihydropteroate synthaseを阻害してを止めるで、標的はではなく
  • 好中球の系を抑える独立した抗炎症作用も持ち、などの皮膚疾患にも使われる。
  • ではWHO標準MDT(リファンピシン+)の一角。単剤・無期限投与は現在は用いない。
  • として、アレルギーでのTMP-SMX代替になる。
  • 溶血(特にG6PD欠損)とが代表的な有害事象——いずれもN-水酸化代謝物によるが原因。投与前にG6PD欠損の有無を確認する。
  • G6PD正常者でも高用量・長期投与では軽度の溶血・が起こりうる。