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Drug Atlas · C2 Antimycobacterials / 抗結核薬 · 必修

エタンブトール

ethambutol

分類
Antimycobacterials / 抗結核薬
商品名(日本)
エブトール
商品名(EU)
Myambutol
科目
Pharmacology
トピック
C2: Antimycobacterial drugs
標的微生物
Mycobacterium tuberculosisMycobacterium avium-intracellulare complex / MAC
副作用
視力低下
影響検査値
尿酸
対象疾患
リンパ管炎結核結核性脊椎炎結節性血管炎腸腰筋膿瘍非結核性抗酸菌症

🧠 全体像はRIPEの「E」だが、他の3剤と違ってそのものを積極的に殺す力は弱く、感受性結果が判明するまでの「耐性化の防波堤」として使われている。菌がの中で優位に増えるのを防ぐ役割であり、感受性が確定すれば早期に中止できることも多い。「E = Eye toxicity」という語呂どおり、というの副作用がこの薬の試験上の全てと言ってよい。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 RIPEでの役割 特徴的な副作用
耐性化予防(感受性判明までの防波堤)
の主役 末梢神経障害・肝障害
リファンピシン (再発予防) CYP誘導・
への ・肝毒性

だけが「殺菌」でも「」でもなくに働く。 感受性が判明し他の3剤に耐性がないと確認できれば、は治療の早い段階で終了できることが多い一方、地域の耐性率が高い、または感受性結果が出るまではの間ずっと継続する。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ethambutol, E'>エタンブトール</span>が菌体内へ取り込まれる"] --> B["arabinosyl transferase(EmbCAB複合体)を阻害"]
    B --> C["arabinogalactanの合成が止まる"]
    C --> D["細胞壁の<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='arabinogalactan'>アラビノガラクタン</span>-ペプチドグリカン骨格が形成できない"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bacteriostatic'>静菌的</span>に増殖を止める"]

・リファンピシンと異なりに働くため、単剤では治療効果が乏しく、必ず他剤と併用する。への何らかの毒性がの背景にあると考えられているが、正確な機序は完全には解明されていない。

薬物動態

項目 値・特徴
良好(約75〜80%)
分布 髄液へは炎症時でも移行が乏しい(の治療にはあまり寄与しない)
代謝 一部が肝で代謝されるが大部分は未変化体
排泄 主に(未変化体)。腎機能低下で蓄積しやすくが必須
半減期 約3〜4時間(腎機能低下で延長)

主体という点がRIPEの中でリファンピシンと対照的。 腎機能低下患者ではのリスクが上がるため、腎機能に応じた減量またはより慎重な視力モニタリングが必要になる。

適応

結核のRIPEレジメンの一部として使用するほか、Mycobacterium avium-intracellulare complex / MACによるの標準治療(マクロライド+±リファマイシン)にも用いる。

用法・用量

結核治療の初期にRIPEレジメンの一部として体重換算で1日1回、する。腎機能に応じたが必須。 治療開始前と治療中は年齢に応じて視力・(赤緑識別)を評価し、視覚症状があれば直ちに中止する。実際の用量は適応・年齢・体重・腎機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:既存の、症状を訴えられない乳幼児への使用は視力モニタリングが困難なため特に慎重に判断する
  • ⚠️ かつ多くは可逆的だが、発見が遅れると不可逆になりうる。 初期症状はであることが多く、より先に出ることがある
  • 腎機能低下では血中濃度が上がりのリスクが増すため、と頻回のモニタリングが必要

副作用

頻度 内容
高頻度 消化器症状
注意 (機序はと同様のだが程度は軽い)
重篤・まれ が先行し、次いで・視野)、末梢神経障害

まとめ

  • RIPEの「E」。arabinosyl transferase(EmbCAB)を阻害しarabinogalactan合成を止める
  • な他のRIPE構成薬と異なり、役割は耐性化予防(感受性判明までの防波堤)。
  • 「E = Eye toxicity」——が最大の注意点で、に先行することが多い。
  • 主体で腎機能低下時は蓄積しやすく、と視力モニタリングが必須。
  • も起こすがより軽度。
  • 結核以外にMAC症などのの標準治療にも組み込まれる。