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Imaging findings · Published

嚥下内視鏡検査

Flexible endoscopic evaluation of swallowing

別名
FEES
臓器系
消化器耳鼻咽喉科
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 L-44:胃食道逆流症・嚥下障害の鑑別

🧠 全体像:(FEES)は、細径の内視鏡を鼻から挿入し、咽頭・喉頭を直接見ながら実際の食事に近い場面で嚥下を評価する検査である1。放射線を使わないためベッドサイドで反復でき、外来でもすぐ行える。で決めるのは、嚥下の瞬間そのものではなく、嚥下の前後に何が起きているか(分泌物がどれだけ貯留しているか、飲み込んだ後に・残留がどれだけ残るか)から、経口摂取の可否とを判断することである。

何を評価する検査か

FEESは、嚥下障害の評価で、咽頭・喉頭の構造と分泌物の状態、そして嚥下前後の・咽頭残留・感覚を直接観察する。がないため、が懸念される場合(妊娠など)や造影剤アレルギーがある患者にも用いられ、疲労によるの評価、機能と逆流の確認、咽頭喉頭の動きを患者にその場で見せるにも使われる1。

成人・小児いずれでも安全性と有用性が確立した診断手技であり、試験的な検査ではない。入院・外来・長期ケア施設のいずれでも容易に実施できる2。

手技

段階 内容
挿入 細径の内視鏡を経鼻的に挿入する1
体位 患者の通常の食事姿勢を保たせる1
観察の準備 咽頭・喉頭の解剖学的ランドマークを確認する1
嚥下試行 少量の食用色素で着色した食材を嚥下させながら観察する1

評価する項目

嚥下の前に咽頭内へするか、分泌物がどれだけ貯留しているかを見て、患者の基礎的な誤嚥危険度を推定する。嚥下の後には、咽頭残留の量と分布、・への物質の有無、それに対する患者の反応(むせ・咳)を評価する。誤嚥そのものは、嚥下直後の患者反応やに物質が観察されることから推論する1。

評価の進め方

flowchart TD
    A["嚥下障害の評価が必要"] --> B["経鼻的に内視鏡を挿入し<br>通常の食事姿勢を取らせる"]
    B --> C["嚥下前に咽頭の分泌物貯留を観察"]
    C --> D{"分泌物の重度貯留があるか"}
    D -->|"あり"| E["経口摂取の危険度が高いと判断し<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='food texture'>食形態</span>を慎重に選ぶ"]
    D -->|"なし・軽度"| F["着色した食材で嚥下試行"]
    F --> G["嚥下後の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='laryngeal penetration'>喉頭侵入</span>・残留・<br>患者反応を観察"]
    G --> H{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='laryngeal penetration'>喉頭侵入</span>・残留が<br>反応なく残るか"}
    H -->|"あり(不<span class='jp-term jp-term-diagram' title='revealed'>顕性</span>を疑う)"| I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='food texture'>食形態</span>調整・代償姿勢を<br>その場で試して再評価"]
    H -->|"なし"| J["評価した<span class='jp-term jp-term-diagram' title='food texture'>食形態</span>での経口摂取を支持"]

⭐ がないため、この評価を同一日に何度でも繰り返せる。 代償姿勢やを変えて再評価し、ベッドサイドで介入の効果もその場で確認できる。

紛らわしいものと限界

⚠️ 嚥下の瞬間そのものは見えない。 嚥下の際に咽頭が収縮して視野が白く消えるホワイトアウト現象が起こり、の通過と咽頭構造の動きは観察できない。と食道期も内視鏡の視野に入らず評価できない1。

⚠️ 重症の、鼻腔外傷、重度のは禁忌である。 合併症はまれだが、不快感・・上咽頭出血・粘膜穿孔・アレルギー反応・が報告されている1。

検査 得意なこと 苦手なこと
FEES なくベッドサイド・外来で反復評価できる。咽頭喉頭の粘膜・分泌物貯留を直接見られる 嚥下の瞬間はホワイトアウト現象で見えず、・食道期は評価できない
VFSS からまでの一連の動態をで連続的に見られる。誤嚥の深さと排出をPenetration-Aspiration Scaleで評価できる があり検査時間がされ、ベッドサイドでは実施しにくい

