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Imaging findings · Published

肝胆道シンチグラフィ

Hepatobiliary scintigraphy

別名
HIDAスキャン胆道シンチ
臓器系
肝胆膵
科目
Pediatrics
トピック
小児科 3-45:胆汁うっ滞・抱合型高ビリルビン血症小児科 50:小児の胆汁うっ滞性肝疾患

🧠 全体像:肝胆道が見ているのは「肝臓が胆汁を作れているか」ではなく、「作った胆汁を腸まで運べているか」である。が肝細胞に取り込まれた後、胆汁として腸管まで排泄されるかどうかをで追う検査であり、の中心は「肝への集積はあるのに、腸管への排泄が無い」というパターンを拾えるかどうかにある。ただしこのパターンはに特異的ではなく、重症のでも同じ像になる。だから単独の検査として「これで確定」とは読まず、常に臨床像・他の画像所見と併せて次の一手(術中へ進むか、内科的治療を優先するか)を決めるための材料として使う。

所見の定義

肝胆道は、した99mTc標識イミノ二酢酸誘導体、HIDAなど)が肝細胞に取り込まれ、胆汁として胆管・腸管へ排泄される過程をに撮像するである。で見るのは主に2点である。

所見 意味
肝への集積が保たれているか 肝細胞の取り込み機能を反映する
腸管への排泄が見られるか(通常24時間以内1 胆道の開存を反映する

「肝に集積するが、腸管へは排泄されない」というパターンがを示唆する中心的所見である。肝への集積が乏しい場合は、むしろ重度の(新生児肝炎など)を考える。

モダリティと写り方

⚠️ 検査前になどの肝を数日間投与し、胆汁排泄を促すを行う運用がある1 肝抽出率の高いを選び、体重あたりの計算用量を用い、腸管への排泄が確認できない場合に投与を追加することも、検査の特異度を高める要素として挙げられている2を行わずに撮像すると、胆道が開存していても排泄が遅れて見え、偽陽性(でないのに様の像になる)につながりうる。

撮像は静注直後からのに加え、排泄の有無を確認するための遅延像(多くは投与後24時間まで)1を要する。だけで腸管排泄の欠如と判定しない。

リスクを上げる形態

  • 肝への集積は保たれているにもかかわらず、遅延像まで含めて腸管への排泄が全く見られない
  • 胆嚢の描出が無い。

いずれも単独では確定所見にならず、triangular cord徴候など超音波所見・臨床経過と合わせて評価する。

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='direct bilirubin'>直接ビリルビン</span>優位の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='prolonged jaundice'>遷延性黄疸</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='phenobarbital'>フェノバルビタール</span>などで<span class='jp-term jp-term-diagram' title='conditioning'>前処置</span>"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tracer'>トレーサー</span>投与後、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='early image'>早期像</span>と遅延像(24時間まで)を撮像"]
    C --> D{"肝への集積は保たれているか"}
    D -->|"乏しい"| E["重度の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hepatocellular dysfunction'>肝細胞機能不全</span>を疑う<br>新生児肝炎などを考慮"]
    D -->|"保たれている"| F{"腸管への排泄を認めるか"}
    F -->|"あり"| G["胆道は開存<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='biliary atresia'>胆道閉鎖症</span>の可能性は下がる"]
    F -->|"24<span class='jp-term jp-term-diagram' title='time course'>時間経過</span>しても無い"| H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='biliary atresia'>胆道閉鎖症</span>を疑う所見<br>単独では確定せず臨床像と合わせる"]

⚠️ 感度は高いが特異度は低い。 では感度98.7%に対し特異度は70.4%にとどまり、腸管排泄が無いという所見だけではを確定できない23

紛らわしいもの

  • ⚠️ 新生児肝炎などによる重症のは、胆道が開存していても排泄が遅延し、と同様に「排泄欠如」の像を示すことがある。これが特異度を下げる最大の要因である3
  • など)を省略すると、開存した胆道でも排泄が遅れて見え、偽陽性の一因になる。
  • 検査のタイミングが早すぎる(遅延像を撮らない)と、正常でも排泄前で「排泄欠如」に見えることがある。

他の用途

のスクリーニング以外にも、肝胆道は次のような場面で使われる。

  • :胆嚢が描出されないことがになる。
  • 胆汁漏:腹腔内への漏出として描出される。
  • 術後の胆道評価:胆道再建後の通過性評価に用いられる。

まとめ

  • 肝胆道は、の肝細胞への取り込みと腸管への排泄を追う検査で、「肝への集積はあるが腸管排泄が無い」パターンがを示唆する。
  • 検査前になどでし胆汁排泄を促す運用がある。を省くと偽陽性の一因になる。
  • 感度は高いが特異度は低く、重度の(新生児肝炎など)でも同様の排泄欠如を示すため、単独では確定診断にならない。
  • 撮像はに加えて遅延像(多くは24時間まで)を要する1
  • 以外にも、・胆汁漏・術後の胆道評価に用いられる。

出典

  1. 1.Accuracy of hepatobiliary scintigraphy for differentiation of neonatal hepatitis from biliary atresia: systematic review and meta-analysis of the literature(Pediatric Radiology (Kianifar HR, et al.)・2013)81研究を対象としたメタ解析で、肝胆道シンチグラフィの新生児肝炎と胆道閉鎖症の鑑別における統合感度が98.7%(範囲98.1-99.2%)、統合特異度が70.4%(範囲68.5-72.2%)であったこと、肝抽出率の高い放射性医薬品の使用や肝薬物代謝誘導薬(フェノバルビタールなど)の前処置、体重あたりの計算用量、腸管排泄が無い場合のブースター投与が特異度を高める因子として挙げられていることをアブストラクトから確認した。閲覧 2026-08-11
  2. 2.Biliary Atresia(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2026)肝胆道シンチグラフィの排泄欠如は重度の肝細胞機能不全でも同様の所見を来しうるため非特異的であり、偽陽性・偽陰性率がおよそ10%に達することを本文から確認した。閲覧 2026-08-11
  3. 3.Phenobarbital-enhanced hepatobiliary scintigraphy in the diagnosis of biliary atresia: two decades of experience at a tertiary center(Pediatric Radiology (Kwatra N, et al.)・2013)フェノバルビタールによる前処置を数日間(同施設のプロトコルでは5日間)行ったうえで肝胆道シンチグラフィを施行し、投与後24時間の時点で腸管への胆汁排泄を認めないことを胆道閉鎖症に一致する所見としたことをアブストラクトから確認した。閲覧 2026-08-11