Pathology

Pathology · C/99

由来不明の軟部腫瘍

Soft tissue tumors of uncertain origin

疾患
滑膜肉腫

🧠 全体像はいずれも名称・由来が不明瞭な悪性腫瘍だが、特徴的な(それぞれSS18-SSX、ASPSCR1-TFE3)で診断が確定する点、そして転移パターン(は脳への早期転移が初発症状になりうる)が試験で問われやすい。

滑膜肉腫

概要

  • 由来不明の悪性腫瘍(名称に反し滑膜由来ではない)。
  • 体のどこにでも発生しうる、通常は大関節付近や四肢(膝、大腿)。
  • 若年成人(20〜40歳)

発生機序

  • t(X;18) → 18番染色体のSS18(SYT)遺伝子とX染色体のSSX1、SSX2、SSX4遺伝子の融合。
  • → 異常な転写因子活性。

組織像

  • 3つのパターン:
    • :束状に配列した)— 最多。
    • 腺様上皮構造
    • 未分化型:高度に細胞性の円形細胞。
  • 肥満細胞がよくみられる。
  • IHC:サイト陽性、EMA陽性、TLE1陽性

臨床像

  • 通常は無症状 — 緩徐増大するしこり、または関節付近では関節炎様症状で発症しうる。
  • しばしばされる。
  • 肺+骨へ転移。
  • 治療:外科的切除+放射線±化学療法。

胞巣状軟部肉腫

概要

  • 稀な悪性腫瘍、通常は成人。
  • 深部軟部組織(大腿、、小児では頭頸部)の緩徐増大腫瘤。

発生機序

  • t(X;17)転座 → ASPSCR1-TFE3融合遺伝子。

臨床像

  • 脳への早期転移 — しばしば疾患の初発症状
  • 肺、骨にも転移。
  • 局所は緩徐増殖だが長期予後は不良。

形態

  • 薄い隔壁で分けられた細胞の特徴的な胞巣パターン
  • +明瞭な核小体
  • 明るい・
  • 細胞質内のPAS陽性結晶(桿状・菱形)。
  • IHC:TFE3陽性(核)。

比較表

特徴
由来 不明(滑膜ではない) 不明
年齢 20〜40歳 若年成人
部位 大関節付近+四肢(膝/大腿) 深部軟部組織(大腿、小児の頭頸部)
遺伝 t(X;18) SS18-SSX t(X;17) ASPSCR1-TFE3
組織像 単相/二相の紡錘±腺、肥満細胞 、明るい細胞質、PAS陽性結晶
転移 肺+骨 脳(早期)、肺、骨
治療 手術+放射線 手術、

💡 ポイント: = 由来不明(滑膜ではない!)、若年成人(20〜40歳)、大関節+四肢付近、t(X;18) → SS18-SSX融合(紡錘)と(紡錘+腺)パターン、サイト陽性+TLE1陽性、肥満細胞が多い、肺/ = 稀、深部軟部組織、t(X;17) → ASPSCR1-TFE3融合明るい細胞質+PAS陽性結晶を伴う胞パターン脳への早期転移 — しばしば初発徴候、TFE3陽性。

まとめ

  • は名称に反し滑膜由来ではない由来不明の悪性腫瘍で、若年成人の大関節付近・四肢に好発し、t(X;18) SS18-SSX融合が特徴。
  • の組織像は、最多)・+腺様上皮)・未分化型に分かれ、TLE1陽性が診断の手がかり。
  • はt(X;17) ASPSCR1-TFE3融合による稀な悪性腫瘍で、PAS陽性結晶を伴う胞パターンが特徴。
  • は局所増殖が緩徐でも脳への早期転移がしばしば初発症状となり、長期予後は不良である。