薬剤ノート一覧へ

Drug Atlas · C1 Antiseptics & disinfectants / 消毒・防腐薬 · 必修

ベンザルコニウム塩化物

benzalkonium chloride

分類
Quaternary ammonium preservative / 第四級アンモニウム系防腐剤
科目
Pharmacology
トピック
C1: Disinfectants and antiseptics
副作用
眼痛

🧠 全体像:塩化物(BAK)は、点眼薬に広く使われる系のである。それ自体は治療対象の疾患を持たない添加剤だが、眼痛・・ソフトコンタクトレンズのという角膜毒性そのものが臨床的にできないため、薬剤ノートとして扱う。頻回・長期に点眼を要する疾患(・緑内障など)ほど、このの毒性が問題になりやすい。

位置づけ

で微生物の細胞膜を破壊するのグループに属し、()と同じ作用機序を持つ。皮膚・器具の消毒に使われるとは異なり、BAKは点眼薬・点鼻薬など粘膜に直接触れる製剤のとして使われる点が臨床上の焦点になる。

用途

多くの点眼薬(点眼液・緑内障治療薬など)にとして配合され、開封後の製剤内での微生物汚染を防ぐ。製剤や、緑内障治療薬などで頻回・長期に点眼を要する場面ではBAK無添加製剤が選ばれる背景に、下記の角膜毒性がある。

禁忌・注意——角膜毒性そのものが問題になる

  • ⚠️ BAKそのものに毒性がある。 を起こしうるほか、・潰瘍性角膜症の報告があり、の患者や角膜が損なわれている状態での頻回・長期使用には厳重な監視を要する1
  • ⚠️ ソフトコンタクトレンズに吸着・を来す。 点眼薬にBAKが含まれる場合、点眼時はレンズをはずし、日本の添付文書は10分以上、のSmPCは15分以上経過後の再装用を求める——指導する数字は資料により違うため、使用する製剤の添付文書を確認する21
  • のように点眼を重ねやすい病態では、のが症状を悪化させうる。効果が乏しいまま漫然と続けない

副作用

眼痛・が代表的で、頻回・長期使用では・潰瘍性角膜症に進みうる1。

まとめ

  • 点眼薬に広く使われる系で、と同じを持つ。
  • それ自体が毒性(・潰瘍性角膜症)を起こしうる——添加剤だが臨床的にできない。
  • ソフトコンタクトレンズに吸着・を来すため、点眼前後に一定時間レンズを外す指導が必要(時間は資料により10分・15分と異なる)。
  • 患者・頻回長期点眼を要する患者ではBAK無添加製剤が選ばれる背景になる。

出典

  1. 1.Opatanol 1 mg/mL eye drops, solution — Summary of Product Characteristics (Annex I)(European Medicines Agency・2026)全文を確認した(EMA の Product Information、同ページの表示は最終更新2026年1月22日・Revision 26)。4.4はベンザルコニウム塩化物が眼刺激を起こしうること、点状角膜症および/または中毒性潰瘍性角膜症の報告があるためドライアイや角膜が損なわれた状態での頻回・長期使用では厳重な監視を要すること、ソフトコンタクトレンズを変色させるため点眼前にレンズを外し点眼後15分以上待ってから再装用するよう指導することを定める。閲覧 2026-09-07
  2. 2.パタノール点眼液0.1% 電子添文(ノバルティスファーマ(PMDA 医療用医薬品情報。2023年1月改訂・第1版)・2023)全文を確認した。「14.1 薬剤交付時の注意」は、含有するベンザルコニウム塩化物がソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるため点眼時はコンタクトレンズをはずし10分以上経過後に装用すること、他の点眼剤を併用する場合は少なくとも5分以上間隔をあけることを指導するよう定めている閲覧 2026-09-05