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Imaging findings · Published

胃排出シンチグラフィ

Gastric emptying scintigraphy

別名
胃排泄シンチグラフィ固形食胃排出試験
臓器系
消化器
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 G-01:食道・胃疾患
関連疾患
ダンピング症候群胃不全麻痺

🧠 全体像:この検査で決めるのは「かどうか」ではなく、症状の裏にな排出遅延があるかである。症状の強さと遅延の程度は相関が乏しいため、検査は診断の確定ではなく次の行動(へ進むか、として扱うか、原因薬を止めるか)を分けるとして使う。を外すと結果そのものが意味を失う点で、よりも検査条件の管理が本体の検査である。

検査の原理と実施法

で標識した食事を摂取させ、胃領域に残るの割合をに測ることで、生理的な条件下での固形食の排出速度を直接測定する。

項目 標準プロトコル
標識食 99mTc標識した卵白を用いた(トースト・ジャムを添える)
撮像時点 摂取直後(0時間)・1時間・2時間・4時間
測定値 各時点の胃内(%)
判定 2時間で60%超、または4時間で10%超の残存で排出遅延1

⚠️ 2時間で打ち切る短縮プロトコルを使わない。 4時間まで撮像することで感度が大きく上がり、2時間以下で終える旧来のやり方では遅延例を取りこぼす1。液体食のみの検査も、固形食より鋭敏さに欠ける。

⚠️ 前処置——ここを外すと結果が読めない

検査そのものより、条件を揃えることの方が結果を左右する。

  • 血糖の是正:高血糖は健常者でもを遅らせる。200 mg/dL未満に整えてから行い、著明な高血糖のままでは実施しない2 3。
  • 薬剤の:・オピオイド・は検査48時間前から止める2。受容体作動薬も排出を遅らせるため、検査条件として扱う3。
  • 喫煙・飲酒を検査当日は避ける。でも排出速度が変わるため、境界値の解釈には注意する。

💡 「遅延あり」と出たときに最初に疑うのは疾患ではなく条件である。 高血糖と薬剤を確認せずにと決めない。

結果が診療をどう変えるか

flowchart TD
    A["4時間固形食<span class='jp-term jp-term-diagram' title='scintigraphy'>シンチグラフィ</span>"] --> B{"4時間で10%超の残存"}
    B -->|"あり"| C["高血糖・薬剤・術後歴・甲状腺を確認"]
    C --> D["原因を除いてなお遅延<br>→ <span class='jp-term jp-term-diagram' title='gastroparesis'>胃不全麻痺</span>として<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dietary therapy'>食事療法</span>・薬物療法へ"]
    B -->|"なし"| E{"30分〜1時間の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fraction remaining'>残存率</span>が低いか"}
    E -->|"低い"| F["排出亢進(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dumping (syndrome)'>ダンピング</span>)を検討"]
    E -->|"低くない"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='functional dyspepsia'>機能性ディスペプシア</span>など<br>他の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='functional disorder'>機能性疾患</span>として扱う"]

排出が速すぎる側も同じ検査で分かる。 30分〜1時間時点のが低ければを疑う2。

代替となる検査

検査 利点 限界
13C呼気試験 がなく、小児・妊婦にも使える 実施施設が限られ、肝・肺・膵の機能に結果が影響される
ワイヤレス消化管カプセル 胃だけでなく小腸・大腸のも同時に評価できる 高価。狭窄が疑われる例では使えない

紛らわしいもの

  • 症状の強さは遅延の程度を反映しない。 症状が強くても排出が正常なことも、その逆もある3。検査結果だけで治療の強度を決めない。
  • 単回の結果で確定しない。 排出速度は日によって変動する。境界値なら条件を整えて再検する。
  • を先に除外する。 でもは上がる。内視鏡・画像での除外が前提になる。

まとめ

  • 4時間固形食法が標準。判定は2時間で60%超、4時間で10%超の残存。
  • 血糖200 mg/dL未満への是正と、・オピオイド・の48時間が結果の前提。
  • 症状の強さと遅延の程度は相関が乏しい。検査は次の行動を分けるために使う。

出典

  1. 1.Consensus Recommendations for Gastric Emptying Scintigraphy: A Joint Report of the American Neurogastroenterology and Motility Society and the Society of Nuclear Medicine(Journal of Nuclear Medicine Technology (ANMS/SNM)・2008)標準化プロトコルとして99mTc標識・低脂肪の卵白食を用い、摂取後0・1・2・4時間で撮像すること、2時間で60%超・4時間で10%超の残存が排出遅延と判定されること、撮像を2時間以下で打ち切る旧来の短縮プロトコルに比べ4時間までの撮像が感度を約3分の1高めることを確認した。閲覧 2026-08-19
  2. 2.Gastric Emptying Scan(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2023)検査前に血糖を200 mg/dL未満(250〜275 mg/dLを超える場合は禁忌)に是正すべきこと、プロキネティクス・オピオイド・抗コリン薬を検査2日前(48時間前)から休薬すべきこと、30分・1時間時点の残存率低値から排出が速すぎる状態(dumping)も同一検査で評価できること、代替法として13C呼気試験・ワイヤレスpHカプセルがあることを確認した。閲覧 2026-08-19
  3. 3.ACG Clinical Guideline: Gastroparesis(American College of Gastroenterology (ACG)・2022)4時間固形食を用いた胃排出シンチグラフィが胃不全麻痺診断の標準検査であること、高血糖自体が生理的に胃排出を遅らせるため検査前に血糖を最適化すべきこと、オピオイド・GLP-1受容体作動薬などが結果に影響するため検査条件として考慮すべきことを確認した。閲覧 2026-08-19