Histopathology

Histopathology · H2-062B

腎細胞癌(HE染色)

Renal carcinoma (HE)

描出疾患
腎細胞癌

🧠 全体像(renal cell carcinoma: RCC)は腎に由来する悪性腫瘍群である。代表的な(clear cell renal cell carcinoma: ccRCC)では、淡明〜が胞に増殖し、繊細で豊富な血管網を伴う。診断では組織型、悪性度、病期を分けて考える。

分類と危険因子

項目 学習の要点
主要な組織型 が代表的だが、現在の分類にはさらに多数の分子学的疾患単位がある
好発 成人、男性に多く、発症は60〜70歳代が中心
確立した危険因子 喫煙、肥満、高血圧
慢性腎疾患との関連 長期ではRCCのリスクが上がる
遺伝性素因 (von Hippel–Lindau disease)など

淡明細胞型腎細胞癌のHE所見

所見 病理学的な意味
淡明な細胞質 脂質・グリコーゲンが標本作製時に抜けるため淡明に見える
・好酸性の細胞質 同一腫瘍内でも混在しうる
増殖 腫瘍細胞が胞巣や未熟な管腔を形成する
繊細な ccRCCを示唆する特徴的な血管性間質
被膜様境界 膨張性発育を反映するが、浸潤やの有無は別に評価する
flowchart TD
    A["3p領域の異常・VHL両アレル不活化"] --> B["HIF分解の障害"]
    B --> C["低酸素応答遺伝子の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='constitutive activation'>恒常的活性化</span>"]
    C --> D["VEGFなどの発現増加"]
    D --> E["豊富な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='capillary network'>毛細血管網</span>を伴うccRCC"]

VHLは3p25領域のである。「VHL1」や特定のだけで説明する考え方は現在の標準的理解ではなく、ccRCCでは3p欠失とVHLの両アレル不活化が中心となる。遺伝性VHL病では網膜・中枢神経系のや多発・両側性ccRCCなどを生じうる。

進展・診断・治療

から下大静脈、ときに右心房まで連続する腫瘍血栓(tumor thrombus)を形成しうる。偶発的な画像発見も多く、血尿・痛・腹部腫瘤のは進行例を示唆する。

診断ではプロトコルの造影CTまたはMRIで局所進展・・転移を評価し、では組織型、WHO/ISUP悪性度、壊死、肉腫様変化、、TNM病期を報告する。限局癌ではが可能なら部分切除(partial nephrectomy)が重要で、腫瘍径・部位・患者背景に応じて根治的除、監視療法、を選ぶ。進行癌ではやVEGF経路を標的とする治療などを病型・リスクに応じて用いる。

全体の整理は も参照する。

まとめ

  • ccRCCでは、胞増殖、繊細で豊富な血管網を組み合わせて読む。
  • VHL不活化からHIF・VEGF経路が活性化することが血管性の高い形態につながる。
  • RCCは・下大静脈へ進展しうるため、断と画像病期を統合する。