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Drug Atlas · C2 Antimycobacterials / 抗結核薬 · 必修

デラマニド

delamanid

分類
Antimycobacterials / 抗結核薬
商品名(日本)
デルティバ
商品名(EU)
Deltyba
科目
Pharmacology
トピック
C2: Antimycobacterial drugs
標的微生物
Mycobacterium tuberculosis
副作用
頭痛悪心
対象疾患
結核多剤耐性結核

🧠 全体像:はので、2014年に40年ぶりの新規として承認された(大塚製薬、日本発)。では2014年4月に条件付き販売承認を受け、2026年2月に通常の販売承認へ切り替わった1。と同じ「合成を止める」機序を共有しながら、KatGによる活性化に依存しないため、耐性菌にもを示さないという点が臨床的な価値を決めている。同じのとは機序が近縁だが、組み込まれる標準レジメンが異なる。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 機序の共通点 現在の位置づけ
+NO産生(低酸素環境の非増殖菌にも作用) 代替経口レジメン(BDLLfx/C:++リネゾリド++など)の構成薬。小児(3歳以上)にも使用実績があり、では体重10kg以上の乳児・小児にも適応が拡大している1
同じ。機序はほぼ同一 /BPaL/BPaLCレジメンの核として2026年指針の第一選択に位置づけ
同じく(標的はInhA) KatGによる活性化が必要なため、KatG変異による耐性菌には無効になりうる
機序は異なる(阻害) /BDLLfx/Cいずれのレジメンでも・と組む相方

⭐ とは「の双子」だが、主戦場が違う。 は・リネゾリドと組む/BPaL/BPaLCの必須構成薬として2026年指針の中心にあるのに対し、はBPaL系を使えない患者(14歳未満の小児、妊娠・授乳中など)にも使える代替(BDLLfx/C)や、より若年層への使用実績で独自の地位を保っている。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='delamanid'>デラマニド</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='prodrugs'>プロドラッグ</span>)"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Mycobacterium tuberculosis'>結核菌</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='deazaflavin'>デアザフラビン</span>依存性<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='Ddn'>ニトロレダクターゼ</span>で活性化"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mycolic acid'>ミコール酸</span>合成を阻害"]
    B --> D["活性化の過程で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nitric oxide, NO'>一酸化窒素</span>(NO)を放出"]
    C --> E["増殖中の菌の細胞壁形成を障害"]
    D --> F["低酸素・非増殖状態の菌にも毒性を示す"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bactericidal'>殺菌的</span>に作用"]
    F --> G

💡 とは活性化酵素が異なる(Ddn vs KatG)ため、KatG変異による耐性菌にもなく効く——これが不応例でが選択肢になる理由。

薬物動態

項目 値・特徴
食後投与で吸収が大きく高まる(で顕著)
代謝 主に血漿アルブミンを介した代謝、一部が関与
排泄 主に
半減期 長い(で30〜38時間程度に達する)

適応

():必ず他剤との併用療法の一部として使用する。2026年指針(第2版)では、を使えない患者の選択肢である6か月BDLLfx/Cの構成薬として位置づけられ、全年齢の小児と妊娠・授乳中の女性にも適用される。フルオロキノロン感受性ならを外したBDLLfx、非重症の肺ならを外したBDLCとして続けるが、⚠️ 重症の肺にBDLCは用いない(効果が不十分で耐性が増幅しうるため、BPaLCか個別の長期レジメンを選ぶ)2。

用法・用量

PO。併用レジメンの一部として食後に投与し、QT延長モニタリング(心電図・電解質)を伴う。実際の用量・期間は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:単剤使用(必ず併用療法の一部として使用)、重度(が非常に高く、QT延長リスクが増大しうる)
  • ⚠️ QT延長は同様に重要な監視項目。 同一レジメン内の他のQT延長薬(・など)とのに注意する
  • ・はQT延長リスクを増大させるため補正しておく

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心、頭痛
注意 消化器症状、めまい
重篤・まれ QT延長、

まとめ

  • 。としてDdn()で活性化され、とNO産生の二重機序を持つ。
  • NO産生により低酸素・非増殖状態の菌にも作用する点がとの違い。
  • KatGではなくDdnで活性化されるため、KatG変異による耐性菌にもなく効く。
  • 同じのと機序は近縁だが、が/BPaLの中核である一方、は代替(BDLLfx/Cなど)や若年層での使用実績に独自の位置づけを持つ。
  • QT延長が代表的な重篤副作用で、同一レジメン内の他のQT延長薬とのに注意する。
  • 単剤使用は禁忌。必ず併用療法の一部として使う。

出典

  1. 1.Deltyba (delamanid): European public assessment report - medicine overview(European Medicines Agency・2026)デラマニド(Deltyba)は2014年4月28日にEUで条件付き販売承認を受け多剤耐性肺結核(MDR-TB)の併用療法の一部として使用が認められたこと、2026年2月20日にこの条件付き承認が通常(標準)の販売承認へ切り替わったこと、現行の適応が体重10kg以上の成人・青年・小児・乳児で耐性または忍容性の理由で有効なレジメンを他に組めない場合であることを確認した。閲覧 2026-08-27
  2. 2.WHO consolidated guidelines on tuberculosis. Module 4: treatment and care, second edition(World Health Organization・2026)2026-09-27に第2版(ISBN 978-92-4-012512-4)のPDF本体で確認した。推奨B1.2(更新)がBDLLfx/C(ベダキリン・デラマニド・リネゾリド600 mg・レボフロキサシン・クロファジミン)をフルオロキノロン耐性の有無を問わないMDR/RR-TBに提案し、BPaLMを使えない患者の選択肢と位置づけること。備考で、適用が全年齢の小児・妊娠・授乳中の女性を含むこと、フルオロキノロン感受性ならクロファジミンを外してBDLLfx、非重症の肺pre-XDR-TBならレボフロキサシンを外してBDLCとすること。B1.2a(新規)が非重症の肺pre-XDR-TBにBDLCを18か月以上の長期レジメンより提案し、B1.2b(新規)が重症の肺pre-XDR-TBにはBDLCを用いないよう提案し、その理由を効果が不十分で耐性増幅のおそれがあるためとし、代わりにBPaLCか長期レジメンを挙げること。閲覧 2026-09-27