Histopathology

Histopathology · H2-102A

ケロイド

Keloid

🧠 全体像は創傷治癒における線維芽細胞活性・沈着の調節異常により、が元のを越えて過剰に増殖する良性線維性病変である。腫瘍ではなく制御された増殖だが、自然消退せず切除後の再発率が高い。

発生機序

flowchart TD
    A["皮膚損傷(外傷・手術・穿刺など)"] --> B["創傷治癒の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='proliferative phase'>増殖期</span>"]
    B --> C["線維芽細胞活性・TGF-β関連シグナルの遷延"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='collagen fiber'>膠原線維</span>の過剰沈着"]
    D --> E["瘢痕が元の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='wound edge'>創縁</span>を越えて増大"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='keloid'>ケロイド</span>"]

肥厚性瘢痕との鑑別

項目
範囲 元のを越えて周囲へ拡大する 創の範囲内にとどまる
経過 自然消退しない 数か月〜数年で自然に平坦化しうる
好発部位 、胸、肩など 関節可動部など張力の強い部位
人種的素因 黒人など色素の濃い皮膚で頻度が高い 人種差は比較的乏しい
切除後再発 高率に再発する 再発率は低い

標本の性状

皮膚表面から隆起する、白色調で表面平滑な線維性組織として認められる。組織学的には束がより太く不規則に配列し、硝子様変化を示すことが多い。増殖は制御されており、細胞異型や浸潤性増殖は伴わないため腫瘍とは区別される。

治療

方法 位置づけ
病変内ステロイド注射 第一選択となることが多い
・シリコンジェルシート 予防・
手術切除 単独では再発率が高く、術後のステロイド注射や放射線療法などを併用する

⚠️ 単純な外科的切除のみでは高率に再発するため、の併用を前提に治療計画を立てる。皮膚二次病変としての瘢痕・の位置づけは皮膚の一次・二次病変、創傷治癒の基本過程はを参照する。

まとめ

  • は創傷治癒の線維化調節異常によりを越えて増殖する良性線維性病変である。
  • とは、を越える増大と自然消退しない経過で区別する。
  • 黒人など色素の濃い皮膚で好発し、・胸・肩に多い。
  • 手術単独では再発率が高く、ステロイド注射や放射線療法などを併用する。