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Imaging findings · Published

網膜内細小血管異常

Intraretinal microvascular abnormalities (IRMA)

別名
IRMA
臓器系
眼科
科目
Translational Medicine and Pathophysiology
トピック
病態生理学 1-10:糖尿病の細小血管合併症
関連疾患
糖尿病網膜症

🧠 全体像:(IRMA)は、毛細血管が閉塞した領域の近くで細動脈と静脈が毛細血管を迂回して直接つながる網膜内のシャント血管である1。ここでが決める最も重要な一手は良悪性ではなく、これがまだ網膜の中にとどまっている異常血管なのか、すでに網膜を突き破って側へ生えたなのかという一点であり、両者を分けるのがでの漏出の有無である。では、IRMAはと並んでへの進行を最も強く予測する所見とされる2。

定義

域の近傍にできる、細動脈と静脈がを迂回して結びつく網膜内の異常血管である1。既存の主要血管を横切らないこと、で漏出しないことが定義上の特徴とされる1。

💡 「網膜内にとどまる」という一点が、との決定的な違いを生む。 IRMAは既存の血管網の(既存の毛細血管が拡張・迂回してできる)である一方、はを越えて側へ発育する病的なであり、両者は発生機序も臨床的重みも異なる。

モダリティと写り方

検査 何を捉えるか 主な限界
・カラー 毛細血管無に隣接する、細く不整な赤色の血管ループ・房状構造 との肉眼的な区別が難しいことがある
決め手となる検査。 IRMAは造影剤が漏出せず、後期でもの染色を示さない。は進行性に漏出・染色する1 造影剤を要する
OCT・ IRMAはに限局する血流信号として描出される。はを越えて側(網膜前)に及ぶ 層の同定にはenface画像や慎重なセグメンテーションを要する

リスクを上げる形態

  • ⭐ 1以上の顕著なIRMAは、における重症の基準(4-2-1ルール)の一つであり、単独でこの基準を満たせば他の所見(4の出血、2以上の)がなくても重症と判定される2。
  • 複数にわたる広範なIRMAは、その領域の毛細血管無灌流が広いことを反映し、への短期的な移行リスクが高い。

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fundus examination (fundoscopy)'>眼底検査</span>で毛細血管無<span class='jp-term jp-term-diagram' title='territory'>灌流域</span>近傍に<br>不整な血管ループ・房状構造を検出"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fluorescein angiography'>蛍光眼底造影</span>で漏出の有無を確認"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='delayed image'>後期像</span>で漏出・染色するか"}
    C -->|"漏出しない"| D["IRMAとして記録"]
    C -->|"進行性に漏出・染色する"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neovascularization (new vessels)'>新生血管</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='proliferative retinopathy'>増殖網膜症</span>)を疑う"]
    D --> F["範囲(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='quadrant (breast quadrant)'>象限</span>数)を評価"]
    F --> G{"1<span class='jp-term jp-term-diagram' title='quadrant (breast quadrant)'>象限</span>以上に顕著なIRMAがあるか"}
    G -->|"はい"| H["重症<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nonproliferative diabetic retinopathy, NPDR'>非増殖網膜症</span>の基準を満たす"]
    G -->|"いいえ"| I["過去画像と比較し経過観察を継続"]
    E --> J["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='proliferative retinopathy'>増殖網膜症</span>として<span class='jp-term jp-term-diagram' title='therapeutic indications'>治療適応</span>を検討"]

紛らわしいもの

類似所見 区別の要点
(上または網膜のその他の部位) で進行性に漏出・染色するのが決定的な違い。を越えて側に及ぶ点でも異なる
で生じる・シャント血管 糖尿病以外の虚血性でも類似の血管が起こりうる。既往歴と閉塞パターンで背景疾患を鑑別する
(、傍など) でびまん性の・漏出パターンを示すことが多く、IRMAの無漏出パターンとは異なる
IRMAは血管そのものの異常、はの虚血によるという別の病態。では両所見が同時に増える

まとめ

  • IRMAは域近傍にできる網膜内の細動脈-静脈シャント血管で、を横切らずで漏出しない。
  • との鑑別はでの漏出・染色の有無が決め手であり、これが次の一手(経過観察か治療導入か)を分ける。
  • ⭐ 1以上の顕著なIRMAは、それ単独で重症の基準を満たし、と並んでへの進行を最も強く予測する。

出典

  1. 1.Diabetic Retinopathy(StatPearls Publishing・2023)網膜内細小血管異常が毛細血管閉塞域近傍にできる細動脈-静脈間の網膜内シャント血管で、主要血管を横切らず蛍光眼底造影で漏出しないこと、国際重症度分類で1象限以上の中等度のIRMAが重症非増殖網膜症の基準(4-2-1ルール)の一つであることを確認した。閲覧 2026-09-05
  2. 2.International Clinical Classification System for Diabetic Retinopathy and Diabetic Macular Edema(American Academy of Ophthalmology(Global Diabetic Retinopathy Project Task Force)・2012)静脈数珠状拡張と網膜内細小血管異常が増殖網膜症への進行を最も予測する所見であることを確認した。閲覧 2026-09-05