では、誤嚥・・咽頭残留のいずれの検出感度もFEESがVFSSよりわずかに高かった(誤嚥0.88対0.77など)が、特異度は両検査とも同程度(0.93〜0.98)であり、いずれがより正確かをづけるには適切な参照基準に対する前向き研究が必要とされている3。⚠️ FEESとVFSSは代替関係ではなく相補的であり、の評価や解剖学的異常のが要る場合はVFSSを、を避けたい・反復評価したい・ベッドサイドで行いたい場合はFEESを選ぶ。

まとめ

  • FEESは経鼻的に内視鏡を挿入し、通常の食事姿勢のまま咽頭・喉頭を直接観察して嚥下前後の状態を評価する検査である。
  • がなく、外来・ベッドサイドで反復・評価に使える。
  • 嚥下前の分泌物貯留、嚥下後の・咽頭残留・患者反応を観察し、誤嚥は反応やの物質観察から推論する。
  • 嚥下の瞬間はホワイトアウト現象で見えず、・食道期も評価できない。重症・鼻腔外傷・重度は禁忌。
  • VFSSとは代替ではなく相補関係にあり、回避・反復評価・ベッドサイド実施が必要な場合にFEESを選ぶ。

出典

  1. 1.Flexible Endoscopic Evaluation of Swallowing (FEES)(American Speech-Language-Hearing Association (ASHA) Practice Portal)FEESが経鼻的に内視鏡を挿入する携帯可能な検査であり外来やベッドサイドで実施できること、放射線被曝が懸念される場合(妊娠等)や造影剤アレルギーがある患者にも適応となること、疲労による嚥下困難の評価・軟口蓋機能と鼻咽頭逆流の評価・咽頭喉頭のバイオフィードバックにも用いられること、内視鏡を経鼻的に挿入し患者の通常の食事姿勢を保たせたうえで解剖学的ランドマークを確認後に着色した食材を嚥下させながら観察すること、喉頭侵入・残留・感覚認識・患者の反応を評価し誤嚥は患者反応や声門下の物質観察から推論すること、嚥下の瞬間は咽頭収縮によるホワイトアウト現象でボーラス通過と咽頭構造の動きが観察できず口腔期・食道期も可視化できないこと、重症の鼻出血・鼻腔外傷・重度の不穏は禁忌であること、まれに不快感・嘔吐反射・上咽頭出血・粘膜穿孔・アレルギー反応・喉頭痙攣が生じうることを確認した閲覧 2026-09-05
  2. 2.Position Statement: Fiberoptic/Flexible Endoscopic Examinations of Swallowing (FEES)(American Academy of Otolaryngology-Head and Neck Surgery (AAO-HNS)・2022)FEESが成人・小児いずれにおいても安全で検証済みかつ広く実施されている確立した診断手技であり試験的な手技ではないこと、入院患者・外来患者・長期ケア施設のいずれでも容易に実施できること、ルーチンの喉頭内視鏡検査とは別に独立して行う手技であることを確認した閲覧 2026-09-05
  3. 3.Accuracy of endoscopic and videofluoroscopic evaluations of swallowing for oropharyngeal dysphagia(The Laryngoscope・2017)系統的レビューとメタ解析(5,697件から52件を全文レビューし6件を採用)で、誤嚥検出の感度がFEES 0.88・VFSS 0.77、喉頭侵入の感度がFEES 0.97・VFSS 0.83、咽頭喉頭残留の感度がFEES 0.97・VFSS 0.80であったこと、特異度は両検査とも0.93〜0.98の範囲で同程度だったこと、FEESがVFSSよりわずかに高い精度を示したが、いずれがより正確かを定めるには適切な参照基準に対する前向き研究が必要と結論したことを確認した閲覧 2026-09-05